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第43話 セティア王女の気持ち
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『セティア王女様、今日はもう日も傾いて来ましたので王宮へお戻りください。アルノーに送らせます。』
メイドにアルノーを呼ぶように伝える。
王女様は何故かびっくりした顔をしてもじもじしている。
『あ、あの、w・・』
何か言いかけたがそんな事を聞いている場合ではない。ここは後1時間か2時間で面倒な事になる。俺は焦って捲し立てる。
『さあ王女様、支度をしましょう!』
ノックが聞こえ、アルノーが入ってくる。
『ハヤト様、お呼びでしょうか。』
『あぁ、セティア王女様を王宮まで送って欲しいんだ。
それでアルノー。お前はそのまま王宮で待機しててくれ。終わったら迎えに行く。』
『かしこまりました。セティア王女様、さあこちらへ。』
アルノーは少し疑問に思ったようだが俺の意図を理解してくれた。優秀な執事だ。
しかし、王女は何故かその場で座ったまま何か言いたげに俺の顔をチラチラ見ている。
『セティア王女様、さあ王様や王妃様が心配なさいます。さあ、行ってください。』
俺はそう言って弟子達の所へ行き指示を出そうとすると、
『あのっ!!私もハヤトの弟子になりたい!!』
王女が意を決して言い放った。
(このタイミングで来たか・・・。時間がないのに。)
皆んな王女様に注目する。そして皆んなが、どうするの?と言う顔で俺を見る。
『セティア王女様、お断り致します。』
王女はそれを聞いて項垂れる。
『なぜ?どうして駄目なの?騎士団長達はよくてなぜ私は駄目なの?私が嫌いだから?』
(時間が無いのに・・・。)
俺はため息をつきセティア王女を見据える。
『説明しないと分からないんですか?
俺の弟子達は地位も力も無く理不尽に強い者から奪われ馬鹿にされて来たんです。
騎士団長達は自分達が信じる力を粉砕され、スタンビートで自分達の無力を感じ、どん底から国を守る為の力が欲しいと願いました。
セティア王女様、貴方は王族と言う名の大きな力を持っています。その力は俺達の思う理不尽なんて敵いませんよ。
俺は力無き者に理不尽をぶっ飛ばす力を与えているんです。
貴方は、何の為に力を使うんですか?』
俺は王女に捲し立てる。
セティア王女は俯き自分が甘かったと気付く。騎士団長達が強くなったのなら私も弟子になれば強くなれるし・・それに・・軽く考えていた自分が恥ずかしくなる。
王女はハヤトに向かい頭を下げる。
『分かりました。私は帰ります。
最後にハヤトは私が嫌いですか?』
俺の顔を恐る恐る上目遣いで見る。
何故か女性陣からざわつきを感じる。女性陣からの視線を感じる。
質問の意図は分からないが今の素直な気持ちを伝える。
『今は嫌いです。』
『うわっ・・!』
女性陣の顔がなんとも言えない顔になる。
『・・ですよね・・・。』
王女は項垂れて出て行く。
『ロウ、念のためにドラゴンを護衛に付けてやってくれ!』
『はい!分かりました。』
(はぁ、やっと行ってくれたか・・・。これで完全に諦めてくれると良いのだが。)
パル(ちょっとだけ王女様に同情したわ。)
エマ(いやー、キツイ一撃だったね・・)
エル(師匠は女心まで両断するの!?)
メル、マリ、エリはなんとも言えない顔でハヤトを見ていた。
セティア王女は馬車に揺られ後悔で頭を抱えている。
なんであんな事聞いてしまったのだろう?分かりきっていたのに何故聞いてしまったのだろう?
