12 / 25
一二章 とあるドルヲタかく語りき2
しおりを挟む
「いやったあっ!
ついに!
ついに、応援ハウスに入ることができた!
家賃の一部を直接、推しに振り分けることのできる応援ハウス。これで、これからは生活即推し活の暮らしができる!
応募しつづけて早、半年。激烈なる競争をくぐり抜け、ようやく入居資格を手に入れた。おかげで県外移住する羽目になって会社まで片道二時間かかるようになったけど……でも! そんなこと、しろハー愛の前ではなんでもない! だって、これからは思う存分、しろハーの応援ができるんだもん!
ああ、思い出す。つい先日までの実家住まいの肩身の狭さ。ライブに、イベントに、グッズ類の購入に、さんざんお金を使いまくり、食費もない。お弁当を作ろうとすれば母さんに見つかって『食費もないくせに、なにやってんの⁉』と怒られ、昼食抜きで過ごしたことがどれだけあることか。
応援のために買い込みつづけたグッズがあふれかえれば『なんで同じものばっかり、こんなに買うの⁉ もっとお金を大事にしなさい』と、懇々と説教された。
結婚して家を出た妹の部屋にも入りきらなくなり、床にまであふれ出したときには『こんなに買い込んで床が抜けちゃうわよ!』と、怒鳴られた。久し振りに実家に帰ってきた妹が自分の部屋の惨状を見たときのあの態度……ああ、思い出しただけで背筋が寒くなる。
シークレットライブのチケット欲しさに抽選券の付いたCDを箱買いしたときには怒られるのさえ通り越して、病人を見る目で見られた。さすがにあの目は堪えた!
そのつらさに何度、実家を出て一人暮らしをしようと考えたことか。でも、一人暮らしをすればなにかと経費がかかる。その分、しろハーにつぎ込めるお金が減る。
実家にいれば家族の目が痛い。
一人暮らしをすれば推しにつぎ込めるお金が減る。
このジレンマ!
一般人にとっては死ぬほどどうでもいいことだろうけど、でも! オタク仲間ならわかってくれるよね?
でも、そんな悩みとももうオサラバ! だって、念願の応援ハウスに入ることができたんだもの。
これからは家賃の一部を直接、しろハーに課金することで応援できる。シークレットライブのチケットだって優先的に手に入る。
あたしだってわかっていたのよ。いくら、推しを応援するためだって似たようなグッズを大量に買い込むなんて無駄だって。シークレットライブ行きたさに抽選券のついたCDを箱買いして、その枚数を前にどっぷりと落ち込んだ日が何度あったか。
でも、やめられないのがヲタの習性。まさに『わかっちゃいるけどやめられない!』の世界。
でも、もうだいじょうぶ。家賃を納めることがそのまま推しを応援することになるから、応援のために延々とグッズを買い込む必要はない。このシステムなら一人暮らしで経費が増えても、存分に推しにお金をつぎ込める。シークレットライブや握手会のチケットも手に入るから、抽選券の付いたCDを衝動的に箱買いして、落ち込むこともない!
アイドル事務所が賃貸住宅を直営して、家賃の一部を好きな推しに自由に振り込めるこの仕組み! 考えてくれた人、ほんと神!
あ、もちろん、しろハーだけじゃなくて環境問題とかにも振り分けるよ。
思い出すなあ。
応援ハウスの存在を知ったときの天国と地獄。
入りたい!
熱烈にそう思った。
応援ハウスに入れば家族の目を気にすることなく、思う存分しろハーを応援できる!
これが天国。
でも、すぐに気付いた。
そんなところに入ったらヲタバレしちゃう!
これが地獄。
なにしろ、あたし、隠れヲタだから。
応援ハウスには何がなんでも入りたい。でも、同僚たちにヲタバレするわけにはいかない。入りたいけど入れない。
このジレンマ!
でも、救いの神はいた!
なんと、家賃の振込先は推しだけじゃなかった!
温暖化対策とか、森林保護とか、そういう環境問題に振り分けるオプションもあった。天国と地獄から天国と大天国にひとっ飛び! だって、『環境問題に投資したいから応援ハウスに住むことにした』って言えば、ヲタバレせずに住めるんだもん!
かゆいところに手の届くこの仕様、考えてくれた人、マジ感謝!
