天才中学生高過ぎる知力で理不尽をぶっ飛ばす!

yoshikazu

文字の大きさ
87 / 183

第86話 ツンデレ

しおりを挟む
カルノーはデンバーの胸に顔をぐりぐりと押し付けて甘えている。
『寂しかったのぉーー!!ファイデルの奴らに封印されて500年も経ったのぉぉぉ!!
奴らに復讐してやるの!!』

なんか物騒な事を言ってるな・・・。

デンバーは頭を撫でながら
『そうか・・・突然姿が見えなくなってびっくりしたんだぞ?!
それにしても封印されていたとはな・・・
何かしでかしたのか?』

『奴らが生意気だったから、アンデット軍団で攻めてやったの!
そしたら卑怯にも200人の集団魔法【サンクチュアリ】の罠を用意してたの・・・・。
それで弱った所を捕まって封印されたの・・・。』
カルノーは悲しい目でデンバーを見る。

『そうか・・・大変だったんだな。
でもな、お前が先に手を出したなら仕方ないだろう?
それに、ファイデル王国に復讐は絶対にやめた方がいいぞ。』

カルノーを諭す様に頭を撫でる。

『なんで!?どうして?!もうあんな失敗はしないわ!!』
ほっぺを膨らませデンバーの胸をぽかぽかと叩いてる。

デンバーはため息をつく。
『忘れてないか?お前の僕が消滅しているのを?!
レベル1500を越える僕が一瞬で消滅されたのを?』

カルノーは我に返り周りを改めて見ると、
自分達以外が、呆れ果ててジト目で見ている姿だった。
カルノーは目を泳がせデンバーから離れて背筋を伸ばし真剣な顔を作る。

『コ、コホンッ!お主か妾の忠臣達を倒したのは?』
今更、態度を変えてももう遅いような気がするが。

『あぁ、危険だと判断したから俺達が倒したぞ。』
頭を掻きながら答える。

カルノーはハヤトを見据えながら

『500年経ってファイデルは強国になってしまったか・・・・妾の忠臣をあしらうとは・・・致し方ないか・・・。』

カルノーは目を瞑り冷静に考えてため息をつく。
『そうよな。妾も無駄死には御免だ。
悔しいがお主からは、とてつもない魔力を感じる。お主、名はなんと言う?』

『アマクサ・ハヤトだ。デンバーとは友人だ。』

『妾は不死王カルノーだ。その名、覚えておくぞ。』

カルノーは真剣な面持ちでハヤトを見据え、デンバーに振り向く。

『デンバー!わたしの城に行こうよぉ!!
500年前に建てたのよ!
住む前に封印されちゃったけど・・・・。
今度こそ・・・一緒に・・・住もうよ・・。』

カルノーは全力でもじもじしながらデンバーの胸にのの字を書いている。

(こ、これが噂のツンデレと言うやつか・・・こんな所で見れるとは思わなかった。)

『ハヤトよ。見ての通りだ。帰る所が出来た。』
カルノーの頭を撫でる。

『あぁ。そうみたいだな。
2人で仲良くな!くれぐれも無茶はするなよ!
いつでも遊びに来ていいからな!』

デンバー達は手を振りながら屋敷を出て行く。
後ろから付いていくチェイス。そしてフェンに弟子達が抱きついてモフモフしながら別れを惜しんでいた。


『さてと、後はあの変態クソ野郎の処理だな。』
股間を濡らして気絶しているクライを眺める。


見回りに行っていた使用人が部屋に飛び込んでくる。
『ライド様!!大変でございます!!!
封印の祭壇が荒らされ剣が抜かれております!!』

ライドが机を叩き立ち上がる!
『なんだとぉぉぉぉ!!!誰だぁぁぁ!!こんな馬鹿な事をする奴はぁぁぁ!!!
まずいぞ!
不死王が復活したら王都は全滅だ・・・。』

『ライド様、英雄ハヤト様がお見えになりましたが、いかが致しましょうか?』
執事が一礼する。


『え、英雄ハヤト殿が?!
分かった。ここへ通してくれ。』
(一体なんの用だ?まさかもう被害が・・)

執事に案内され部屋に入るとクライをライドの前につき飛ばす。

『あうっ!!』
クライは勢いで座り込む。

『こいつはあんたの息子だよな?』
俺はぶっきらぼうに話す。

『そ、そうだが・・・また何かしでかしたのか?』
恐る恐るハヤトに聞く。

『あぁ、メーランド公爵家の事で俺に復讐しに来たんだよ!
不死王を連れてな!!!』

『ひいぃぃぃぃぃ!!!!』
カミナリが落ちるのを察してクライが蹲る。

『なんだとぉぉぉぉぉ!!!!
この大馬鹿者がぁぁぁぁぁぁ!!!!』
ライドはクライの髪の毛を鷲掴みにして部屋の隅へ投げ捨てる。

ドガシャァァァァァン!!
『お前の話しは後回しだ!!』

『ハヤト殿!この度は馬鹿息子が失礼をした。申し訳ない。
それで、不死王は?!不死王は何処へ行ったのだ?!』
ライドは慌ててハヤトに詰め寄る。

『慌てなくてもいい。不死王は俺達が処理しておいた。暴れる事はないから心配するな。それよりも、あの変態クソ野郎の教育をしっかりとしてくれ!』

ライドはキョトンとした顔で固まる。
『ふ、不死王を・・・処理した・・・?!』

そして固まるライドを置いて屋敷へと
戻っていった。


屋敷に戻りエントランスに入ると白い塊がパタパタと尻尾を振っている。

すると階段の上から

『ハヤト!遊びに来たぞ!!』
『城が壊されていておったのだ。しばらく厄介になる。』

デンバーがカルノーと手を振っている。

(デジャヴ!!!)

頭を掻きながらため息をつく。
『ふっ・・まぁいいか・・・賑やかで。』
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作) 異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!

IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。  無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。  一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。  甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。  しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--  これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話  複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】  ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。  見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。  大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!  神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。 「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

処理中です...