【後日談追加】男の僕が聖女として呼び出されるなんて、召喚失敗じゃないですか?

佑々木(うさぎ)

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第六章 創生

俺の愛する人(完) ***

 俺は、タカトを全裸にして、あちこちにキスの雨を降らせた。
 皮膚の薄い場所に、しっかり痕がついて、タカトは慌てている。

「駄目です、本当にっ」
「大丈夫。こんなところ、俺以外が見ることはない」

 太腿の内側にキスをしながら言うと、頭の上に手を置かれた。
 退けようとしたんだろうが、力がこもっていない。
 俺に遠慮しているのだとわかり、つい吐息が漏れる。
 それにすらも、タカトは敏感に反応して身じろいだ。
 目の前のモノはすっかり勃起していて、俺は根元を掴んでから舌を這わせる。
 鈴口の割れ目を舌で辿り、往復させてから口に咥えた。

「あ……っは……ふぅっ」

 出しかけた声を抑え、タカトは身を震わせる。
 俺はタカトのモノを吸い上げ、唾液を絡ませて啜った。

「それ……いや、だ……っ」

 先端を口に咥えて音を立てて愛撫していると、ガクガクと脚が揺れた。
 タカトの味がし始めて、俺は舌で舐め取って飲み込む。

 タカトの弱いところは知り尽くしている。
 どこをどうすれば、達してしまうのかも。
 だから敢えて焦らして快感を長引かせ、今は理性で押さえ込んでいる欲望を晒させる。
 我を忘れて身悶え、感じる様は、普段のタカトからは想像できないほどあまりにも淫靡だ。
 
 俺しか知らない。誰も知り得ない姿。
 それを引き出すのは、俺の特権だ。

 舌先を硬くして鈴口の小孔を突いていると、額を押された。

「も……う……っ」

 俺はそこでしゃぶるのを止めて、口からモノを引き抜く。
 タカトは、はあはあと息を乱し、目を瞑って射精を耐えている。
 可愛すぎて、食らいつきたいほどだ。

 獰猛な欲望を何とか押さえ込み、タカトの膝を更に開かせて、今度は後ろの窄まりにも触れた。潤滑油を使ってじわじわと指で弄って中を広げ、俺を咥えこめるように緩める。最初の頃と違って、そこは柔らかく指を包み込み、刺激に応じてきゅっと締まるようになった。

 中を突き、指の腹で擦り立てると、タカトは甘い声で啼くようになった。
 俺は、指を増やしながら、もう片方の手で同時に陰嚢を揉み込む。
 ビクビクと太腿が震えて、タカトが感じているのが見て取れた。
 やがて、口をわずかに開いて引っ切り無しに声を上げるようになる。
 だんだんと行為に夢中になり、タカトの箍が外れかけている。
 ぐりっと指を動かせば、顎を上げて啼く。

 中で感じるようになったタカトを堪能し、俺は指を抜いた。
 このまま、達してしまうのは勿体ない。
 早くタカトと身を重ねて、ひとつになりたい。

 俺は、体勢を変えて、膝の間に身体を滑り込ませ、タカトの尻穴に自身をあてがった。
 それだけで、タカトの窄まりがひくついたのを感じ取る。

「いやらしいな、タカトは」
「……っ」

 言葉を否定できず、頬を赤らめる姿に愛おしさが込み上げる。
 俺はその赤く色づいた唇を啄んでから、ゆっくりと腰を進め、モノの先端で押し開いて中に挿入した。

「う……っく……」

 ビクビクと身体が跳ね、タカトは声を漏らす。
 やっぱりどんなに馴らしても最初はきついらしく、つらそうに眉根を寄せている。
 可哀想だが、こうなったらもう止められない。
 何より、その表情自体に煽られて、ここで終わらせるなんてできそうにない。