応援ハウスの良さはそれだけじゃない。住んでいる人もみんな、ドルヲタだから、なんの気兼ねもなしにドルヲタ話ができる。推したちのスケジュールもどこよりも早く手に入る。他では知ることのできない機密情報だって聞くことができる。新人アイドルのお披露目だってある。入居者限定の特製グッズだって買える!
まさに、ドルヲタの天国!
アイドル事務所にしてみれば家賃収入が入ることでチマチマ、グッズを売るよりよっぽどお金になるし、住人がSNSを通じてバンバン情報を広めてくれるから宣伝費もかからない。まさに、お互いにとっていいことずくめ。この世に正義はあったのだ!
あ、それから、どうでもいいことだけど今度、あたし、課長に昇進することが内定したから。これでお給料もアップするし、ガンガンしろハーに課金するぞおっ!」
「……ヤバい。
さすがにヤバい。
念願の応援ハウスに入れて浮かれすぎた。
だって、楽しすぎるのよおっ! 他の人たちもみんな、熱烈なドルヲタだから話が盛りあがって寝る間もない。入居したその日に歓迎パーティーを開いてくれて一晩中、ドルヲタ話で盛りあがった。カラオケやって、物真似やって、気がついたらもう出勤時間。あんなにあわてて会社に向かったのはさすがにはじめてだったわ。
それからも夜な夜な集まりドルヲタ話。それぞれの推しの誕生日にはバースデーケーキを用意して、みんなで『生まれてきてくれてありがとう』って万歳三唱。楽しすぎて寝てる暇なんかないのよおっ!
おかげで毎日、寝不足で仕事中もボッーとしてミス連発。せっかく内定していた課長への昇進も危なくなってきた。
いけない、こんなんじゃ。社会人として、もっとしっかりしないと!
だって、しろハーのことを愛するあまり、仕事に悪影響が出たなんて知ったら、しろハーのことだもの。絶対、気にするに決まってる!
しろハーが元気にアイドル活動できるよう応援するのがわたしの務め。そのためには自分の生活をきちんとしないと。いい加減にやっていたら、しろハーに怒られちゃう!
課長への昇進だって確実なものにしないと。昇進できなかったらお給料だって上がらないし、しろハーにつぎ込めるお金も増えない。
ごめんね、しろハー。心配かけて。でも、もうだいじょうぶ。これからはちゃんと節度を保って応援するよ。仕事もちゃんとやるよ。昇進もするよ。そして、精一杯、応援する! まっててね、しろハー!」
……そのブログを読み終えて。
あたしは思わず、真顔で言っていた。
「……この人、だいじょうぶ?」
ドルヲタってみんな、こうなの? このテンションの高さ、一般人のあたしにはもはや狂気の域としか思えない。
「……さあ」
って、野々村さんも自信なさげに困ったように笑って見せた。
「あ、でも、ドルヲタがみんな、この人みたいじゃないから。この人はドルヲタ仲間のなかでも熱烈さで有名な人だから」
「あ、ああ、そうなんだ。安心した」
あたしは思わず、本音をもらしていた。
「と、とにかく、応援ハウスに住めば、ソーラーシステムで暮らしていけるってわけ。思う存分、推し活できる上に水道代も光熱費もかからない暮らしができるんだよ」
「……それ。やりたい」
そう言ったときのあたしの目は、我ながら怖いぐらいものだったと思う。あ、もちろん『やりたい』っていうのは『推し活』のことじゃなくて『水道代も光熱費もかからない』って方ね。
「できるよ。岐阜の山奥じゃあ、さすがにここみたいな大規模なソーラーシステムは作れないからね。応援ハウスとオーベルジュ――宿泊施設つきのレストランだけを備えた小規模なものを考えているんだ。実は、場所ももう用意してある。今度はそこを見てもらうよ」
ついに!
ついに、応援ハウスに入ることができた!
家賃の一部を直接、推しに振り分けることのできる応援ハウス。これで、これからは生活即推し活の暮らしができる!
応募しつづけて早、半年。激烈なる競争をくぐり抜け、ようやく入居資格を手に入れた。おかげで県外移住する羽目になって会社まで片道二時間かかるようになったけど……でも! そんなこと、しろハー愛の前ではなんでもない! だって、これからは思う存分、しろハーの応援ができるんだもん!
ああ、思い出す。つい先日までの実家住まいの肩身の狭さ。ライブに、イベントに、グッズ類の購入に、さんざんお金を使いまくり、食費もない。お弁当を作ろうとすれば母さんに見つかって『食費もないくせに、なにやってんの⁉』と怒られ、昼食抜きで過ごしたことがどれだけあることか。
応援のために買い込みつづけたグッズがあふれかえれば『なんで同じものばっかり、こんなに買うの⁉ もっとお金を大事にしなさい』と、懇々と説教された。
結婚して家を出た妹の部屋にも入りきらなくなり、床にまであふれ出したときには『こんなに買い込んで床が抜けちゃうわよ!』と、怒鳴られた。久し振りに実家に帰ってきた妹が自分の部屋の惨状を見たときのあの態度……ああ、思い出しただけで背筋が寒くなる。
シークレットライブのチケット欲しさに抽選券の付いたCDを箱買いしたときには怒られるのさえ通り越して、病人を見る目で見られた。さすがにあの目は堪えた!
そのつらさに何度、実家を出て一人暮らしをしようと考えたことか。でも、一人暮らしをすればなにかと経費がかかる。その分、しろハーにつぎ込めるお金が減る。
実家にいれば家族の目が痛い。
一人暮らしをすれば推しにつぎ込めるお金が減る。
このジレンマ!
一般人にとっては死ぬほどどうでもいいことだろうけど、でも! オタク仲間ならわかってくれるよね?
でも、そんな悩みとももうオサラバ! だって、念願の応援ハウスに入ることができたんだもの。
これからは家賃の一部を直接、しろハーに課金することで応援できる。シークレットライブのチケットだって優先的に手に入る。
あたしだってわかっていたのよ。いくら、推しを応援するためだって似たようなグッズを大量に買い込むなんて無駄だって。シークレットライブ行きたさに抽選券のついたCDを箱買いして、その枚数を前にどっぷりと落ち込んだ日が何度あったか。
でも、やめられないのがヲタの習性。まさに『わかっちゃいるけどやめられない!』の世界。
でも、もうだいじょうぶ。家賃を納めることがそのまま推しを応援することになるから、応援のために延々とグッズを買い込む必要はない。このシステムなら一人暮らしで経費が増えても、存分に推しにお金をつぎ込める。シークレットライブや握手会のチケットも手に入るから、抽選券の付いたCDを衝動的に箱買いして、落ち込むこともない!
アイドル事務所が賃貸住宅を直営して、家賃の一部を好きな推しに自由に振り込めるこの仕組み! 考えてくれた人、ほんと神!
あ、もちろん、しろハーだけじゃなくて環境問題とかにも振り分けるよ。
思い出すなあ。
応援ハウスの存在を知ったときの天国と地獄。
入りたい!
熱烈にそう思った。
応援ハウスに入れば家族の目を気にすることなく、思う存分しろハーを応援できる!
これが天国。
でも、すぐに気付いた。
そんなところに入ったらヲタバレしちゃう!
これが地獄。
なにしろ、あたし、隠れヲタだから。
応援ハウスには何がなんでも入りたい。でも、同僚たちにヲタバレするわけにはいかない。入りたいけど入れない。
このジレンマ!
でも、救いの神はいた!
なんと、家賃の振込先は推しだけじゃなかった!
温暖化対策とか、森林保護とか、そういう環境問題に振り分けるオプションもあった。天国と地獄から天国と大天国にひとっ飛び! だって、『環境問題に投資したいから応援ハウスに住むことにした』って言えば、ヲタバレせずに住めるんだもん!
かゆいところに手の届くこの仕様、考えてくれた人、マジ感謝!
応援ハウスの良さはそれだけじゃない。住んでいる人もみんな、ドルヲタだから、なんの気兼ねもなしにドルヲタ話ができる。推したちのスケジュールもどこよりも早く手に入る。他では知ることのできない機密情報だって聞くことができる。新人アイドルのお披露目だってある。入居者限定の特製グッズだって買える!
まさに、ドルヲタの天国!
アイドル事務所にしてみれば家賃収入が入ることでチマチマ、グッズを売るよりよっぽどお金になるし、住人がSNSを通じてバンバン情報を広めてくれるから宣伝費もかからない。まさに、お互いにとっていいことずくめ。この世に正義はあったのだ!
