48 / 58
最終章
05
しおりを挟む
「サフィ、泣くな」
目元に唇をあてがいチュッと涙を吸うように舐められて、ビックっと体が揺れる。
「サフィ大丈夫だ、お前を守れるのは俺だけだ。」
背中をさすり抱きしめられ、騎士の肩に顎を乗せる程に密着している状態で、これからのことを聞く覚悟をしなきゃと自分に言い聞かせる。
「騎士、改めユーグス陛下とお呼びさせて頂きたいの、いいかしら。」
「そうだな、騎士と呼ばれていたのも特別感があり好きだったが、ユーグスでいい。陛下は要らない」
呼び捨てなんて、出来るわけないじゃない!
「慣れるまで、ユーグス陛下と呼びたいの…それとも陛下とだけお呼びした方がいい?」
涙は止まったが潤んだままの瞳で騎士の瞳を見つめる。
「…あぁ、分かった。だが陛下とだけ言うのはダメだ。呼び捨てかどちらかだ。」
「ありがとうございます。」
「サフィ今後敬語を使ったら罰を与える。」
「…罰って」
「そうだな、俺の望む場所にサフィから口づけをしてもらう。どうだ?これではご褒美になってしまうか?」
安心して頂戴、充分私には罰よ。
楽しそうな声で私の頬にキスの雨を降らせる。
「あぁ、早く明日にならないか」
「…明日は何かあるの?」
問うた私に機嫌の良い目で口角を上げたまま
「俺とサフィの結婚式だ」
「…聞いてません、わ」
とんでもない爆弾発言を落としてくる。
「あぁ、今伝えたからな。案ずるな準備は9割済んでいる、あとはサフィがウェディングドレスを着て俺の元へ正式に嫁ぐ儀式が終了すれば、晴れてサファリーア王妃になる。」
「…まだ、心の準備が」
「俺はこの日が来るのを10年以上も待った、まだ待たせるのか?」
待たせた記憶なんてないわよ。
「…時間に有余があれば数日待つことは出来たんだがな、明日はこの国の繁栄を願う公爵達を既に招待しているから、サフィ…待ってやれないのが事実だ。」
口の横ギリギリにキスを落として
「あぁ…はやく、その小さくも赤く旬の果実のようなお前の唇に貪り尽くしたい。」
親指の腹で私の唇を撫でながら、欲を孕んだ目で見てくる。
「ユーグス陛下、ウェディングドレスは…」
「案ずるな、サフィに似合うのを数着選んでおいた。明日は俺がこの国の王である事を再度認識させ、王妃となるサフィの存在を周りに知らしめる機会と言えど、美しいお前のウェディングドレス姿を他の男も見るのかと思うと気が狂いそうだ。」
吸い込まれそうな奥深い闇色をした瞳で私を見てこないでと言いたい。
「私1人で着替えるのる?」
「最低限のメイドがつく。」
「そう…」
「大丈夫だ、メイドの中でも信頼を置ける者をつける。だが極力言葉を交わさないで欲しい。」
「なぜ?」
「サフィが、俺以外の奴らと会話をしていることをずっと我慢してきた。誰の目にも本当はこれ以上触れさせたくはない」
そっと両眉下にキスをし、額と額を合わせ
「どんなに信頼を置けるメイドであろうが、サフィと目を合わし、会話をし、触れるものなら…切り落としてやりたくて堪らなくなる。それを明日は我慢しなくてはならない日だ。喜ばしい事には我慢もつきものだということか…」
重なり合った額を離し軽くキスを落として髪を梳かすように撫でてくる。
正気の沙汰ではない発言に、これ以上何かを聞きたいと思えず
「メイドの件は分かりましたわ、ユーグス陛下、私からの話は以上です、わ」
「サフィ、ちょうど昼時だが食べに行くか?」
何処をみて昼時だと分かったのか私には分からないけれど、お腹はこれっぽっちも空いておらずどう伝えるか言葉を選ぶのに数秒の間ができた。
目元に唇をあてがいチュッと涙を吸うように舐められて、ビックっと体が揺れる。
「サフィ大丈夫だ、お前を守れるのは俺だけだ。」
背中をさすり抱きしめられ、騎士の肩に顎を乗せる程に密着している状態で、これからのことを聞く覚悟をしなきゃと自分に言い聞かせる。
「騎士、改めユーグス陛下とお呼びさせて頂きたいの、いいかしら。」
「そうだな、騎士と呼ばれていたのも特別感があり好きだったが、ユーグスでいい。陛下は要らない」
呼び捨てなんて、出来るわけないじゃない!
