みんなの心の傷になる死にキャラなのに、執着重めの皇太子が俺を死なせてくれない

兎束作哉

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第7部2章 君の中に僕がいない世界で

05 色のないセシル

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 セシルはずっと胸のあたりをぎゅっと握ったまま、苦し気に顔を歪めていた。
 しかし、本人は、自分の行動に気づいていないようで俺のことを睨みつけている。


(ちぐはぐだな……おかしいや……)


 彼の身体は覚えているが、脳や心がそれを拒絶しているのだろうか。だから、彼の言動はすべてがアンバランスで見ていて不安になる。
 でも、セシルはまだ気づいていない。自分がちぐはぐであることを。気づいたらきっと、彼の情緒はもっと不安定になる。それは、きっと皇帝陛下も、ハイマート伯爵も望んでいないことだ。
 ならば、俺が気をつければいいだけの話……


(再攻略……か……)


 心の中でポッと浮き出てきたその言葉は、俺には荷の重いものだった。
 今のセシルは、俺と出会わなかったセシルだ。そのため、誰にも心を開くことはないし、何よりも他人に興味がない。
 本編のセシルは、俺を失った悲しみにより心を閉ざし、ニルという人間の残像に縋っていた……という人格設定。
 それそらもない今のセシルは言ってしまえば、攻略難易度はエクストラモードだろう。俺が積み上げてきた二十一年をこの数年で、もしかしたら数か月のうちに構築しなければならないともなれば、どれほど苦戦を強いられるかわかったものじゃない。なにせ、相手は二十一年孤独で生きてきた人間……ということになっているだろうから。
 幸いなのは、彼の身体が俺のことを覚えているという点だろうか。しかし、こんなものは気休め程度にしかならない。
 相手の記憶を呼び覚ます、あるいは、抜けてしまった彼のつぎはぎだらけの心を、穴を俺が埋めるか……


(セシルが、俺を攻略したようなもんじゃん……)


 俺は、最初セシルのことを親友として見ていた。でも、彼はとっくの昔に、俺のことを親友としてではなく好きな相手として見ていたのだ。そして、俺は彼の献身的な愛を受け、自分の心に気づき、恋に落ち、今では、彼なしでは生きていけない体となってしまった。
 攻略キャラに攻略される死にキャラなんて笑えてしまう。
 でも、実際にそうなのだ。
 だから、俺が彼を攻略するなんて難易度が高いという騒ぎじゃない。本来主人公であるアイネにだって難しいだろう。


(けど、それだけ俺の存在が彼の中では大きかったってことだよね)


 それは喜ぶべきだろう。


「殿下」
「……貴様は」


 俺が彼のことを呼ぶと、セシルは呆れたようにため息をついた。


(ちょっと、待って難易度たかすぎない!?)


 再攻略をしようと心の中で決めたのに、すでに、セシルの眼中にないのは困る。まあ、そういうキャラだっていうのは分かるんだけど、何か言うたびこれでは先が思いやられる。


(何もさ、ため息なんてつかなくていいじゃん)


 さすがに俺でも怒りの勘おじゅが湧いて出てくるのだが……と思っていると、セシルはむっとした表情で俺を睨みつけてきた。
 こういう時に怒るのはダメだな、と笑顔を作ってみるがそれがいけなかったのかもしれない。
 セシルはきれいな銀髪をかきあげながら、もう一度ため息をついた。


「貴様のそれは、どうにかならないのか?」
「それって、どれのことです?」
「……だから、先ほども言っただろう。何で、貴様のほうが俺に対して他人行儀なんだ。俺と、貴様は夫夫だったのだろう? なのに、何故、俺に他人のように接するんだ」
「え……あーえっと。殿下が嫌だと思って」
「……思い出すためには、前と同じ状況をつくる必要があるだろう」
「………………けど」


 セシルに詰め寄られ、俺は何も言えなくなった。
 第一に、セシルが俺に名前で呼ぶのは深いだとか言ったから、俺は他人のふりをしたほうがいいのではないかと思ったんだ。そのことすらセシルは忘れているのだろう。他人に興味がないゆえに、他人にいったことを忘れている。そんな気さえした。


(ここで、言い返してもいいんだっけ……?)


