遠くて近い君へ

中岡 始

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第3章 新たな学び

4. 仕事での課題と挑戦

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隼人はフィレンツェでの研修が進むにつれて、ゲストリレーションの業務における文化や価値観の違いに直面することが増えてきた。日本では当たり前とされるサービスがイタリアでは受け入れられにくかったり、逆にイタリアでは当然のように求められることが日本の感覚では不自然に感じられたりする場面がしばしばあった。特に、ゲストとの距離感や言葉遣いにおいて、どの程度カジュアルに接すればよいのか迷うことが多かった。

そんなある日、隼人はホテルに滞在しているビジネス客から急なリクエストを受けた。ゲストは翌朝の会議のために、深夜までに資料の印刷と手配を頼んできた。日本なら迅速に対応しようとするが、イタリアのスタッフは「こんな時間に?明日やればいい」と口を揃えた。

隼人はどうすべきか迷い、最終的にアレッサンドロに相談することにした。アレッサンドロは落ち着いた表情で、隼人の話を聞いてから言った。

「この場合、ゲストの要求にすぐ応えようとするのは大事だけど、それをすべて受け入れるのではなく、どのように対応するかを工夫することも必要だよ。例えば、急なリクエストにはできる限り対応するけど、それが難しい場合には代替案を提案して、ゲストに納得してもらうんだ」

隼人はそのアドバイスに従い、ゲストに連絡を入れ、翌朝までに資料を整える代わりに、事前に確認しておきたい内容を先にメールで送信することを提案した。ゲストは納得し、問題は無事に解決した。

その日の仕事が終わった後、アレッサンドロは隼人に微笑んで言った。

「失敗を恐れず、挑戦することが成長につながるんだよ。僕も最初はたくさんのミスをしたけど、それを通じて学んできた。隼人ももっと大胆に新しいアプローチを試してみるといい」

隼人はその言葉に励まされ、次の日から積極的に新しい方法を試みるようになった。ゲストと直接話をする際にも、アレッサンドロから教わった「適度な柔軟さと遊び心」を持つことを心がけた。失敗することもあったが、そのたびに周囲のスタッフが助けてくれ、隼人は少しずつ自分の接客スタイルに自信を持ち始めた。

「文化の違いに苦しむのではなく、それを楽しんでみよう」と思うようになり、隼人の挑戦はさらに続いた。
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