三〇代、独身、子なし、非美女弁護士。転生し(たつもりになっ)て、人生再始動!

藍条森也

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一〇章

あたしにだって我慢の限界はある! ……でも、彼氏はない

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 終業時間となると真梨子はすぐに家に飛んで帰り、地味でお固いスーツからオーキッドグレーのワンピースに着替えた。急いで《W&G》に駆けつける。もし、時間に遅れれば秋子にどんな嫌味を言われつづけるかわからない。まして、今夜の主役は美里だ。遅れてしまえば美里からも必ずグチグチ言われる。ダブルサラウンドの嫌味攻撃だけはなんとしても避けたい。
 文字通り懸命に急いだのだが慣れないハイヒールを履いているせいで何度も転んだ。そのたびに服のよごれを落とし、破けていないかどうか確認し、まわりの人たちに頭を下げながら急いだ。
 みじめだった。こんな思いをしながら呼び出しに従おうとする自分がとことん情けなく思えた。
 ――あたしっていったい何なの? 昔はもっと希望に満ちあふれていたはずじゃない。それがこんなことになるなんて……こんな人生、望んでいたわけじゃないのに!
 そう思うと人目もはばからずわんわん泣き出したくなった。いっそ、勇気を振り絞ってすっぽかしてやろうか。そうすればあの押し付けがましい番長から開放されるかも知れない……。
 そう思ったけれど、思ったときにはすでに《W&G》の前まできていた。おまけに間の悪いことに入口付近でばったり他の友だちと出会ってしまった。こうなってはもう逃げられない。覚悟を決めて美里の『婚約者お披露目パーティー』に付き合うしかない。
 ……それに、本当の本音を言えば『画家志望の二一歳の坊や』を見てみたくもあったし。
 「ひさしぶり、みんな」
 声をかけた。
 「あら、真梨子。元気だった?」
 愛想笑いを浮かべてそう言ったが、言葉の歯切れは悪い。真梨子はみんなの顔に自分と同じ表情を発見した。『都合もかわまず呼び出されるなんて迷惑この上ないけど断わるのも怖いし……』という情けない思いと、『画家志望の二一歳の坊やってどんな子?』という少々はしたない好奇心への後ろめたさとが微妙にないまざった表情。自分だけではないんだ、ということを発見して真梨子は少しほっとした。でも、次の瞬間には何だか、負け犬が同じ負け犬を見て自分を慰めているような気がしてよけい落ち込んだ。失意のりバウンドだ。
 とにかく、みんなで一緒に店内に入った。ホラー映画を見るなら友だちと一緒の方がいいに決まっている。頭から引っ被れる大きな毛布がないのが残念だけど。
 《W&G》は大学時代から通いつめている行きつけのクラブ。どこに何があるかは知り尽くしている。すぐに目当てのテーブルを見つけた。そこにはすでに秋子と美里が陣取っていた。いつも通り、真向かいになる席取り。真梨子たちはいつもふたりの間に座らされ、ふたりの権力綱取りの綱にされるのだ。
 「……よし、みんな。いよいよよ。覚悟はいい?」
 真梨子は声をひそめて尋ねた。
 「……ええ」
 と、こちらも緊張した声が返ってきた。
 「お腹に力入れてね」
 「わかってる」
 「よし。では、いざ行かん」
 気分はほとんど戦国武将に率いられ、戦地に向かう足軽隊。表面ばかりはエレガントに友好的に笑顔など浮かべてあいさつし、それぞれ席についた。
 椅子に座りながらさり気なく美里の右隣に座っている人物を観察した。
 ――彼が画家志望の二一歳の坊やね。
 いかにも着慣れない様子のスーツに身を包んだ純情そうな青年。芸術家だと言うから線の細いタイプかと思っていたら体つきは意外にたくましい。バイトで食いつないでいたと言うから肉体労働をしていたのだろう。
 顔立ちは甘みのあるモデル系。思わずなめてしまいたくなるくらいかわいい。頬を紅く染めてうつむき加減にしているシャイな態度さえなければ、ばりばりのジゴロが金持ちのオールド・ミスを捕まえたように見えるだろう。全身から発散される『純情そのもの』といったオーラがそんな邪念をきっぱりと打ち消している。
 印象としてはやはり、『毒グモの巣に捕まったチョウチョ』か。これから先、どんな目に合わされることかと想像してかわいそうになった。しかし、そんな不幸が似合いそうな様子がよけいかわいい。真梨子は急にお腹のへるのを感じてこっそり赤面した。
 他の友人たちもかわいい年下の坊やを前にして品定めに忙しい。ちらちらと熱い視線を送っては何やらひそひそ話している。
 とうの青年はと言えばきっと、年上女の集団に囲まれたことなどはじめてなのだろう。やけに緊張して、居心地の悪そうな雰囲気。盛んにネクタイやら髪やらをいじっている。
 「全員、そろったわね」
 秋子が言った。途端に美里がにらみつける。『主賓はあたしよ。その台詞はあたしのものでしょ!』という表情。
 対して秋子のエレガントなほどふてぶてしい態度は『あたしがボスなんだからあたしが仕切って当然でしょ』と主張している。
 ふたりの間の空気が早くも帯電し、火花を散らしはじめた。真梨子をはじめ、他のメンバーは早々に訪れた嵐の気配に身をすくめた。美里の婚約者はと言えば哀れ、雰囲気の急変に何が起きたのかわからずおろおろしている。
 ――かわいそうに。ふたりの関係なんて何も知らなかったのね。
 真梨子はこっそり呟いた。
 事実をすべてぶちまけ、女同士の意地の張り合いに利用されているのだと伝え、『早く逃げなさい! いまならまだ間に合うわ。自由な世界に飛び立って新しい人生をはじめるのよ!』と忠告してあげたくなった。でも、そんなことをしたら自分の身が危ない……。
 「それじゃ、そろそろ……」
 「そろそろ紹介するわね、みんな!」
 秋子が言いかけた瞬間、美里がそれを打ち消そうと大声を張り上げた。秋子は美里をにらみつけた。今度は美里が無視する番だった。
 「あたしのフィアンセの後藤ごとういつきくんよ」
 『くん』を強調することでフィアンセの若さ、自分が支配しているのだという事実をみんなに知らしめる。
 「ご、後藤樹です。皆さん、はじめまして……」
 美里に横からひじで小突かれ、あわてて頭を下げる。
 ――この世慣れない態度を美里がどう評価するかね。
 真梨子は心に思った。若々しい純粋さと見るか、恥をかかせる未熟なガキと見るかで彼の運命は決まるだろう。
 酒がテーブルに並べられ、お披露目が本格的にはじまった。
 「みんな、もう知ってると思うけど、彼、画家なのよ。ジャンルは、ええと……」
 「印象派です」
 このときばかりはきっぱりと樹が言った。
 「印象派は浮世絵に衝撃を受けたヨーロッパの画家たちが創始したもので、あのゴッホも浮世絵は描いているんです。ぼくは日本人としてまず自国の芸術を……」
 「そう、そのなんたらなのよ」
 樹の言葉を世界一退屈なお題目と感じたのだろう。美里がさえぎった。『若い芸術家を金で買いとった』と思っていたけどやっばりその通り、美里は芸術にも、絵画にも、彼自身にさえ何の興味も関心もない。ただ、自分という女のステイタスを高めるアクセサリーとして必要なだけ。そして、そのことを本人の前で取り繕おうとさえしない。
 そんな美里にさすがに反感を覚えた。いくら高ピー女てもこれはやりすぎ。ひどすぎる。とは言うものの、横槍を入れられてしょぼんと黙ってしまう樹も歯がゆい。男なら怒って見せてテーブルを叩いて出て行くぐらいのことをしたらどうなのよ?
 真梨子はそろそろ酒のまわりはじめた目で樹をにらみつけた。
 「その筋では評価も高いのよ。将来、有望だって……」
 美里のフィアンセ自慢はつづいている。
 秋子がすかさず突っ込みをいれた。
 「将来有望、ねえ。つまり、いまはてんで売れてないわけね?」
 「あら、知らないの? 才能あふれる芸術家が世間に認められないのはよくあることよ。まあ、見てなさいって。時代が彼に追いついたら世界中の人間が彼の作品をほしがるから」
 ――『時代が彼に追いつく』ことがなかったら、あっさり捨てるってわけね。
 真梨子はグラスを傾けながら思った。
 「あら、ご立派。その日がくるまで経済的にはあなたが支えてあげるってわけね? 芸術家のパトロンになるなんて偉いわあ。自分には芸術を生み出すこともできなければ、夢を追うほど若くもないことを知っていなければできることじゃないわ。おとなの貫禄よねえ」
 「あら、秋子こそ偉いわよ。あなたの旦那さん、五〇代のおじさまでしょう? それも、お金持ち。財産目当てのあばずれ女がわんさとよってくるでしょうに。でも、おじさまにとって若くて魅力的な妻ほど健康に悪いものはないものね。ベッドで誘惑なんかされたら心臓発作を起こしちゃうかも。そんなことが起きないよう、自分が結婚して若くて魅力的なあばずれ女から守ってあげるなんて誰にもできることじゃないわあ」
 こんな言葉のやりとりを、表面だけは『本気で親友をほめてます』的な表情でかわすものだからなおさら怖い。まわりこそ心臓発作を起こしてしまいそう。
 ――こんなバカな争いを大学時代からつづけてるのよねえ。
 真梨子は酔いに濁りはじめた頭で思った。
 もう一〇年以上だ。これからも、つづくのだろう。そして、このグループにいるかぎり、否応なしに付き合わされる……。
 さすがにうんざりだった。こんなしがらみに縛られるぐらいなら友だちなんか一生もたず、ひとりで人生送った方がいいかも。このままお店を出て、ふたりに絶縁宣言しようか……。
 ふとそう思ったが、世のしがらみはそう簡単に開放してはくれなかった。秋子と美里がそろって真梨子に顔を向けたのだ。
 「ねえ、真梨子。あんたは予定ないの?」
 「えっ?」
 「美里が婚約して、これであんたひとりだけよ。このグループで一人身はね。誰かいないの?」
 「あたしは仕事があるから……」
 「そんなに大事な仕事? どんなことしてるの?」
 「それは……」
 真梨子は言葉につまった。『金目当てにセクハラおやじの弁護』なんて言えるわけがない。これが島村だったら堂々と言ってのけて、しかも、それを自慢の種にするだろう。あの根性の入った金の亡者なら。でも、自分はそこまでなりたくない……。
 「どっちにしろ、仕事、仕事で人生ぬりつぶすなんてもったいないわよ。短い人生、思いきり楽しまなくちゃ」
 「そうよ。このままじゃあたしたちみんな、素敵な旦那とかわいい子供に恵まれて幸せにやってるのにあんたひとり、アパートで一人暮らしするはめになるわ。そんなんじゃ家族の集まりにも呼べないじゃない」
 「早くいい人、見つけなさいよ」
 最後の一言は秋子と美里で同時だった。
 真梨子は腸の煮えくり返る思いだった。親切ぶってはいるがふたりの内心は見えみえだ。このままお互いに言葉の応酬をしていては切りがない。どんどん過激になってエレガントさがそこなわれてしまう。女にとってエレガントさを失うのはあまりにも大きな敗北。その危険に気づいたから手を打つことにしたのだ。
 とは言え、ただ矛先をおさめたのでは火がついた闘争心が納まらない。。そこで転嫁行動として――ネズミを仕留めそこなったネコが毛づくろいをはじめるがごとく――真梨子に攻撃の矛先を向けたのだ。
 真梨子が負け犬だと知っているから。
 三〇代、独身、子なし、恋人もなく、かと言って立派な仕事をしているわけでもない。いくらいたぶっても反撃するだけの気概も材料もない安全な相手。そうわかっているから。自分たちのエレガントさを失うことなく、思う存分闘争心を吐き出すことができる。それがわかっているから心配する振りをして矛先を向けてきたのだ。
 「仕事が忙しくて出会いがないなら、またあたしがその辺の男の尻をつかんでくっつけてあげようか?」
 「ああ。真梨子の初体験のときの話ね?」
 「そうなのよお。まさか、あんな出会いかたをした相手と本当に最後までいっちゃうとは思わなかったわあ」
 ふたりは声をそろえて笑った。その笑い声を聞いたとき、真梨子のなかで何かがちぎれた。
 「もう、いい加減にして!」
 テーブルを思いきり叩いて叫んだ。秋子と美里は呆気にとられた表情で真梨子を見た。まさか、真梨子がこんな激しいリアクションを起こすとは思ってもいなかったのだ。
 ――もういい。もう限界。
 真梨子の頭のなかでその思いがふつふつと泡立っていた。
 これから先もこんな連中のうさばらしの道具にされるぐらいなら、逆らっていじめ殺されたほうがまし。あたしはこんな人生のために産まれたんじゃない!
 「あたしにだって恋人くらいいるのよ! よけいな心配をしてくれる必要なんてないわ」
 ついそう言ってしまってから何を口ばしったかに気づい田。青くなって口を押さえた。でも、もう遅い。態勢を立てなおした秋子がカエルを狙うヘビのように目をあやしく濡らせた。
 「……へえ。そんな人がいるならどうして、いままで紹介してくれなかったの?」
 「そうよ。恋人は紹介しあうのがあたしたちのルールでしょ」
 「それは……有名な人だから」
 「有名?」
 「そうよ! あたしの彼は有名でお金持ちなの! だから、知られたら騒がれると思って……」
 「すごいじゃない。そんな恋人ならぜひ拝見したいわあ。うちのパーティーにいらっしゃいよ」
 「パーティー……?」
 秋子の言葉に真梨子の目は点になった。
 「そう。今度の日曜にうちで開くの。既婚者のパーティーだからあんたを誘うつもりはなかったんだけど恋人がいるならいいわよね。ぜひ、いらっしゃいよ。美里と樹くんもくるんだから」
 「で、でも、その、あたしは……」
 「いいからいらっしゃいってば。彼氏が実在の相手ならね」
 真梨子はその場で凍りついた。
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