2 / 2
路地裏にて
しおりを挟む
魔王討伐から2年。
魔王がいなくなったことにより勢力を拡大していくモンスターや、自分たちの領地を拡大する王国が増えた。
しかし、そのおかげで王都のギルドには依頼が以前に比べて大幅に増え、冒険者たちに活気が出てきた。
さらに他国との貿易も活発になり、商業の質も上がった。
そんな王都の路地裏にトウヤは灰色のコートを身にまとって大きな紙袋を抱えて歩いていた。
「ここも立派になったもんだなだぁ。少し前までは活気がなくて商品の質も悪かったのに。」
トウヤは自分のギルドへの近道としてこの道を使っていた。
いつもはこの道には人がおらず、いるとしても素行の悪い人達ばかりだった。
しかし、そんな道にこの日は1人の獣人が倒れていた。
彼女はトウヤの存在に気づくとフラフラの状態で立ち上がり、敵意に満ちた目でトウヤを見た。
「それ以上‥‥近づくにゃ人間。また‥‥また私を捕まえに来たのか。さもなければ‥‥お前を殺すぞ。」
よく見ると彼女には切り傷や青あざなどが多数あり、特に右足の損傷がはげしかった。さらに、首には奴隷の刻印がされた首輪がついていた。
「そんな怖がんなくても僕は何もしないよ。それにここは僕の家への帰り道だからね。まぁ君のことを見つけてしまったからには素通りってわけにもいかないかな。とりあえず僕の家においでよ、見たところ傷だらけだしね。」
トウヤは比較的優しく話しかけたつもりだったが、彼女は警戒をとこうとはせずに
「お前の家にゃんか行くわけにゃいだろ。そんな見え見えの嘘なんかひっかかるわけにゃいよ。」
「あー‥‥まぁそう聞こえちゃうよね。とりあえずその傷と出血量からすると結構危ない状態だから治させてもらうよ。今日が初対面だからといって、死なれたら夢見が悪いからね。」
トウヤが小さな声で何かをつぶやくと獣人の傷が一瞬で消え、何事もなかったかのような状態になった。
「ど‥‥どういうことだにゃ?お前、今何をしたのにゃ!?わ‥‥私にあった傷がどこにも‥‥。お前‥何者‥‥だ‥にゃ。」
極度の疲労と傷が治ったことに対しての驚き、死を免れたことによる安心によって獣人の女の子はその場に倒れてしまった。
彼女が彼を最後に見たとき、トウヤは額に脂汗を浮かべながら苦笑いしていた。
「さて、このあとどうするかな。とりあえず、僕の家に運ぶか。」
トウヤは片方の腕に大きな紙袋、もう片方の腕には女の子というとても不思議な格好のまま裏路地を抜けた。
右足を少し引きずりながら。
魔王がいなくなったことにより勢力を拡大していくモンスターや、自分たちの領地を拡大する王国が増えた。
しかし、そのおかげで王都のギルドには依頼が以前に比べて大幅に増え、冒険者たちに活気が出てきた。
さらに他国との貿易も活発になり、商業の質も上がった。
そんな王都の路地裏にトウヤは灰色のコートを身にまとって大きな紙袋を抱えて歩いていた。
「ここも立派になったもんだなだぁ。少し前までは活気がなくて商品の質も悪かったのに。」
トウヤは自分のギルドへの近道としてこの道を使っていた。
いつもはこの道には人がおらず、いるとしても素行の悪い人達ばかりだった。
しかし、そんな道にこの日は1人の獣人が倒れていた。
彼女はトウヤの存在に気づくとフラフラの状態で立ち上がり、敵意に満ちた目でトウヤを見た。
「それ以上‥‥近づくにゃ人間。また‥‥また私を捕まえに来たのか。さもなければ‥‥お前を殺すぞ。」
よく見ると彼女には切り傷や青あざなどが多数あり、特に右足の損傷がはげしかった。さらに、首には奴隷の刻印がされた首輪がついていた。
「そんな怖がんなくても僕は何もしないよ。それにここは僕の家への帰り道だからね。まぁ君のことを見つけてしまったからには素通りってわけにもいかないかな。とりあえず僕の家においでよ、見たところ傷だらけだしね。」
トウヤは比較的優しく話しかけたつもりだったが、彼女は警戒をとこうとはせずに
「お前の家にゃんか行くわけにゃいだろ。そんな見え見えの嘘なんかひっかかるわけにゃいよ。」
「あー‥‥まぁそう聞こえちゃうよね。とりあえずその傷と出血量からすると結構危ない状態だから治させてもらうよ。今日が初対面だからといって、死なれたら夢見が悪いからね。」
トウヤが小さな声で何かをつぶやくと獣人の傷が一瞬で消え、何事もなかったかのような状態になった。
「ど‥‥どういうことだにゃ?お前、今何をしたのにゃ!?わ‥‥私にあった傷がどこにも‥‥。お前‥何者‥‥だ‥にゃ。」
極度の疲労と傷が治ったことに対しての驚き、死を免れたことによる安心によって獣人の女の子はその場に倒れてしまった。
彼女が彼を最後に見たとき、トウヤは額に脂汗を浮かべながら苦笑いしていた。
「さて、このあとどうするかな。とりあえず、僕の家に運ぶか。」
トウヤは片方の腕に大きな紙袋、もう片方の腕には女の子というとても不思議な格好のまま裏路地を抜けた。
右足を少し引きずりながら。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記
糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。
それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。
かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。
ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。
※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる