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第30話 討伐の真実

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『これから森へ入る!まずお前達のやる事は【索敵】を習得する事だ!これに集中しろ!ある程度の敵は俺が倒すが過信はするな!自分の身は自分で守れ!即死でない限りなんとかなる!!いいな!!出発!!』
『はい!!』声が揃う!
 
森の中は空気が重く四方八方から見られている感覚に襲われる。【索敵】を展開するとやはり感覚通り既に囲まれている。
『お前達!早く【索敵】を習得しろ!既に囲まれているぞ!どこから襲ってくるか分からない!警戒しろ!』
騎士団長達に緊張が走る!必死に周りの気配を探る!しかし魔物は待ってはくれない!
『来るぞっ!!数は37!!』
襲って来たのはウルフだった!群れで行動し群れで狩をする。
俺は前方に【アースジャベリン】を撃つ!
半数が餌食になる。
騎士団長達は魔法使いを中心にして前衛職が円陣を組んでいる。
騎士団長達はさほど苦戦していることはなかったが時間が惜しいので【アースジャベリン】で援護する。そして彼等の頭の中にはレベルアップの音が鳴り響いている。
『凄い!レベルが信じられないぐらい上がってる。レベル1上げるのにあんなに苦労してたのに!!』
サーシャが手を震わせて感動している。他のメンバーも歓喜している。
『だから言っただろう?これで信じたか?』
カルメンが感動したまま、
『あぁ!確かに半信半疑だったんだ。これで分かった!このまま師匠に付いていくぞぉぉぉ!!』
『うぉぉぉぉーー!!』
俺達は森を駆け抜ける!!魔物を蹴散らしながら駆け抜ける!そして足を止める。
前方に魔物が集まっている。数は約100匹皆に確認する。
『お前達、【索敵】は出来ているか?』
カメルンが答える。
『あぁ!お陰で全員習得できた!信じられないよ!こんなに早く出来るなんでな!』
『よし!よくやった!
『さて前方に魔物が集まって居るのはわかるな?あの中に強い気配が3匹いる。後は雑魚と言っていい。だが油断はするなよ!今日はこいつらを薙ぎ倒しては終わりだ!気合いを入れろよ!!』
『おう!』
俺達は駆け出す!魔物が見え始めるが様子がおかしい。騎士団長達に止まるように指示して茂みに身を潜めて様子を見る。
『あれは人間か?何をしているんだ?』
それは魔物の前に土下座している姿だった。   
そして土下座していた奴らはそそくさと去って行った。目線を戻すと魔物の前に何かが転がっている。何か動いている・・。目を凝らすと・・。
『・・・人間だ!!!まずい!!お前達!先にいくから後から来い!!』
俺は全力で地面を蹴って駆け出す!後方に大量の砂塵が舞う。そして魔物の前に立ちはだかる!足元には猿ぐつわをされロープで縛られた女の子2人がもがいている。猿ぐつわとロープを外して騎士団の方へ逃がす。そしてボスらしき魔物を【鑑定】する。

オーガロード
種族 魔人
LV  1604                   
体力 11465         
魔力 2570
攻撃 21605
知力 3278
防御 13590
敏捷 16807

【スキル】
剛力・大
剣技・大

(魔人だって?オーガが魔人化したのか!)
オーガロードは頭には捻った長い角を2本生やし口からは上下2本づつの鋭い牙が出ている。約身長3m筋骨隆々で腰にはおおきな剣を刺している。左右にはオーガキングが控えている。
オーガロードは突然現れた圧倒的な存在に戸惑いながら話し出す。
『オ、オイ、ニンゲン!!ソレ、オレノイケニエ、カエセ。』
『生け贄?!どういう事だ!!話せ!』
そう言って殺気を漏らす。
『マ、マテ。オレ、ニンゲント、トリヒキ。
マモノ、ミミ、ツノ、ワタス。
ニンゲン、モラウ。』
『なんだとっ!!!』
それを聞いて全身の毛が逆立つ!込み上げるものを抑えて震える!
(魔物の討伐部位と人間を交換していた?!
魔物討伐を擬装していた!?人間を犠牲にして報酬を貰っていた!?)
そして俺の中の何が切れた!!
『ふざけるなぁぁぉぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!!!!!』
目の前のオーガ達に全力の殺気を纏った魔力が溢れる!!
騎士団長達はその場で固まる。
オーガ達は痙攣し、白目を剥き、汚物を撒き散らし絶命していく!辛うじてオーガロードだけは息があった。
俺はオーガロードの片方の角を持ち【次元斬】で首を刎ねてアイテムボックスにいれたた。
騎士団長達が側に来て話しをする。騎士団長達も驚愕し怒りを露わにし、やり場の無い怒りを噛み締める。
すると弟子達がドラゴンに乗ってやって来た。
『師匠、、どうかしたんですか?もの凄い魔力を感じたから様子を見に来ました・・。』
ギエンが俺の様子がおかしいことに気付いて恐る恐る聞いてきた。
俺は落ち着きを取り戻し弟子達に言う。
『お前達ありがとう。緊急事態だ!王都に戻る!訳は後で話す!』
俺は弟子達とドラゴンに乗り込み飛び立った。
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