ハヤトに嫌いだって言われた。
分かっていたのに胸が痛い。涙が出てくる。
その様子を見ていたメイドがハンカチを渡しながら声をかける。
『セティア王女様、ハヤト様は”今は”と言われました。
これはハヤト様のお心遣いだと思います。
そしてチャンスだと私は思いますよ。』
メイドはそっと頭を下げる。
セティア王女の動きが止まる。ハヤトの表情、話し方、言葉、全てを思い出す。
そしてメイドの言葉を重ねる。
セティア王女は気付く・・・。
ハヤトは私の気持ちに気付いていた。その上で今の考え方では駄目だと教えてくれたんだと。
セティア王女は顔を上げメイドに笑顔で答える。
『ありがとう。救われたわ!』
『何よりでございます。』
優しく微笑んで頭を下げる。
メイドにアルノーを呼ぶように伝える。
王女様は何故かびっくりした顔をしてもじもじしている。
『あ、あの、w・・』
何か言いかけたがそんな事を聞いている場合ではない。ここは後1時間か2時間で面倒な事になる。俺は焦って捲し立てる。
『さあ王女様、支度をしましょう!』
ノックが聞こえ、アルノーが入ってくる。
『ハヤト様、お呼びでしょうか。』
『あぁ、セティア王女様を王宮まで送って欲しいんだ。
それでアルノー。お前はそのまま王宮で待機しててくれ。終わったら迎えに行く。』
『かしこまりました。セティア王女様、さあこちらへ。』
アルノーは少し疑問に思ったようだが俺の意図を理解してくれた。優秀な執事だ。
しかし、王女は何故かその場で座ったまま何か言いたげに俺の顔をチラチラ見ている。
『セティア王女様、さあ王様や王妃様が心配なさいます。さあ、行ってください。』
俺はそう言って弟子達の所へ行き指示を出そうとすると、
『あのっ!!私もハヤトの弟子になりたい!!』
王女が意を決して言い放った。
(このタイミングで来たか・・・。時間がないのに。)
皆んな王女様に注目する。そして皆んなが、どうするの?と言う顔で俺を見る。
『セティア王女様、お断り致します。』
王女はそれを聞いて項垂れる。
『なぜ?どうして駄目なの?騎士団長達はよくてなぜ私は駄目なの?私が嫌いだから?』
(時間が無いのに・・・。)
俺はため息をつきセティア王女を見据える。
『説明しないと分からないんですか?
俺の弟子達は地位も力も無く理不尽に強い者から奪われ馬鹿にされて来たんです。
騎士団長達は自分達が信じる力を粉砕され、スタンビートで自分達の無力を感じ、どん底から国を守る為の力が欲しいと願いました。
セティア王女様、貴方は王族と言う名の大きな力を持っています。その力は俺達の思う理不尽なんて敵いませんよ。
俺は力無き者に理不尽をぶっ飛ばす力を与えているんです。
貴方は、何の為に力を使うんですか?』
俺は王女に捲し立てる。
セティア王女は俯き自分が甘かったと気付く。騎士団長達が強くなったのなら私も弟子になれば強くなれるし・・それに・・軽く考えていた自分が恥ずかしくなる。
王女はハヤトに向かい頭を下げる。
『分かりました。私は帰ります。
最後にハヤトは私が嫌いですか?』
俺の顔を恐る恐る上目遣いで見る。
何故か女性陣からざわつきを感じる。女性陣からの視線を感じる。
質問の意図は分からないが今の素直な気持ちを伝える。
『今は嫌いです。』
『うわっ・・!』
女性陣の顔がなんとも言えない顔になる。
『・・ですよね・・・。』
王女は項垂れて出て行く。
『ロウ、念のためにドラゴンを護衛に付けてやってくれ!』
『はい!分かりました。』
(はぁ、やっと行ってくれたか・・・。これで完全に諦めてくれると良いのだが。)
パル(ちょっとだけ王女様に同情したわ。)
エマ(いやー、キツイ一撃だったね・・)
エル(師匠は女心まで両断するの!?)
メル、マリ、エリはなんとも言えない顔でハヤトを見ていた。
セティア王女は馬車に揺られ後悔で頭を抱えている。
なんであんな事聞いてしまったのだろう?分かりきっていたのに何故聞いてしまったのだろう?
ハヤトに嫌いだって言われた。
分かっていたのに胸が痛い。涙が出てくる。
その様子を見ていたメイドがハンカチを渡しながら声をかける。
『セティア王女様、ハヤト様は”今は”と言われました。
これはハヤト様のお心遣いだと思います。
そしてチャンスだと私は思いますよ。』
メイドはそっと頭を下げる。
セティア王女の動きが止まる。ハヤトの表情、話し方、言葉、全てを思い出す。
そしてメイドの言葉を重ねる。
セティア王女は気付く・・・。
ハヤトは私の気持ちに気付いていた。その上で今の考え方では駄目だと教えてくれたんだと。
セティア王女は顔を上げメイドに笑顔で答える。
『ありがとう。救われたわ!』
『何よりでございます。』
優しく微笑んで頭を下げる。
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