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第三章
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しおりを挟む「サフィ、日が暮れるまで待たせる気か」
先程までのふわふわとした夢心地ないい気分は何処へやら、騎士の刺々しい言葉に頭が痛くなりそう。
「…騎士、ごめんなさい。」
「ならその手を離してこっちへ来い。」
エドウィー王子とこのまま手を繋いでいたい。
そんな私を咎めるような瞳が繋いだ手を見ていた。
「ユーグス卿、婚約者に命令をしないで頂きたい。」
私を少し後ろに引き寄せ、黙って様子を見ていたエドウィー王子が静かな口調で騎士に言う。
「サフィのことはサフィが幼い時からデン陛下より任されている。他にも婚約相手が腐る程選べれる上に昨日までサフィの存在すらまともに知らず、興味本位で近付いてきた何処ぞの男にそれこそ命令されたくは無い。」
どうしてこの男はすぐ喧嘩腰に物をいうのよ!!
自分の立場を理解していない発言に、地下牢に入れられてもおかしくない、否、地下牢に1度入って頭を冷やすべきだわ。
お父様が任せたのは護衛としてよ!
他の女性も婚約対処に上がるのは当たり前よ、それ程に権力も美貌も持ち合わせている方なのよ。
「…サファリーアさんには昨日お伝えしていますが、正式に夫婦になるのはほかの誰でも無い彼女です。ユーグス卿、貴方こそ女性は選び放題でしょう。私に噛みつかず、護衛しているお嬢様の幸せを祈るべきではありませんか?」
鼻で軽く笑い、挑発的な目つきで騎士をみるエドウィー王子。
「ふっ、噛み付く?くだらん。サフィは俺の嫁になる女だ、話がまとまる前にポっと出の男に俺が負けるとでも思っているのか?言いたいように言えばいいが、護衛でサフィの傍にずっといた訳じゃない。時が来るのを待っていたに過ぎやしない。」
私もエドウィー王子も騎士がなにを言ってるのか理解できず困惑した表情になる。
「御存知だとは思いますがユーグス卿、この国の王女であるサファリーアさんと騎士である貴方は立場関係上結婚することは天変地異がひっくり返らない限り有り得ないことです。彼女の幸せを願うなら貴方こそ他の女性たちと今の地位を守り暮らすべきではないでしょうか」
その言葉に騎士が、眉間にシワを少し寄せたかと思えば不気味な笑みを浮かべながら
「何を言うかと思えば有り得ない、か。噛み付いてきているのはどっちなんだろうな?まぁ、嫌でも分かる日が来る、精々自分の国をしっかり守ることだな王子様?あぁ、安心しろサフィは俺が守る。」
エドウィー王子の苦虫を噛み潰したような表情に余程苛立ちを感じているのがわかるが、それと同時に繋いでいた手に自然と力が込められその強さに痛みを伴い私の表情も曇る。
「…おい、サフィの手を握り潰す気か」
私の表情にいち早く気づいた騎士が、強引に手首を持ち己の腕の中へと私をおさめてしまう。
その行動の速さと、騎士の言葉にハッとしたエドウィー王子が申し訳なさそうな表情で私をみる。
「…サファリーアさん、すみません。手は大丈夫ですか?」
「エドウィー王子、気になさらないで。大丈夫ですわ。」
ホッとした表情で見られて、微笑み返した。
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