「慣れるまで、ユーグス陛下と呼びたいの…それとも陛下とだけお呼びした方がいい?」
涙は止まったが潤んだままの瞳で騎士の瞳を見つめる。
「…あぁ、分かった。だが陛下とだけ言うのはダメだ。呼び捨てかどちらかだ。」
「ありがとうございます。」
「サフィ今後敬語を使ったら罰を与える。」
「…罰って」
「そうだな、俺の望む場所にサフィから口づけをしてもらう。どうだ?これではご褒美になってしまうか?」
安心して頂戴、充分私には罰よ。
楽しそうな声で私の頬にキスの雨を降らせる。
「あぁ、早く明日にならないか」
「…明日は何かあるの?」
問うた私に機嫌の良い目で口角を上げたまま
「俺とサフィの結婚式だ」
「…聞いてません、わ」
とんでもない爆弾発言を落としてくる。
「あぁ、今伝えたからな。案ずるな準備は9割済んでいる、あとはサフィがウェディングドレスを着て俺の元へ正式に嫁ぐ儀式が終了すれば、晴れてサファリーア王妃になる。」
「…まだ、心の準備が」
「俺はこの日が来るのを10年以上も待った、まだ待たせるのか?」
待たせた記憶なんてないわよ。
「…時間に有余があれば数日待つことは出来たんだがな、明日はこの国の繁栄を願う公爵達を既に招待しているから、サフィ…待ってやれないのが事実だ。」
口の横ギリギリにキスを落として
「あぁ…はやく、その小さくも赤く旬の果実のようなお前の唇に貪り尽くしたい。」
親指の腹で私の唇を撫でながら、欲を孕んだ目で見てくる。
「ユーグス陛下、ウェディングドレスは…」
「案ずるな、サフィに似合うのを数着選んでおいた。明日は俺がこの国の王である事を再度認識させ、王妃となるサフィの存在を周りに知らしめる機会と言えど、美しいお前のウェディングドレス姿を他の男も見るのかと思うと気が狂いそうだ。」
吸い込まれそうな奥深い闇色をした瞳で私を見てこないでと言いたい。
「私1人で着替えるのる?」
「最低限のメイドがつく。」
「そう…」
「大丈夫だ、メイドの中でも信頼を置ける者をつける。だが極力言葉を交わさないで欲しい。」
「なぜ?」
「サフィが、俺以外の奴らと会話をしていることをずっと我慢してきた。誰の目にも本当はこれ以上触れさせたくはない」
そっと両眉下にキスをし、額と額を合わせ
「どんなに信頼を置けるメイドであろうが、サフィと目を合わし、会話をし、触れるものなら…切り落としてやりたくて堪らなくなる。それを明日は我慢しなくてはならない日だ。喜ばしい事には我慢もつきものだということか…」
重なり合った額を離し軽くキスを落として髪を梳かすように撫でてくる。
正気の沙汰ではない発言に、これ以上何かを聞きたいと思えず
「メイドの件は分かりましたわ、ユーグス陛下、私からの話は以上です、わ」
「サフィ、ちょうど昼時だが食べに行くか?」
何処をみて昼時だと分かったのか私には分からないけれど、お腹はこれっぽっちも空いておらずどう伝えるか言葉を選ぶのに数秒の間ができた。
0
あなたにおすすめの小説
家出を決行した結果
棗
恋愛
フィービーの婚約者ミゲルには大切な幼馴染がいる。病弱な幼馴染をいつも優先するミゲルや母が亡くなって以降溝が出来てしまった父と兄との関係にフィービーは疲れていた。
デートの約束をしてもいつも直前になって幼馴染を理由にキャンセルされ、幼馴染にしか感情を見せないミゲルを、フィービーを見ようとしない父や兄を捨てる決心をしたフィービーは侍女や執事の手を借りて家出を決行した。
自分を誰も知らない遠い場所へ行ったフィービーは、新しい人生の幕開けに期待に胸を躍らせた。
※なろうさんにも公開しています。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
女騎士と文官男子は婚約して10年の月日が流れた
宮野 楓
恋愛
幼馴染のエリック・リウェンとの婚約が家同士に整えられて早10年。 リサは25の誕生日である日に誕生日プレゼントも届かず、婚約に終わりを告げる事決める。 だがエリックはリサの事を……
私は貴方を許さない
白湯子
恋愛
甘やかされて育ってきたエリザベータは皇太子殿下を見た瞬間、前世の記憶を思い出す。無実の罪を着させられ、最期には断頭台で処刑されたことを。
前世の記憶に酷く混乱するも、優しい義弟に支えられ今世では自分のために生きようとするが…。
転生者と忘れられた約束
悠十
恋愛
シュゼットは前世の記憶を持って生まれた転生者である。
シュゼットは前世の最後の瞬間に、幼馴染の少年と約束した。
「もし来世があるのなら、お嫁さんにしてね……」
そして、その記憶を持ってシュゼットは転生した。
しかし、約束した筈の少年には、既に恋人が居て……。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
愛する義兄に憎まれています
ミカン♬
恋愛
自分と婚約予定の義兄が子爵令嬢の恋人を両親に紹介すると聞いたフィーナは、悲しくて辛くて、やがて心は闇に染まっていった。
義兄はフィーナと結婚して侯爵家を継ぐはずだった、なのにフィーナも両親も裏切って真実の愛を貫くと言う。
許せない!そんなフィーナがとった行動は愛する義兄に憎まれるものだった。
2023/12/27 ミモザと義兄の閑話を投稿しました。
ふわっと設定でサクっと終わります。
他サイトにも投稿。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる