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八章
もうイヤ!
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「何を考えてんだよ、お前はっ⁉」
島村武雄の怒声が午後の日ざしをつらぬいて弁護士事務所の空気を引きさいた。
『金さえ出せばどんな弁護も引き受けます』をモットーに、手当り次第に依頼人を集める金の亡者な弁護士事務所所長は、真梨子の部屋のなかをいったりきたりしながら腕を振りまわし、顔を真っ赤にして叫んでいた。
真梨子はといえば自分の椅子に座ったまま、嫌味ったらしく両耳に指をつっこんで目を閉じ、むすっとした表情で聞かぬ振りを決め込んでいる。こんな真似をすれば雇い主がどれだけ怒るかは充分にわきまえている。それでも、今度という今度は事務所のモットーに従うつもりはない。
――クビにしたけりゃしなさいよ。
そう思っていた。
いままでは生活のために良心を押し殺し、泣くなく方針に従ってきた。でも、もう、それも限界。これ以上は耐えられない。こんな拝金主義のブタ的生活をつづけるぐらいなら仕事を失い、アパートも追い出され、道端で飢え死にしたほうがまし。そうすれば少なくとも人間としての尊厳は保てるもの。
そう思うほどに真梨子は頭にきていた。鴻志の態度に怒り狂っていた。鴻志の描く世界は真梨子にとってひとつの理想だった。こんな世界を作る手伝いができるなら、他のすべてを犠牲にしてもいい。そう思える世界だった。理想と現実のちがいを思い知らされるようになった身にとっては最後の希望だったと言ってもいい。物語のなかとはいえ、そんな世界が目の前にあったからこそ、現実に打ちのめされそうになりながらも、どうにかこうにか子供時代の情熱を消すことなく弁護士をつづけてこれたのだ。それなのに……。
憧れていたからこそ、裏切られたという思いは強烈で、真梨子の心を引き裂いていた。
――そりゃあ、あたしの一方的な思い込みだったわよ。でも、あんな世界を描く人だもの。やさしくて、誠実で、心の広い、理想主義者だと思って当然じゃない。それが何よ、あの態度。権力バカで暴力バカのネアンデルタール人どもとまるで同じ。あんなやつの作品に夢中になってたなんて恥ずかしい。ああっ、思い出しただけでも頭にくるっ!
頭のなかで鴻志を八つ裂きにし、踏みにじり、八つにたたんで縛り上げ、ゴミ箱に放り込んだ。そんな程度ではとても怒りはおさまらない。帰ったら鴻志の本を全部焼きすてちゃおう。そう決心した。
「自分が何をしたのかわかってるのか、金の卵をみすみすてたんだぞ!」
島村は怒鳴りつづけている。所員たちは心配半分、好奇心半分といった態度で真梨子の部屋のドアの縁からこっそりのぞき込んでいる。ただひとり、事務所のおふくろさんだけが開け放たれたドアの前にでんと立ち、菓子袋片手に見物している。
「あいつは世界的な作家だ、大金持ちだ、金の成る木だ、じゃんじゃん稼がせてくれる金ヅルだぞっ、それを放り出すなんて正気なのか、部屋いっぱいの現金をドブにすてたも同じなんだぞ!」
『金、金、金』の連発に、真梨子の脳髄は音を立ててブチ切れた。神経回路は無視モードから戦闘モードにきりかわり、アドレナリンが分泌され、血液は一〇度ばかりも温度を上げて加速しながら体内を駆け巡る。
真梨子は目を開けた。ぎらりとにらみつけた。両手で勢いよくデスクを叩いて立ち上がった。叫んだ。
「いい加減にしてください! さっきから金、金、金って! それしかないんですか!」
「他に何がある⁉」
島村の答えは揺らぐことなき信念に満ちていた。
「人生で金以外に大切なものが何があるって言うんだ?」
「愛とか、理想とか……」
「そんなお題目で金を巻き上げるのは宗教屋のやり方。おれたち弁護士の金儲けの方法は一に金持ちの依頼人を満足させること、二に金持ちの依頼人を満足させること、三、四がなくて五に金持ちの依頼人を満足させることだ。そのためには金持ちの依頼人に媚びる根性と裁判に何としても勝つイカサマの腕さえあればいい。現実第一、前向きに」
「冗談じゃないわ! 彼は何百人もの人を死刑にするつもりなのよ! そんなことを手伝えっていうの!」
「何百人を死刑?」
島村はあっけにとられた。
「いいじゃないか、大いにオッケー。そんな裁判なら何十年もかかる。あいつが売れてるかぎり、稼ぎに困らずにすむ」
