天才中学生高過ぎる知力で理不尽をぶっ飛ばす!

yoshikazu

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第122話 封印されしもの

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『師匠!おはようございます!!』
アイラの表情が硬い。
『そんなに硬くならなくても良いよ。
それより僕達は弟子が出来たら渡す物があるんだ。』

ロウはアイテムボックスから一振りの剣を取り出してアイラに差し出す。

『この剣は僕が初めて師匠からもらった物なんだ。
それに仲間が手を加えて修行用の剣になっているんだ。』

アイラは恐る恐る剣を受け取ると何かが自分の中に入ってくる感覚に襲われる。

『凄い・・・何かに護られている感じがする。師匠!ありがとうございます!!』

『うん!じゃあミラフ村へ行くよ!』
『はい!師匠!!』


ミラフ村の前に着くとすぐに門が開いた。
『おおーー!!!竜神様!!!ようこそおいでくださいました!!さあ!こちらへ!』

門兵に付いて石畳を歩いていると住人が出てきて跪く。

(一体この村にとって〈竜神〉はどう言う存在なんだろう?)

村長の家に通されると村長が跪いて待っていた。
『竜神様、来て頂きありがとうございます。
少しお話しにお付き合い願います。』

(ねえ、師匠は〈竜神〉なの?)
アイラが期待の眼差しで耳打ちする。
(そうだよ。僕は〈竜神のロウ〉って名乗っているんだよ。)

(す、凄い!!凄いよ!!)
後ろで静かにはしゃいでいる。

ロウはアイラを放っておいて村長を見る。
『村長さん。お話し聞きますよ。』

村長は座り直し話し出す。
『ありがとうございます。
わしは昔、〈竜神タウロ〉の生まれ育った街の領主をやっておりました。
毎日強くなる為、街を守る為だと努力しておりました。
そして竜神様は他の街も気にかけて〈エンペラードラゴン〉と共に魔物から街を守っておりました。
そしてある日、魔人〈竜王イグナ〉が攻めて来たのです。
竜神様は〈竜王イグナ〉の率いる数十匹のドラゴンに立ち向かいドラゴンだけは倒したものの、〈竜王イグナ〉の前に倒れたのです。』

ロウは怪訝な顔をする。
『ちょっと待って?!竜神が竜王に負けたの?!それはどう言う事?何があったの?』

村長は俯きその質問が来ると予想していたようだった。
『はい。実は〈竜神タウロ〉は〈竜人タウロ〉なのです。
わしらはタウロを街の守り神として敬意を払い〈竜神タウロ〉と呼んでいたのです。』

(そう言う事だったのか・・・だから竜神を祀る村か・・・そうか・・封印の上に村を建てた理由が分かった・・・全てが繋がった。)

『そうだったんですね。
ここに封印されている邪竜と言うのは〈竜人タウロ〉のエンペラードラゴンなんですね?』

村長は少し驚いた顔をしていた。
『はい。知っていたのですね。
〈竜人タウロ〉が倒れた後、〈竜王イグナ〉がエンペラードラゴンを奪ったのです。
そして若き日のヒューラン王率いる精鋭で暴れるエンペラードラゴンを封印したのです。』

ロウは自分の考え方正しいと頷く。
『やっぱりそうだったんですね。
そして封印を守る為に村を建ててエンペラードラゴンを解放出来る者を待っていたんですね。』

村長はロウの察しの良さに微笑む。
『流石は竜神様です。
この村を〈竜神を祀る村〉と命名してお待ちしておりました。』

村長は座り直し頭を下げる。
『〈竜神ロウ〉様!どうかエンペラードラゴンを解放してやってください!!
〈竜人タウロ〉を安心させてやってください!お願いします!!』

ロウは優しく声をかける。
『村長さん。もちろんそのつもりです。
だけど1つ気になる事があります。
〈竜王イグナ〉は何処へ行ったのですか?』

(僕の考えが正しければ・・・迂闊なことは出来ない・・・)

『そ、それが分からないのです。エンペラードラゴンを封印した時からピタリと姿が無くなったのです・・・』
村長はロウの顔を見てその可能性に気付く。

『ま、まさか・・・エンペラードラゴンと一緒に・・・封印されている・・・?』

ロウは頷く。
『その可能性が高いですね。
封印を解いた瞬間に〈竜王イグナ〉も復活する。
僕1人なら大丈夫だと思いますが村の人達は避難した方がいいですね。』

ロウはアイラに振り返り
『アイラも避難するんだよ。早く。』

アイラは頬を膨らます。
『嫌よ!!私も戦うわ!!逃げるなんてもう嫌よ!!』

(困ったな・・こうなったら何を言っても無駄かな・・・仕方ないな・・・)

『分かったよ。だけど僕の傍にいるんだよ!
絶対先走らない事!いいね?!』

アイラは笑顔になる。
『はい!師匠!!』
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