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1章
7話
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僕は何も言わずにドアを開ける。当然返答はない。しかし、奥の方で何かを焼く音が微かに聞こえてきた。
「昨日のこと謝った方が良いかな」
……まあ僕の体感では2週間過ぎてるんだけど。
しかし僕は母には何も言わずに、自室へ向かう。
「もしかすると、食事の時間になったらいつものように話し出すかもしれない。それがたとえ嫌な話であったとしても、今日はしっかり聞こう。そうしたら、きっと全て元通りだ」
僕は自分に都合の良い解釈をして、自分から謝るという手段をきれいさっぱり消し去った。
しかしいざ食事の時間が始まると、僕の考えがいかに浅はかで、怠惰極まりない思考であったかを思い知ることになる。
今日は秋刀魚の塩焼きがメイン料理だった。旬なだけあって、脂が乗っており、身の引き締まり方が非常に良い代物だ。だがそんな会話をする余地もないくらい、その場の空気は重苦しいものだった。誰も一言も話さない。父はまだ理解できる。基本食べるときは話さずに、黙々と食べ続けるので特に不自然はない。
問題は母だ。いつもなら何か話してと言わなくても、自分から話をし始めるのに、今日は全く口を開かない。怒っているわけでも、悲しんでいるわけでもないその表情は、僕の洞察力を無効化した。
……やはり前の発言を気にしてるのか?
僕は秋刀魚の骨を端にどけながら必死に考える。
学校の話でもするか?いや、同じ日を2週間以上も続けている僕に、学校の話題などナンセンスすぎる。
姉に助けを求めるか?いや、そういえば姉は今日大学の飲み会があるからご飯は食べないと言っていた。
母に何を考えているのか聞いてみるか?いや、その先を知るのが怖くてとてもじゃないけど聞けない。
茶碗を持ったとき、異様な軽さに驚いて視線を下に落とす。その中は空だった。茶碗だけじゃない。魚も味噌汁も漬物も全てなくなっていた。
……全く食べた気がしない。
しかし、結局僕にはその空気を変える方法が思い浮かばなかった。
「ごちそうさま」
それだけ呟くと、僕は茶碗を台所に持っていき、水につけてそのまま自室に入った。
居心地の悪いあの空気から抜けられたことにほっとする自分がひどく情けなかった。自分が蒔いた種なのに自分ではどうすることもできないのが歯がゆい。今、家の空気を悪くしているのは、間違いなく僕のせいだ。でもどうすればいいか分からない。
……こんな僕でも明日を迎えられるのだろうか?
僕は風呂に入った後、すぐに横になった。
自分の不甲斐なさを戒めながら、ゆっくりと眠りについた。
「昨日のこと謝った方が良いかな」
……まあ僕の体感では2週間過ぎてるんだけど。
しかし僕は母には何も言わずに、自室へ向かう。
「もしかすると、食事の時間になったらいつものように話し出すかもしれない。それがたとえ嫌な話であったとしても、今日はしっかり聞こう。そうしたら、きっと全て元通りだ」
僕は自分に都合の良い解釈をして、自分から謝るという手段をきれいさっぱり消し去った。
しかしいざ食事の時間が始まると、僕の考えがいかに浅はかで、怠惰極まりない思考であったかを思い知ることになる。
今日は秋刀魚の塩焼きがメイン料理だった。旬なだけあって、脂が乗っており、身の引き締まり方が非常に良い代物だ。だがそんな会話をする余地もないくらい、その場の空気は重苦しいものだった。誰も一言も話さない。父はまだ理解できる。基本食べるときは話さずに、黙々と食べ続けるので特に不自然はない。
問題は母だ。いつもなら何か話してと言わなくても、自分から話をし始めるのに、今日は全く口を開かない。怒っているわけでも、悲しんでいるわけでもないその表情は、僕の洞察力を無効化した。
……やはり前の発言を気にしてるのか?
僕は秋刀魚の骨を端にどけながら必死に考える。
学校の話でもするか?いや、同じ日を2週間以上も続けている僕に、学校の話題などナンセンスすぎる。
姉に助けを求めるか?いや、そういえば姉は今日大学の飲み会があるからご飯は食べないと言っていた。
母に何を考えているのか聞いてみるか?いや、その先を知るのが怖くてとてもじゃないけど聞けない。
茶碗を持ったとき、異様な軽さに驚いて視線を下に落とす。その中は空だった。茶碗だけじゃない。魚も味噌汁も漬物も全てなくなっていた。
……全く食べた気がしない。
しかし、結局僕にはその空気を変える方法が思い浮かばなかった。
「ごちそうさま」
それだけ呟くと、僕は茶碗を台所に持っていき、水につけてそのまま自室に入った。
居心地の悪いあの空気から抜けられたことにほっとする自分がひどく情けなかった。自分が蒔いた種なのに自分ではどうすることもできないのが歯がゆい。今、家の空気を悪くしているのは、間違いなく僕のせいだ。でもどうすればいいか分からない。
……こんな僕でも明日を迎えられるのだろうか?
僕は風呂に入った後、すぐに横になった。
自分の不甲斐なさを戒めながら、ゆっくりと眠りについた。
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