遠くて近い君へ

中岡 始

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第4章 近況報告

2.翔の反応

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隼人からのメッセージが届いたのは、忙しい日常の合間だった。スマートフォンの画面に映る「元気にしてるか?」という隼人の言葉を目にした瞬間、翔の心がふっと温かくなるのを感じた。久しぶりの連絡に胸が躍ったが、その反面、どのように返信すればいいのか迷いが生じた。

翔は少しの間、画面を見つめて考え込んだ。隼人がいなくなってから、青海の宿での日常は大きく変わった。健一の指導に奮闘し、自分なりに成長を感じてはいたが、隼人の存在がどれだけ大きなものだったかを改めて実感する日々でもあった。今はその成長を隼人に報告したい気持ちが強かったが、それをどう伝えれば良いのか、言葉を選びながら返信を書き始めた。

「元気だよ。こっちは相変わらず忙しいけど、なんとかやってる。健一も少しずつ成長してきてるよ。最初はミスも多かったけど、最近は自分で改善策を考えたり、頼もしくなってきた。俺も彼の成長に助けられてる部分が多くて、毎日勉強になることばかりさ」 

文字を打ちながら、翔は健一との時間が自分にとってどれほど大切であったかを思い返していた。隼人が不在の中で、自分がどれだけ成長できたのかを伝えることは、彼に対して胸を張って言えることの一つだと思った。 

「隼人がいない間、俺も色々と考えさせられたよ。君がそばにいたときは、どれだけ安心して仕事ができてたかってね。でも、それでも俺は自分の道を進もうとしてる。君がフィレンツェで頑張ってるみたいに、俺も青海の宿で成長しようとしてるんだ」 

翔はメッセージを送り終えると、胸の中に少しの緊張が残ったままだった。隼人がいないことで感じている寂しさや、その存在の大きさを伝えきれたかどうかは分からなかったが、少なくとも自分が成長していることを伝えることができた。隼人の返信を待つ間、翔はその思いを胸に秘めながら、また日常へと戻っていった。
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