やけにうれしそうに身を乗り出す島村に真梨子はさすがに唖然とした。
「あなた、それでも人間? モラルとか、思いやりっていうものはないんですか⁉」
「何年、おれのもとで働いてる? いまだにそんなことも知らなかったなんて、おとなとして恥ずかしいぞ」
「この金の亡者!」
「おれを呼んだか?」
真梨子の渾身の力をこめた叫びにも、けろりとして答える島村だった。
「とにかくっ!」
真梨子は書類の束でデスクをひっぱたいた。
「あたしはあんなやつの依頼なんて絶っっっ対、受けません!」
「おい、勘違いするな。ここのボスはおれだ。お前じゃない。そのおれが引き受けると決めたんだ。お前にはそれを断わる権利なんかないんだぞ」
「だったら、自分でやればいいでしょ。あたしはしません」
「おい、ふざけるなよ。『やる』と言ったのはお前自身だぞ。一度引き受けたからにはやり遂げるのが筋だろう。モラルってものはないのか?」
「『ない』って言ったのは誰ですか!」
「稼ぎに関するモラルは別モラルだ」
迷うことなく断言する島村である。さすがに抗戦不能を悟って絶句した真梨子を放っておいて、島村はドアに向きなおった。のぞき見していた所員たちが唯一の例外をのぞいて逃げ出した。
島村はその唯一の例外に話しかけた。
「とにかく、他の弁護士のところにいく前に捕まえて、媚びて、媚びて、媚びまくって、うちを選んでもらわなきゃ。おふくろさん、あいつの携帯の番号は? よその事務所に駆けこもうとしたら麻酔薬で眠らせてでもうちに連れてくるぞ」
おふくろさんは悠然として菓子袋を傾けると、中身をまとめて口のなかに放り込んだ。バリボリと威勢よく音を立てて、かみ砕く。一気に飲み下してから答えた。
「ほら、これだよ」
「よし! 家に帰る前に……いや、帰る前に直接、他の事務所に行くこともありうる。その前に捕まえなきゃ。あいつの車種は?」
「電車できたって」
「倹約してため込んでるってわけか? あなどれないやつ。ますます捕まえなけりゃ。よし、所員総出で駅という駅に見張りにつけ、急げ!」
島村の号令で所員が一斉に駆け出していった。島村自身も後に続き、すぐに先頭に立った。後にひとり残ったおふくろさんがちらりと真梨子を見ながらドアを閉めた。その寸前の視線が真梨子の目に入った。それとなく励ますような視線がとても暖かくて真梨子はつい泣き出してしまいそうになった。
島村武雄の怒声が午後の日ざしをつらぬいて弁護士事務所の空気を引きさいた。
『金さえ出せばどんな弁護も引き受けます』をモットーに、手当り次第に依頼人を集める金の亡者な弁護士事務所所長は、真梨子の部屋のなかをいったりきたりしながら腕を振りまわし、顔を真っ赤にして叫んでいた。
真梨子はといえば自分の椅子に座ったまま、嫌味ったらしく両耳に指をつっこんで目を閉じ、むすっとした表情で聞かぬ振りを決め込んでいる。こんな真似をすれば雇い主がどれだけ怒るかは充分にわきまえている。それでも、今度という今度は事務所のモットーに従うつもりはない。
――クビにしたけりゃしなさいよ。
そう思っていた。
いままでは生活のために良心を押し殺し、泣くなく方針に従ってきた。でも、もう、それも限界。これ以上は耐えられない。こんな拝金主義のブタ的生活をつづけるぐらいなら仕事を失い、アパートも追い出され、道端で飢え死にしたほうがまし。そうすれば少なくとも人間としての尊厳は保てるもの。
そう思うほどに真梨子は頭にきていた。鴻志の態度に怒り狂っていた。鴻志の描く世界は真梨子にとってひとつの理想だった。こんな世界を作る手伝いができるなら、他のすべてを犠牲にしてもいい。そう思える世界だった。理想と現実のちがいを思い知らされるようになった身にとっては最後の希望だったと言ってもいい。物語のなかとはいえ、そんな世界が目の前にあったからこそ、現実に打ちのめされそうになりながらも、どうにかこうにか子供時代の情熱を消すことなく弁護士をつづけてこれたのだ。それなのに……。
憧れていたからこそ、裏切られたという思いは強烈で、真梨子の心を引き裂いていた。
――そりゃあ、あたしの一方的な思い込みだったわよ。でも、あんな世界を描く人だもの。やさしくて、誠実で、心の広い、理想主義者だと思って当然じゃない。それが何よ、あの態度。権力バカで暴力バカのネアンデルタール人どもとまるで同じ。あんなやつの作品に夢中になってたなんて恥ずかしい。ああっ、思い出しただけでも頭にくるっ!
