4 / 7
聞かれた、見られた…
しおりを挟む
「それでさぁ」
キッチンに立つ私に、翔が声をかけてきた。
「…なんでしょう」
「さっきの話の続きなんだけど、紗綾に本当の奥さんの振りをしてほしくて。1ヶ月だけ。その後はマスコミには自然消滅ってことで、何も言わなければ良い。簡単でしょ?
どう?やってみない?」
奥さんの振り…か。
少し前の私だったら、即却下だっただろう。
でも、翔に 何か を奪われた今、少し考えてしまった。
「具体的に、何をすれば?」
「そーだねぇ、手を繋ぐとか、ハグするとか?
三食作ってもらうとか!どう?」
手を繋ぐ…ハグ…無理だ。25年間男経験一切無しの私にできるはずがない。
「ご、ごはん作るくらい…なら」
「えー、やだ。
せめて手くらい繋がせてよ!お願い!この通り!」
この通りってなんだ。またあの上目使いじゃないか。ムカつく。
「そんなの、あの噂されてる女優さんでも良いじゃないですか!どう考えたって、私よりキレイですし…」
私がこう言った途端、翔は俯いてしまった。
不安になった私は、キッチンを離れて翔の側に駆け寄った。
あれ…?顔が赤い?
「わー!やめて、見ないで!ご飯作って下さい!
はい!お願いします!」
翔は顔を手で覆いながら、自分の部屋に去っていってしまった。
――――――――――――――――――――――――――
翔side…
落ち着け俺。
えっと、昨日は家に紗綾をお持ち帰りして、その後、まあいろいろ話して…
バレたかな、バレちゃったかなあ、顔真っ赤にしてるの。
「噂されてる女優さんでも良いじゃないですか!どう考えたって、私よりキレイですし…」
か。
言えない。言える訳がない。
手を繋ぎたいのとか、誰でも良いわけじゃない。紗綾としたいって、心の底から思えたのに。
こんなお調子者キャラだからそう思われちゃうのか…なんて考えたりもする。でも、無理にでも明るくいないと、なんだかドキドキに押し潰されそうになって…
「俺、紗綾の事好きなんだなあ」
そんな言葉が、口からポロリと出てしまった。
――――――――――――――――――――――――――
紗綾side…
お料理が出来て、10分くらいか。翔が部屋から出てこない。
嫌われた?
いや、そもそも好かれてはいないのか。よく考えたら、出会って1日。
料理だけ部屋に持っていこう。その後のことはまた考える。
翔の部屋のドアを開けた。
そーっと入ると、翔の声が聞こえた。
「俺、紗綾の事好きなんだなあ」
今、聞いてはいけないことを聞いてしまったような気がする。
いやいや、嘘だよね。そんな、出会って間もない私が好きだなんて、、、
――――――――――――――――――――――――――
両side…
翔が紗綾の方を見た。
二人はきっと同じような事を考えていただろう。
翔(聞かれた…!)
紗綾(見られた…!)
紗綾「し、し、失礼しました!!!」
紗綾はおぼんにのった料理を机に叩きつけ、慌てて部屋から出ていった。
翔は湯気が出るほど顔を赤くして、それから15分間、部屋の中に閉じこもっていたという。
キッチンに立つ私に、翔が声をかけてきた。
「…なんでしょう」
「さっきの話の続きなんだけど、紗綾に本当の奥さんの振りをしてほしくて。1ヶ月だけ。その後はマスコミには自然消滅ってことで、何も言わなければ良い。簡単でしょ?
どう?やってみない?」
奥さんの振り…か。
少し前の私だったら、即却下だっただろう。
でも、翔に 何か を奪われた今、少し考えてしまった。
「具体的に、何をすれば?」
「そーだねぇ、手を繋ぐとか、ハグするとか?
三食作ってもらうとか!どう?」
手を繋ぐ…ハグ…無理だ。25年間男経験一切無しの私にできるはずがない。
「ご、ごはん作るくらい…なら」
「えー、やだ。
せめて手くらい繋がせてよ!お願い!この通り!」
この通りってなんだ。またあの上目使いじゃないか。ムカつく。
「そんなの、あの噂されてる女優さんでも良いじゃないですか!どう考えたって、私よりキレイですし…」
私がこう言った途端、翔は俯いてしまった。
不安になった私は、キッチンを離れて翔の側に駆け寄った。
あれ…?顔が赤い?
「わー!やめて、見ないで!ご飯作って下さい!
