天才中学生高過ぎる知力で理不尽をぶっ飛ばす!

yoshikazu

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第78話 個人戦

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武闘大会の個人戦はルールを変更してファイデル王国を除いた国々でトーナメントを行いう事にした。
試合会場は団体戦と同じ場所だ。
そして、優勝国がファイデル王国に挑戦してハヤトに一撃でも決めたら賞金を出すようにした。

そして今目の前には獣王国ヒューランの戦士
ラージンが緊張しながら嫌な汗を流している。
獣人は相手の強さを敏感に感じるらしい。

『ふ、震えが止まらん!なんだこの圧倒的な雰囲気は・・・。
俺は今から何と戦うんだ?!』
ラージンは目の前の人間が数倍の大きさに見えていた。

(レベル280か獣人は狩が好きらしいからレベルが高いのか!
それにスキル獣化か・・・面白いな。)

俺は緊張しまくっているラージンに声をかける。
『なあ!そんなに緊張しなくてもいいぞ!
これは試合なんだ。気楽に行こう!!
それと最初から全力で来た方がいいぞ!
中途半端は怪我のもとだ!』

ラージンは無理矢理口角を上げて震えながら笑う。
『か、簡単に言ってくれるな!全身の毛が逆立って居るんだ。
と、所で腰の剣は使うのか?』

『フッ。安心しな。これは使わないよ。
まぁ、こんな所では使えないんだよ。』

一振りで会場が無くなりそうだからな。
俺の一生で数えるくらいしか使わないだろうな。

ラージンは安堵する。
『そ、そうか!安心した。その剣からも訳が分からんほどの雰囲気を感じるからな』

俺は刀を褒められて少し嬉しかった。
『じゃあ!始めようか!』
俺が手を挙げると
『ファイデル王国vs獣王国ヒューラン・・・
始め!!!』
開始のドラが鳴る!!

ラージンは開始から獣化を始める。
筋肉が盛り上がり牙が生えて黄金色の毛が全身を覆う。
ライオンに近い獣になっていく。

『待っててくれてありがとよ!胸を借りるぞ!!』
震える身体に喝を入れフェイントを織り込みながら爪を振り下ろす!
しかし額に激痛が走ったと同時に後ろへ吹き飛ぶ!!
『ぐがっ!な、殴られたのか?!全く見えん!!でもいくぞ!一撃だまぐれでもいい!


獣人の身体能力に楽しくなって来た。
『いい気迫だ!目で追おうとするな!気配を感じろ!
格上との戦いは気後れしたら負けだ!
全力で勝つつもりで来い!!』

『うおぉぉぉぉぉ!!!』

ラージンが迷いなく踏み込み、全力で振り下ろす!
そして同じ場所へ打ち込むと今度はまともには食らわずポイントをずらされる。
しかしやっぱり吹っ飛ばされる。

ズザアァァァァ!!

『ぐぅぅ、痛えぇぇ!でも分かった気がするぞ!気配か!!楽しくなって来たぁぁぁ!』

『やるじゃないか!!飲み込みが早いぞ!
じゃあ少しだけギアを上げるぞ!』

ラージンに擦り傷や打撲痕が増えていくが、まともに食う事が減っていく。
攻撃も段々と鋭くなっていく。

もう少しギアを上げようとした瞬間!
ラージンの渾身の蹴りがハヤトの服の端を僅かに掠った!

切れた服の端を見て頷く。
『フッ!お見事!やられたよ!ラージン!
俺の負けだ!』

ラージンは限界だったらしく、そのまま叫びながら崩れ落ちて両手を空に掲げる!!

『うおぉぉぉぉぉ!!やったぁぁぁぁ!!
あう!痛えぇぇぇ!痛えけどこんな達成感初めてだぁぁぁ!!』

俺はラージンに手を出すとラージンが手を掴み立ち上がる。

ボロボロのラージンを眺めて
『楽しかったよ!ラージン!俺から賞金の他にプレゼントがあるんだ!
自分のステータスを後で確認してくれ!』

『あぁ、俺も楽しかったよ!ボロボロだけどな・・・。
また機会があったら相手をしてくれ!
ステータスは確認してみるぞ!』

観客席から溢れんばかりの拍手が降り注ぐ!

そして試合後、ラージンがギルドでステータスを確認する。

『うあっっっ!!レ、レベル346ぅぅぅぅ!!!!!なんだこれぇぇぇぇ!!
一気に66も上がってるぅぅぅぅ!!
職業が獣王になってるぅぅぅぅ!!
しかもステータスの上がり方がおかしいぞ!!し、信じられん、いや信じよう!
英雄と言われる意味が少し分かったぞ・・』

ここに獣王国ヒューランの最強戦士が爆誕したのだった。

『師匠!凄く楽しそうだったよ!』
エルが足にしがみつき覗き込む。
エルの頭に手を置いて
『あぁ、あんなに真っ直ぐな奴は気持ちがいいな!
あんな奴ばかりならいいのにな・・・。』

遠い空を見ながら思いを馳せる。

【神さま部屋】
『ゲイン・・・ハヤトの言葉が届かなかったか・・・。

『ハヤトの言った事は全て正しかった。でもゲインはそれを認めたくなかった。
不器用な人間だったわね・・・。』

『ハヤトの言う通り俺達を楽しませてくれるハヤトに奇跡を起こそうかな?』
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