頭のなかで鴻志を八つ裂きにし、踏みにじり、八つにたたんで縛り上げ、ゴミ箱に放り込んだ。そんな程度ではとても怒りはおさまらない。帰ったら鴻志の本を全部焼きすてちゃおう。そう決心した。
「自分が何をしたのかわかってるのか、金の卵をみすみすてたんだぞ!」
島村は怒鳴りつづけている。所員たちは心配半分、好奇心半分といった態度で真梨子の部屋のドアの縁からこっそりのぞき込んでいる。ただひとり、事務所のおふくろさんだけが開け放たれたドアの前にでんと立ち、菓子袋片手に見物している。
「あいつは世界的な作家だ、大金持ちだ、金の成る木だ、じゃんじゃん稼がせてくれる金ヅルだぞっ、それを放り出すなんて正気なのか、部屋いっぱいの現金をドブにすてたも同じなんだぞ!」
『金、金、金』の連発に、真梨子の脳髄は音を立ててブチ切れた。神経回路は無視モードから戦闘モードにきりかわり、アドレナリンが分泌され、血液は一〇度ばかりも温度を上げて加速しながら体内を駆け巡る。
真梨子は目を開けた。ぎらりとにらみつけた。両手で勢いよくデスクを叩いて立ち上がった。叫んだ。
「いい加減にしてください! さっきから金、金、金って! それしかないんですか!」
「他に何がある⁉」
島村の答えは揺らぐことなき信念に満ちていた。
「人生で金以外に大切なものが何があるって言うんだ?」
「愛とか、理想とか……」
「そんなお題目で金を巻き上げるのは宗教屋のやり方。おれたち弁護士の金儲けの方法は一に金持ちの依頼人を満足させること、二に金持ちの依頼人を満足させること、三、四がなくて五に金持ちの依頼人を満足させることだ。そのためには金持ちの依頼人に媚びる根性と裁判に何としても勝つイカサマの腕さえあればいい。現実第一、前向きに」
「冗談じゃないわ! 彼は何百人もの人を死刑にするつもりなのよ! そんなことを手伝えっていうの!」
「何百人を死刑?」
島村はあっけにとられた。
「いいじゃないか、大いにオッケー。そんな裁判なら何十年もかかる。あいつが売れてるかぎり、稼ぎに困らずにすむ」
やけにうれしそうに身を乗り出す島村に真梨子はさすがに唖然とした。
「あなた、それでも人間? モラルとか、思いやりっていうものはないんですか⁉」
「何年、おれのもとで働いてる? いまだにそんなことも知らなかったなんて、おとなとして恥ずかしいぞ」
「この金の亡者!」
「おれを呼んだか?」
真梨子の渾身の力をこめた叫びにも、けろりとして答える島村だった。
「とにかくっ!」
真梨子は書類の束でデスクをひっぱたいた。
「あたしはあんなやつの依頼なんて絶っっっ対、受けません!」
「おい、勘違いするな。ここのボスはおれだ。お前じゃない。そのおれが引き受けると決めたんだ。お前にはそれを断わる権利なんかないんだぞ」
「だったら、自分でやればいいでしょ。あたしはしません」
「おい、ふざけるなよ。『やる』と言ったのはお前自身だぞ。一度引き受けたからにはやり遂げるのが筋だろう。モラルってものはないのか?」
「『ない』って言ったのは誰ですか!」
「稼ぎに関するモラルは別モラルだ」
迷うことなく断言する島村である。さすがに抗戦不能を悟って絶句した真梨子を放っておいて、島村はドアに向きなおった。のぞき見していた所員たちが唯一の例外をのぞいて逃げ出した。
島村はその唯一の例外に話しかけた。
「とにかく、他の弁護士のところにいく前に捕まえて、媚びて、媚びて、媚びまくって、うちを選んでもらわなきゃ。おふくろさん、あいつの携帯の番号は? よその事務所に駆けこもうとしたら麻酔薬で眠らせてでもうちに連れてくるぞ」
おふくろさんは悠然として菓子袋を傾けると、中身をまとめて口のなかに放り込んだ。バリボリと威勢よく音を立てて、かみ砕く。一気に飲み下してから答えた。
「ほら、これだよ」
「よし! 家に帰る前に……いや、帰る前に直接、他の事務所に行くこともありうる。その前に捕まえなきゃ。あいつの車種は?」
「電車できたって」
「倹約してため込んでるってわけか? あなどれないやつ。ますます捕まえなけりゃ。よし、所員総出で駅という駅に見張りにつけ、急げ!」
島村の号令で所員が一斉に駆け出していった。島村自身も後に続き、すぐに先頭に立った。後にひとり残ったおふくろさんがちらりと真梨子を見ながらドアを閉めた。その寸前の視線が真梨子の目に入った。それとなく励ますような視線がとても暖かくて真梨子はつい泣き出してしまいそうになった。
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