 中ほどまで入れた自身を、更に奥まで埋めていく。
 タカトは俺が教えた通りに、必死に呼吸を繰り返している。
 何度か腰を揺すって馴染ませてから、最奥まで進める。

「は……っあ……う……っ」

 すべて挿入し終えたところで一度ぴたりと動きを止め、タカトの顔を見下ろす。
 俺の視線に気付いたのか、タカトも見上げてきた。

「平気、です」

 その割には、苦しそうなんだが。
 動くかどうか迷っていると、タカトは背中に腕を回してきた。

「リディ、いっぱいして……ほしい」
「……っ」

 わざとなら相当な手練れだ。
 いや、むしろ無自覚だからこそ質が悪いと言える。
 危うく、欲望のままに激しく抱いてしまいそうになった。

 俺は、タカトのこめかみにキスを落としてから、ゆったりと腰を使った。

「ん……っは……あ……っ」

 遠慮がちに声を漏らし、タカトの吐息が頬を撫でる。
 俺を締め付ける中は熱く、こっちが先にやられてしまいそうだ。

 緩やかな律動を繰り返し、互いの快感を高めていく。
 
「……リディ……きもち、いい」

 どこか舌ったらずに名前を呼び、タカトは素直に快感を伝えてくる。
 俺は、少し身を離して、タカトの膝を掴んでから、それを起点に出し入れを繰り返した。
 俺を包み込む内部に逆らって抽送していると、引き留めるように絡みついてくる。
 タカトを気遣って行き来していられたのは最初だけで、激しく動いてしまった。

 腰を回し、タカトの感じるポイントに当てると、ビクビクと身体が跳ねる。

「それ、いや……だ」
「これか?」
「は……っああ……駄目、リディっ」

 抜けるほどに腰を引き、浅いところを擦り立てる。
 カリで引っ掻けるように動かすと、タカトは首を振った。

「ほん、とうに……やめ……てっ……あう……ああ……っあ」

 もっと深くほしいと、言葉ではなく身体が訴えてきて、深々と奥を穿つ。
 結合部からぐぷぐぷといやらしい音がして、タカトが感じているのを肌で感じ取る。
 俺は同じ動きを繰り返して、タカトを追い詰め、その分こっちも愉悦を覚えた。
 片手をタカトのモノに伸ばして、先端部分を手のひらで包むと、ぐっしょりと先走りで濡れている。
 俺は、何度か扱いてから、根元を強く握った。
 途端に、タカトは目を見開いて、俺を見上げてくる。

「……にぎら、ないで」
「こうして塞き止めないと、イってしまうだろう?」

 タカトの言葉の意味を理解しながら、俺は敢えてそう言った。
 そのまま、激しく腰を使い出すと、根元を塞き止める俺の右腕に手を載せた。

「イき、たい……」
「今イったら、後が辛くなる」

 一度で終わらせるつもりはないと暗に告げると、タカトの身体が打ち震える。
 ギシギシとベッドが軋んだ音を立てるほどに抽送を繰り返し、奥を穿ち、また抜けるほどに腰を引く。
 タカトは引っ切り無しに高い声を上げ、頭を振って快感を逃がそうとしている。
 それでも限界が訪れたのか、必死に俺に訴えてきた。

「いや、だ……放してっ」
「まだ駄目だ」

 懇願するタカトを、俺は敢えて拒絶した。
 絶望したように見開かれた瞳は、美しい紫色に染まっている。
 普段の色ももちろん好きだが、こうして交わっていると更に色合いが花の色に近付く。
 何と綺麗な瞳だろう。俺だけを映して、光っている。

 俺を見つめる瞳から、やがて涙が溢れ出す。
 その様は、背中がぞくぞくするほどに俺の劣情を掻き立てる。

 大切にしたいのに、泣き顔が見たくて堪らない。
 こんな感情を露わにした顔を、タカトは俺だけにしか見せない。
 あまりに興奮して、俺自身が今にも達しそうだ。

「キスして、タカト」

 俺が強請ると、腕を伸ばして引き寄せ、深く甘いキスをしてくる。

「んん……はっ……リディ……」
 
 俺の舌に舌を絡め、くちゅくちゅと濡れた音を立てる。
 あんなに奥手で、キスさえ知らなかったタカトが、これほどに艶めかしい顔をするようになった。
 ──俺がすべて教えた。
 過去のタカトがちらついて、それにまた興奮を覚える。
 愛し過ぎて、おかしくなりそうだ。

「愛している。お前が、好きだ」
「僕も、好き……だい、すき……」

 息を乱しながら、タカトも愛を告げる。
 頷き返しながら、激しく中を擦り立て、俺を刻みつけた。

「あ……っ駄目……も、う……っ」
「一緒にイこう、タカト」
「んん……っ」

 キスを交わしてから、より深くに入り込んで穿ち、ほぼ同時に達した。
 俺は、腰を揺らしながらすべてタカトの中に注ぐ。

「は……あ……っ」

 タカトは感じ入ったように声を漏らし、俺を抱き寄せる。
 俺は、しっとりと汗ばむタカトに覆い被さり、その余韻に浸った。



 激しい行為の後、横向きで寝るタカトを、俺は背後から抱き締めた。
 ぴったりと身を沿わせて、後ろから前に手を回して、タカトの手を絡めて握る。

「ありがとう、俺のもとに来てくれて」

 俺はタカトの肩口にキスを落とし、ずっと言いたかったことを口にした。
 肩越しに視線だけを向けるタカトに、俺は微笑んだ。

「お前を召喚したゴドフレドにも感謝するくらいに嬉しいよ」

 神官長のゴドフレドとの間には、これまで軋轢があった。向こうも思うところがあったのだろうが、俺も頭の固いゴドフレドを煩わしく思っていた。特に、タカトを邪険に扱う態度には憤りを覚えていたのだが。
 タカトを妃に迎えたいと言ってからは、信じられないほどに態度が柔軟になり、俺に協力してくれた。あんなに助けてもらえるなんて思いも寄らず、最初は何か企んでいるのではないかと思ったほどだ。

 恐らくは、俺に対する負い目がそうさせたんだろうが、それだけに止まらないだろう。
 きっと、裏には父の計らいがあったに違いない。
 そして、父にそこまでさせたのは、やはりタカトだからこそだ。

 俺の言葉を聞くと、タカトは目を大きく見開き、次いで表情を引き締めた。

「召喚失敗だと言われないように、全力で努めます」

 召喚失敗。
 タカトは、自分をそんな風に考えていたのか。

「──お前は何もわかっていないな」

 俺の言葉を聞くと、タカトはきょとんとした顔になる。

 サガンでなくとも、妃の役割を担わなくともいい。
 タカトがタカトであれば、他は何も要らない。
 タカトがタカトとして俺の傍にいてくれれば、それでいい。

 そこまで考えて、ふと過去に言われた台詞が脳裏に蘇えった。

 ──「僕はただ、リディにはリディとして生きて欲しい。あなたのままでいて欲しい」

 今になって、その気持ちがよくわかる。
 きっと、タカトも同じ想いだったに違いない。
 俺は、一度目を瞑ってから、タカトの澄んだ瞳を見つめ返した。

「お前にしっかりわかってもらえるよう、俺も一生かけて想いを伝える」

 組み合わせていた手の甲にキスをして、万感の想いを込めて伝える。

「愛している、タカト。絶対に俺は、お前から離れはしない」
「僕もです、リディ」

 俺の好きな、柔らかで包容力を感じる笑顔。
 この笑みを曇らせることなく、守っていきたい。
 俺が顔を寄せると、タカトは目を閉じて、キスを待っている。
 俺はそっと唇に唇を押し当て、薄く開いた狭間から舌を入れた。

「……ん……っリディ」

 甘く響く呼び声を聞きながら、俺は幸せを噛み締めた。
 
 これから歩む道も、平穏で平坦ではないかもしれない。
 だが、俺は共に人生を歩む相手を得た。
 俺はタカトの体温を肌で感じながら、二人で生きていく喜びに浸った。


-END-

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『男の僕が聖女として呼び出されるなんて、召喚失敗じゃないですか?』-完結-


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