はい!お願いします!」
翔は顔を手で覆いながら、自分の部屋に去っていってしまった。
――――――――――――――――――――――――――
翔side…
落ち着け俺。
えっと、昨日は家に紗綾をお持ち帰りして、その後、まあいろいろ話して…
バレたかな、バレちゃったかなあ、顔真っ赤にしてるの。
「噂されてる女優さんでも良いじゃないですか!どう考えたって、私よりキレイですし…」
か。
言えない。言える訳がない。
手を繋ぎたいのとか、誰でも良いわけじゃない。紗綾としたいって、心の底から思えたのに。
こんなお調子者キャラだからそう思われちゃうのか…なんて考えたりもする。でも、無理にでも明るくいないと、なんだかドキドキに押し潰されそうになって…
「俺、紗綾の事好きなんだなあ」
そんな言葉が、口からポロリと出てしまった。
――――――――――――――――――――――――――
紗綾side…
お料理が出来て、10分くらいか。翔が部屋から出てこない。
嫌われた?
いや、そもそも好かれてはいないのか。よく考えたら、出会って1日。
料理だけ部屋に持っていこう。その後のことはまた考える。
翔の部屋のドアを開けた。
そーっと入ると、翔の声が聞こえた。
「俺、紗綾の事好きなんだなあ」
今、聞いてはいけないことを聞いてしまったような気がする。
いやいや、嘘だよね。そんな、出会って間もない私が好きだなんて、、、
――――――――――――――――――――――――――
両side…
翔が紗綾の方を見た。
二人はきっと同じような事を考えていただろう。
翔(聞かれた…!)
紗綾(見られた…!)
紗綾「し、し、失礼しました!!!」
紗綾はおぼんにのった料理を机に叩きつけ、慌てて部屋から出ていった。
翔は湯気が出るほど顔を赤くして、それから15分間、部屋の中に閉じこもっていたという。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
結婚したけど夫の不倫が発覚して兄に相談した。相手は親友で2児の母に慰謝料を請求した。
佐藤 美奈
恋愛
伯爵令嬢のアメリアは幼馴染のジェームズと結婚して公爵夫人になった。
結婚して半年が経過したよく晴れたある日、アメリアはジェームズとのすれ違いの生活に悩んでいた。そんな時、机の脇に置き忘れたような手紙を発見して中身を確かめた。
アメリアは手紙を読んで衝撃を受けた。夫のジェームズは不倫をしていた。しかも相手はアメリアの親しい友人のエリー。彼女は既婚者で2児の母でもある。ジェームズの不倫相手は他にもいました。
アメリアは信頼する兄のニコラスの元を訪ね相談して意見を求めた。
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
貴方なんて大嫌い
ララ愛
恋愛
婚約をして5年目でそろそろ結婚の準備の予定だったのに貴方は最近どこかの令嬢と
いつも一緒で私の存在はなんだろう・・・2人はむつまじく愛し合っているとみんなが言っている
それなら私はもういいです・・・貴方なんて大嫌い
【完結】何故こうなったのでしょう? きれいな姉を押しのけブスな私が王子様の婚約者!!!
りまり
恋愛
きれいなお姉さまが最優先される実家で、ひっそりと別宅で生活していた。
食事も自分で用意しなければならないぐらい私は差別されていたのだ。
だから毎日アルバイトしてお金を稼いだ。
食べるものや着る物を買うために……パン屋さんで働かせてもらった。
パン屋さんは家の事情を知っていて、毎日余ったパンをくれたのでそれは感謝している。
そんな時お姉さまはこの国の第一王子さまに恋をしてしまった。
王子さまに自分を売り込むために、私は王子付きの侍女にされてしまったのだ。
そんなの自分でしろ!!!!!
追放された悪役令嬢は辺境にて隠し子を養育する
3ツ月 葵(ミツヅキ アオイ)
恋愛
婚約者である王太子からの突然の断罪!
それは自分の婚約者を奪おうとする義妹に嫉妬してイジメをしていたエステルを糾弾するものだった。
しかしこれは義妹に仕組まれた罠であったのだ。
味方のいないエステルは理不尽にも王城の敷地の端にある粗末な離れへと幽閉される。
「あぁ……。私は一生涯ここから出ることは叶わず、この場所で独り朽ち果ててしまうのね」
エステルは絶望の中で高い塀からのぞく狭い空を見上げた。
そこでの生活も数ヵ月が経って落ち着いてきた頃に突然の来訪者が。
「お姉様。ここから出してさし上げましょうか? そのかわり……」
義妹はエステルに悪魔の様な契約を押し付けようとしてくるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる