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第六章
とてもすごいこと
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「そんな気になる?」
「……気にならないと思うのか。俺の体に傷があったらどう思うんだお前は」
「それは心中穏やかじゃないですね」
「そういうことだ」
ルークの指が傷に触れ、それからキスを贈る。傷痕というのは神経が敏感になっているのか、それとも自分がそう感じているだけなのか、とにかく触れられるとぞわぞわする。
それがルークなら尚更。
「俺は、一生母のことを理解できないと思っていた」
傷から下がり、まるで物語の王子様みたいに俺の手にキスをしたルークが呟く。
「形のない愛なんてもののために、世界を破壊しようなんて考えは」
顔を上げたルークは、少し泣きそうな顔で笑っている。
思わず手を伸ばして頬に触れると、ルークの手がそこに重なる。
「だが今ならわかる。俺はお前のためならこの世界を滅ぼせる」
朝の光の中だと、ルークのことがよく見える。
こんなにも情けない顔を見せてくれるようになったことが嬉しいと、こんな時なのに思ってしまう。
「リリアからお前を殺したと聞かされた時、世界が終わったような気がした。いっそのこと一緒に全て終わらせてやろうと思った。だが、できなかった」
「……どうして?」
「リアスがそれを許さないと思ったからだ。お前はきっと俺が世界を破壊することを喜ばない。人を一人殺すことすら、お前は嫌がるだろうと思った」
「そうだなぁ。だって嫌じゃん、好きな人が悪いことするの」
わざと軽い調子で言えば、ルークはそれを見透かしたように笑った。それにつられてオレも笑うとルークが手のひらにキスをした。
「ありがとう、オレのために我慢してくれて」
「礼を言うのは俺の方だ」
再び顔が近付いてゆっくりと唇が重なる。
「ありがとうリアス。お前のおかげで、生きていてよかったと思える」
「……」
人間の涙腺が決壊するのはどうやら一瞬のようだ。
「どうして泣くんだ」
ルークが笑い、溢れた涙を指先で拭う。
「今のは反則だって」
今までルークの前向きな発言で何度も泣いてきた。
幸せだと言ってくれた時も泣いた。けれど今のは、また少し違う。
全てを終わらせたがっていたルークが、きっと全てを諦めていたルークが、生きていることをよかったと言ってくれた。
それは多分、とてもすごいことだと思うんだ。
「オレも、ルークが生きてくれてよかった。ありがとう」
「ああ」
泣きながら伝えるとまたルークが笑った気がした。
どうして曖昧かと聞かれると、また唇が塞がったからだ。
「……この雰囲気でやんの?」
「お前に愛を伝えるのはこれが一番いい」
「それはそうかもしれないけど、ぁ、ちょ……っ!」
ルークの手が胸元に触れた瞬間に反射で体が跳ねる。
それをきっかけに口付けが深くなり、素肌が触れ合った。
「……気にならないと思うのか。俺の体に傷があったらどう思うんだお前は」
「それは心中穏やかじゃないですね」
「そういうことだ」
ルークの指が傷に触れ、それからキスを贈る。傷痕というのは神経が敏感になっているのか、それとも自分がそう感じているだけなのか、とにかく触れられるとぞわぞわする。
それがルークなら尚更。
「俺は、一生母のことを理解できないと思っていた」
傷から下がり、まるで物語の王子様みたいに俺の手にキスをしたルークが呟く。
「形のない愛なんてもののために、世界を破壊しようなんて考えは」
顔を上げたルークは、少し泣きそうな顔で笑っている。
思わず手を伸ばして頬に触れると、ルークの手がそこに重なる。
「だが今ならわかる。俺はお前のためならこの世界を滅ぼせる」
朝の光の中だと、ルークのことがよく見える。
こんなにも情けない顔を見せてくれるようになったことが嬉しいと、こんな時なのに思ってしまう。
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「……どうして?」
「リアスがそれを許さないと思ったからだ。お前はきっと俺が世界を破壊することを喜ばない。人を一人殺すことすら、お前は嫌がるだろうと思った」
「そうだなぁ。だって嫌じゃん、好きな人が悪いことするの」
わざと軽い調子で言えば、ルークはそれを見透かしたように笑った。それにつられてオレも笑うとルークが手のひらにキスをした。
「ありがとう、オレのために我慢してくれて」
「礼を言うのは俺の方だ」
再び顔が近付いてゆっくりと唇が重なる。
「ありがとうリアス。お前のおかげで、生きていてよかったと思える」
「……」
人間の涙腺が決壊するのはどうやら一瞬のようだ。
「どうして泣くんだ」
ルークが笑い、溢れた涙を指先で拭う。
「今のは反則だって」
今までルークの前向きな発言で何度も泣いてきた。
幸せだと言ってくれた時も泣いた。けれど今のは、また少し違う。
全てを終わらせたがっていたルークが、きっと全てを諦めていたルークが、生きていることをよかったと言ってくれた。
それは多分、とてもすごいことだと思うんだ。
「オレも、ルークが生きてくれてよかった。ありがとう」
「ああ」
泣きながら伝えるとまたルークが笑った気がした。
どうして曖昧かと聞かれると、また唇が塞がったからだ。
「……この雰囲気でやんの?」
「お前に愛を伝えるのはこれが一番いい」
「それはそうかもしれないけど、ぁ、ちょ……っ!」
ルークの手が胸元に触れた瞬間に反射で体が跳ねる。
それをきっかけに口付けが深くなり、素肌が触れ合った。
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