あ、それから、どうでもいいことだけど今度、あたし、課長に昇進することが内定したから。これでお給料もアップするし、ガンガンしろハーに課金するぞおっ!」
「……ヤバい。
さすがにヤバい。
念願の応援ハウスに入れて浮かれすぎた。
だって、楽しすぎるのよおっ! 他の人たちもみんな、熱烈なドルヲタだから話が盛りあがって寝る間もない。入居したその日に歓迎パーティーを開いてくれて一晩中、ドルヲタ話で盛りあがった。カラオケやって、物真似やって、気がついたらもう出勤時間。あんなにあわてて会社に向かったのはさすがにはじめてだったわ。
それからも夜な夜な集まりドルヲタ話。それぞれの推しの誕生日にはバースデーケーキを用意して、みんなで『生まれてきてくれてありがとう』って万歳三唱。楽しすぎて寝てる暇なんかないのよおっ!
おかげで毎日、寝不足で仕事中もボッーとしてミス連発。せっかく内定していた課長への昇進も危なくなってきた。
いけない、こんなんじゃ。社会人として、もっとしっかりしないと!
だって、しろハーのことを愛するあまり、仕事に悪影響が出たなんて知ったら、しろハーのことだもの。絶対、気にするに決まってる!
しろハーが元気にアイドル活動できるよう応援するのがわたしの務め。そのためには自分の生活をきちんとしないと。いい加減にやっていたら、しろハーに怒られちゃう!
課長への昇進だって確実なものにしないと。昇進できなかったらお給料だって上がらないし、しろハーにつぎ込めるお金も増えない。
ごめんね、しろハー。心配かけて。でも、もうだいじょうぶ。これからはちゃんと節度を保って応援するよ。仕事もちゃんとやるよ。昇進もするよ。そして、精一杯、応援する! まっててね、しろハー!」
……そのブログを読み終えて。
あたしは思わず、真顔で言っていた。
「……この人、だいじょうぶ?」
ドルヲタってみんな、こうなの? このテンションの高さ、一般人のあたしにはもはや狂気の域としか思えない。
「……さあ」
って、野々村さんも自信なさげに困ったように笑って見せた。
「あ、でも、ドルヲタがみんな、この人みたいじゃないから。この人はドルヲタ仲間のなかでも熱烈さで有名な人だから」
「あ、ああ、そうなんだ。安心した」
あたしは思わず、本音をもらしていた。
「と、とにかく、応援ハウスに住めば、ソーラーシステムで暮らしていけるってわけ。思う存分、推し活できる上に水道代も光熱費もかからない暮らしができるんだよ」
「……それ。やりたい」
そう言ったときのあたしの目は、我ながら怖いぐらいものだったと思う。あ、もちろん『やりたい』っていうのは『推し活』のことじゃなくて『水道代も光熱費もかからない』って方ね。
「できるよ。岐阜の山奥じゃあ、さすがにここみたいな大規模なソーラーシステムは作れないからね。応援ハウスとオーベルジュ――宿泊施設つきのレストランだけを備えた小規模なものを考えているんだ。実は、場所ももう用意してある。今度はそこを見てもらうよ」
0
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません
竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
推しと清く正しい逢瀬(デート)生活 ーこっそり、隣人推しちゃいますー
田古みゆう
恋愛
推し活女子と爽やかすぎる隣人――秘密の逢瀬は、推し活か、それとも…?
引っ越し先のお隣さんは、ちょっと優しすぎる爽やか青年。
今どき、あんなに気さくで礼儀正しい人、実在するの!?
私がガチのアイドルオタクだと知っても、引かずに一緒に盛り上がってくれるなんて、もはや神では?
でもそんな彼には、ちょっと不思議なところもある。昼間にぶらぶらしてたり、深夜に帰宅したり、不在の日も多かったり……普通の会社員じゃないよね? 一体何者?
それに顔。出会ったばかりのはずなのに、なぜか既視感。彼を見るたび、私の脳が勝手にざわついている。
彼を見るたび、初めて推しを見つけた時みたいに、ソワソワが止まらない。隣人が神すぎて、オタク脳がバグったか?
これは、アイドルオタクの私が、謎すぎる隣人に“沼ってしまった”話。
清く正しく、でもちょっと切なくなる予感しかしない──。
「隣人を、推しにするのはアリですか?」
誰にも言えないけど、でも誰か教えて〜。
※「エブリスタ」ほか投稿サイトでも、同タイトルを公開中です。
※表紙画像及び挿絵は、フリー素材及びAI生成画像を加工使用しています。
※本作品は、プロットやアイディア出し等に、補助的にAIを使用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる