天才中学生高過ぎる知力で理不尽をぶっ飛ばす!

yoshikazu

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第165話 試練のダンジョン 6

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〈獣王国ヒューラン〉side

ロウの【索敵】に無数の反応が出ている。

『うーん・・・既に扉の向こうでお待ちかねのようだね・・・さて、どうしようか・・』
ロウが作戦を練っていると、シルビィがやる気満々で小さな翼を目一杯広げて扉に向かって威嚇している。

『キュイ!キュイ!!』

『おお、シルビィはいつ見ても可愛いのぉ!』

カルノーがシルビィの頬を突くとシルビィは指に頬ずりして答える。

『ぐうるぅぅぅ』

そして同じように、アイラがそっとシルビィを突くと・・

かぷっ!!
『痛っ!!何で私は駄目なの?!』

シルビィはぷいっとそっぽを向いてしまう。

『シルビィはアイラをライバル視しておるようだの・・・。』カルノーが呟く。


『ほら!遊んでないで行くよ!!
カルノーさん!僕が扉を開けるから扉の外から一撃大きなやつを撃ってください!! それを合図に雪崩込みましょう!!』
ロウがカルノーに笑顔で頼む。

カルノーは目を細めてニヤリと笑う。
『うむ!良かろう。この一撃で終わっても知らんぞ!!』

『いいですよ!!むしろ終わってくれた方が楽ですから!
それじゃあ行きますよ!!せぇーのお!それぇぇぇ!!!!』

ロウは勢いよく扉を開ける!!

『ばぁぁぁぁん!!!』

カルノーが扉の向こうの魔物達に向かって手をかざす!!
『暗黒魔法最上位【ヘル・フレア】!!!』

すると扉の向こうに巨大で黒く燃え盛る球体が現れる!!まるで黒い太陽であった。
その黒い太陽からの圧倒的な熱量で魔物達は身動き出来なかった。
しかし黒い太陽はさらに膨張し遂にはひびが入った・・・。

『ロウよ!早く扉を閉めるのだ!!』
カルノーが慌ててロウに言うとロウも慌てて扉を閉めた。

カルノーは落ち着くと肩の力を抜く。
『ふむ。【ヘル・フレア】はの、あそこから大爆発を起こして圧倒的な熱量と衝撃波を撒き散らすのじゃよ。
数年前の妾のレベルでも街1つ吹き飛ばす威力なのじゃ。
だから、今のレベルで放った【ヘル・フレア】は・・・想像がつかんのじゃ・・・』

『そ、それじゃあ術者も危ないんじゃないですか?』
アイラが聞くとカルノーは肩をすくめる。

『その通りじゃ。昔は放ってから身を隠す程度で済んだが・・・今は相当強力な結界でもない限り無理じゃな・・・本当に使えん魔法じゃよ。』

『やっぱりそうなんですね・・・はは・・』

『さて、もうそろそろ良いじゃろう。
ロウよ、そっと開けてみよ。』

カルノーから言われそっと扉を開けると、開けた隙間から熱風が漏れてくる。耐えられない程では無いのでさらに開けると、目の前の光景に唖然とする。

『こ、これは・・・凄い事になってるね・・・』
『こんなの・・・地上で使ったら・・・』
『ふむ・・・全く使えん魔法じゃ・・・』

見渡す限りの焼け野原だった・・・熱風と砂埃が風に乗り吹き抜ける。
一体ここがどんなフィールドだったのかも分からないぐらいの焼け野原であった・・・。


『ぬぐぐぐぐ・・・・俺が必死になって作り上げたゴーレムを・・・化け物共めぇぇぇぇ
!!!!
こいつらどんどん強くなって行くぞ?!どうなっているんだ!!!
レベル5000のゴーレムを雑魚みたいに・・
これも〈英雄ハヤト〉の仕業だと言うのか?
くそっ!!!もうどうなっても構わん!!!人間如きに負ける訳にはいかんぞ!!


ロウは焼け野原で残りの敵がいないか【索敵】で探っているが全く反応が無かった。

『本当に一撃で終わってしまったね・・・僕達の出番が無かった・・まぁ、良いけどね。
それにしてもずっとレベルアップの音がしてるよね・・・』

徐にカルノーを【鑑定】すると、ロウの目が点になる。

『カルノーさん・・・レベル12万2300・・
更に上がり続けていますよ・・・他の人達の経験値も流れて来るから当然か・・・本当に師匠の力は絶大だよね・・・』

『本当にそうだよね・・・そう言う師匠のレベルも大変な事になってますよ・・レベル15万3600・・・もう訳分かんないですよ。』

アイラがロウを【鑑定】して呆れている。

すると突然【危機感知】が鳴り響く!!

『上だ!!!』

3人同時に空を見上げると巨大なドラゴンが3人の上空で旋回していたのだった。

『キュイィィィィィ!!!!』

シルビィが出番が来たとばかりにロウの肩から飛び降りて元の大きさに戻る!
その瞬間!上空から【ドラゴンブレス】が放たれる!!

『ごあぁぁぁぁぁぁ!!!!』

負けじとシルビィも地上から【ドラゴンブレス】で対抗する!!

『どごぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』

2つのブレスが空中で激突する!轟音を響かせて均衡するがその場で相殺して衝撃波を撒き散らす!!

どぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!

ロウ達は飛ばされまいと踏ん張りその場に留まった。

『ふう、向こうのドラゴンも中々やるね!
今度は僕達の出番だよ!!』

『はい!!師匠!!やってやりましょう!』


『おいおい!!あのドラゴンは何なんだ?!
あのブレスを相殺するだと?!
どうなってるんだこいつらは・・・・』
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