【完結】推しを死亡フラグから救済したら溺愛ルートに入りました⁉︎

白(しろ)

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第一章

祭り当日

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 翌日、昼。俺たちは店を臨時休業として、二人で祭りにきていた。

「……」
「おいルーク止まるな。はぐれちゃうでしょうが」

 あまりの人の多さに本日何度めかのフリーズをしたルークの腕を引いて、一度人波から外れる。
 祭りのメインとなっていない脇道に逸れれば一気に空気は変わり、オレたちは同時に息を吐いた。

「人が多すぎないか」
「祭りはこんなもんだぞ」

 腕から手を離し、ぞろぞろと続いていく人波を見る。
 街中が祭り仕様に飾り立てられ、いつもは静かな雰囲気のある一画がこの時期だけは色とりどりの布や花で鮮やかに彩られている。

 ゲームの世界だと頭のどこかで思ってはいても、こうして生きる人々や知らなかった大きなイベントを見る度にこう考える。ここはおま花の世界であって、そうじゃないのではと。
 いわゆるパラレルワールドだ。
 いくつにも分岐した世界線の一つに、今オレはいるんだろうなと思う。

「もう帰りたいって顔するなよ。これからだぞ」
「またあの人混みに紛れるのか」
「いや、こっから裏道通れば広場まで行ける」
「? ならどうしてあいつらはあそこを歩くんだ」
「参道みたいなもんじゃね? 決められた道を歩いて広場にいくことで神の御加護がもらえるー、みたいな」

 そう説明するとルークは少し黙ったあとにオレを見た。

「並ばなくていいのか、お前は」

 意味がわからず首を傾げたが、ルークの意図が理解できると思わず頬が緩んだ。
 遠回しに加護が貰えなくていいのか、と聞いているのだろう。人混みが苦手なのにそんな提案をしてくれたんだなと目を細めた。

「大丈夫。加護がなくても自分の人生自分で責任持つんで」
「そうか」

 なんとも言えない顔でルークが頷いた。
 その際掛けていた伊達眼鏡がずれて、少しだけ煩わしそうに位置を調整する。その姿があまりにも様になっていて、オレは思わず手を合わせた。

「祈るな」
「推しの眼鏡姿が無料で見れていることに神様に感謝しなきゃ……」

 ルークは顔がとにかくいい。せめてものカモフラージュにと眼鏡を掛けさせたが、かえって魅力が増してしまったかもしれない。オレには効果がありすぎる。
 けれど暗がりならばあまり目立つこともないし、今日は人のひしめき合うお祭りだ。
 皆歩くことと、自分の好きなことをするので手一杯で人の顔を見る余裕なんてないだろう。

「変人め」

 そう吐き捨ててルークが歩き出す。それに慌てて追い付くと全く見当違いの方向に行こうとする男の腕を掴んだ。

「そっちじゃないですよお兄さん。場所知らねえんだから勝手に歩かないの」
「……」

 再びなんとも言えない顔をしたルークの顔を見て腕を離す。
 こっち、と指差して歩き出したのは人の流れとは違う道だ。それにルークは訝しげにいていたが、文句は言わなかった。

「何食いたい?」
「食事が出るのか」
「食い物も出るし、雑貨とかも出る。珍しいアイテムとか、他の国の装飾品とか」
「ここに住んでいる人間なら、アイテムはお前の店で事足りるだろうな」
「そうでもねえよ。祭りに売りにきてるのってオレが作るアイテムとはまたちょっと違うんだよな」
「アイテムにも種類があるのか」
「当たり前だろー? 魔物用、人間用で全然違うし、オレが主に作ってるのって魔物との戦闘用アイテムだし」

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