 グッと堪えることはできた。
 でも、それが答えじゃない気がしたのだ。俺のこの態度が気に食わないのであれば、俺は以前のようにセシルと接すればいい……彼が嫌がっても、思い出してもらうためなら、もとのままの俺でいい。
 むしろ、昔のように接したい。


「何だ、文句があるのか」
「ない……ないよ。セシル」
「……っ」
「殿下、セシルって呼ぶの許してくださいますか?」
「……ああ。もともとそう呼んでいたのだろう。何故、俺が貴様にその呼び方を許したのかは知らないが……確かに、今、そっちのほうがしっくりきた。敬語も外していい……それが、普段通りだったというのであれば」


 セシルは、何かと引っかかる言い方をしたが、彼自身も、自分の身に起きている不思議なことに困惑しつつ俺に歩み寄る姿を見せてくれている。
 思えば、セシルだって本当は不安なはずだ。
 いきなり記憶喪失と呼ばれ、記憶にない伴侶に、記憶にない子どもまでいて。


(まっ……お互い様かな)


「ありがとうございます。殿下……ううん、セシル……って、何、俺のことみてるの?」


 ただ感謝の言葉を伝えただけなのに、セシルは訝し気に俺のほうを見ていた。何か文句ありげな顔で見ているので、俺はまた愛想笑いをうかべてしまいそうになる。


「貴様のそれは、昔からなのか?」
「えーっと、セシル。俺さ、君のこと……全部わかるわけじゃないから、もう少し分かりやすく言って欲しいかなあーなんて」
「貴様のその笑う癖だ。笑ってごまかす癖……それは、一朝一夕で出る癖じゃない。元から、そうやって笑ってごまかすのが癖になっていたんじゃないか? 俺は、それが気持ち悪くて仕方がない。敬語は止めたようだが、その他人行儀な点も含めてすべてやめろ。記憶を失う前の俺も、きっと貴様のそれを嫌っていたと思うぞ」
「あー……そういうこと」


 言われて腑に落ちた。
 確かに、自覚はあった。でも、無自覚に出るものでもあった。


(笑ってごまかす癖ね……)


 今のセシルでもそれを見抜けるだけの目はあるのかと、俺はため息が出そうになった。
 彼の言う通りだ。
 俺は、セシルと出会った初めのころは、彼に対してよそよそしかった。けれどそれは、彼が俺の使える相手だからという他人行儀というか、忠誠心というか。そこから来たものであり、決して彼のことをどうでもいい人間と思ったことはなかった。
 しかしそれが返って彼の機嫌を損ねていたのも知っていたため、俺は昔の癖がついつい出てしまったなと感じていた。


(素でいたほうがいいってことだよね……分かってるんだけど……)


 俺にとっては知っている人。でも、セシルにとって俺は知らない人。
 彼が言いと言ってくれていても、馴れ馴れしい態度で本当にいいのだろうかと思ってしまう。


「分かったって。はあ……君、本当にデリカシーがないなあ」
「デリカシー……?」
「まあいいよ。セシルだし。俺が君の人格形成に一役買ていたっていったってさ、セシルはセシルだしね」
「何だ、それは」
「君は……君の中に俺がいないだけで、セシルはセシルだなって思ったんだよ。心が幼いというか、未熟というか、未発達というか。それは、俺と一緒にいたときもそうだった。上手く出せないんだよね。自分の感情が」


 俺がそう言うと、セシルはまた眉間にしわを寄せた。
 図星なのだろう。
 俺はそれに関して特に突っ込もうとは思わないが、彼は少なくとも自覚があるらしかった。


「それと、これと関係ないだろう……な、何を笑っているんだ。貴様!」
「いーや。もっと、喋りにくいものかなって思ったんだけど、そうじゃなかったから安心したなあって。ねえ、セシル。その、貴様っていうのやめてよ。あと、名前で呼んで? 俺だけ君のこと名前で呼ぶのはフェアじゃないし。それに、セシルだって、思い出すために努力するなら、前と同じ呼び方のほうがいいんじゃない?」


 俺はセシルって呼んで、セシルはニルって呼ぶ。
 もともとは主従関係で、この呼び方もおかしな話だったが、恋人になる前は幼なじみで親友同士だった。もちろん、お互いの名前で呼び合う関係はそのときから特別なものだったけど。


(なんか、そう思うと懐かしいよな……)


 彼の中に俺がいないこと、記憶がないことはもちろん寂しくもあったが、こうやってあんなこともあった、こんなこともあったと思い出していけるのは幸せなことだった。それだけ、長い時間セシルと共に思い出を紡いできたのだと思うと、胸が温かくなる。その間ずっとセシルが俺の隣にいてくれたんだと。


(今は……)


 俺は、開いていた手のひらをグッと握り込んでセシルが俺の名前を呼ぶのを待っていた。しかし、一向に彼が俺の名前を呼ばないので、どうしたのかと思うと、彼は不思議そうに俺のほうを見ていた。


「俺は貴様のことを……お前のことを何て呼んでいたんだ?」
「えーそこから? そりゃあ『ニル』って……名前で。だって、俺たち結婚してるから、苗字は一緒だし。俺に名前二文字だからそれ以上呼び方はないと思うよ? ああ、でも、アルチュールは『ニーくん』って俺のこと呼んでいたけど」
「何だ。あの王太子、ずいぶんと馴れ馴れしいんだな」
「あれ? 今、嫉妬した?」
「嫉妬? なぜ嫉妬する必要があるんだ?」
「あーえっと、えーっとね……やっぱやめた」


 説明すると長くなる。
 アルチュールが、俺のことを『ニーくん』と呼び出したのも、今でも印象に残っている。その呼び方が定着してしまっているから不思議に感じないが、一国の王太子にそんなことを呼ばれているのは俺だけだろう。
 俺が説明を放棄したためか、セシルはまた不機嫌そうに顔を歪めていた。


「セシルだって、アルチュールにあだ名で呼ばれてたんだけど、覚えていない?」
「『セッシー』だったか………………確かに変だな。あいつは、変なやつだ」
「……そうだね」


 一瞬だけ間があった。
 その一瞬の間というのは、彼が強引につぎはぎされた記憶ゆえに生まれた齟齬部分だろう。でも、セシルはその齟齬に関して触れることは一切しなかった。気持ち悪く感じたとして、それを思い出そうとはしていないのだ。


(まあ、簡単にはいかないよね)


 アルチュールが、こちらに留学してきたことは覚えていると。だがそこに、俺はいなくて、セシル、ゼラフ、アルチュール、フィリップ、アイネ……のメンバーが彼の中で固まっている。なのにもかかわらず、彼は何の違和感も抱かないのだろうか。
 自分が、自ら他人に話しかけに行くようなタイプじゃないのに、何故自身の周りに人がいるのか。その疑問に関して、セシルは何も思わないのだろうか。


(というか、俺が彼の中からいなくなるってずいぶんなことだと思うけど)


 人格形成云々だけではなく、俺たちが学園にいる間にどれほどイレギュラーなことが起こったか。それを、すべてなかったことにするには、到底できないと思う。どう、記憶の齟齬が出ないようにしたのか、俺は気になるところだった。


「セシルは、気持ち悪いって思わないの?」
「記憶のことか?」
「どれだけ、ハイマート伯爵から聞いているか分からないけど、俺たちが学生だったとき、いろいろあったんだよ。それと、ハネムーンのときだって……俺の存在だけが、君の中から抜けるにしても、それはあまりにも大きな穴だ。全て忘れるにはそっちのほうが無理があるよ」
「だが、覚えていないんだ。何も、何も……」
「セシル?」


 きゅっと、胸の真ん中を押さえたセシルは苦しげに呻いていた。
 その様子を見て、俺はまた言葉を失う。
 辛いのは自分だけじゃない。
 彼の言葉が冷たいからついつい勘違いしてしまうが、彼自身、自分の胸に空いた穴というのは理解している。その気持ち悪さを知っているからこそ、見て見ぬふりをしているのではないだろうか。今の自分を保つためにはそれが最善だと、彼は記憶云々に触れないようにした。
 だって、それは気づいてしまえばあまりにも大きな穴だから。


「ごめん、セシル。まだ、目覚めたばっかりなのに、いろいろ言ってごめんね」
「いや……いい、貴様に……お前に謝られるのは、あまり好きじゃない」
「そう? でも、俺も謝っちゃうの癖だからな」
「そんな気がする」
「そんな気がするって……なんか、調子狂っちゃうよね。いつもの君じゃないから……」


 それは、禁句だな、と俺は口を閉じる。
 俺も、今のセシルに慣れていって、そこから彼の記憶を取り戻す手伝いをしようと思う。焦っても何も起こらない。


(とにかく、今できることをしなくちゃ……)


 一応、セシルにも、記憶を思い出そうという意思はあるようだった。そこだけは救いな気がする。
 そうして、視線を漂わせているうちに、一際大きく育った青い薔薇が目に入った。他の薔薇はまだ蕾や、花弁も大きくないというのに、その薔薇だけは主張するように大きく咲いていたのだ。
 俺はその薔薇の美しさに惹かれ、ふらふらっと身体が引き寄せられていく。そして、その薔薇に手を伸ばした時、バチンと乾いた音が響いたのだ。手の甲に痛みが走り、俺はハッとして、叩いた彼のほうを見た。


「セシル?」
「す、すまない……身体が勝手に」
「あ、いや、いいよ。あーうん、いい、大丈夫、前からだもん」


 俺は、叩かれたところを撫でながら彼のほうを見た。
 セシルはかなり焦った様子で、俺を見ている。何故、自分がいきなり俺のことを叩いてしまったのか理解できていないようだった。
 でも、それは彼が理解できていないだけで、俺には理解できた。


(言葉より先に、身体が動いちゃうのって前からだもんね)


 セシルは、昔はそうだった。
 言葉より先に、手が出てしまうタイプで「薔薇の棘が危ない」と口で言うのではなく、手を出してしまったと。多分、今回もそれなのだろう。
 身体はしっかりと覚えている。でも、彼の記憶はないからちぐはぐだ。
 セシルは、自分の手を押さえながら少しおどおどと俺のほうを見ていた。まるで、俺を恐れているみたいだ。


「大丈夫だよ」
「前からなのか? 俺は前からお前に暴力を振るっていたのか?」
「ち、違うって。暴力……うーん、まあ、たまに手が出るけど」
「お前、そんな俺のことをいいと思っていたのか!?」
「ドン引き! みたいな顔しないでよ。違うんだって……その、さ。君は不器用なんだよ。伝えようって思う前に、行動に出ちゃうタイプ。今の……まあ、その答えに関しては、自分で思い出したほうがいいかも。俺が言っても、きっとまた君の中に流れていっちゃうから」


 こたえはいくらでも言える。けれど、彼に思い出す猶予を与えなければならない。今何を言っても「そうか」と受け流されてしまうから。
 少しずつ、記憶をなぞって、彼の中に蓄積していってほしい。それが積み重なったとき、きっと今とは違う景色が見えるはずだから。
 俺は、くるりと彼に背を向け、それから半分だけ体を向けた。


「そうだセシル。手合わせしようよ」
「手合わせ? それも、俺たちがよくやっていたことか?」
「うん。でも、最近はめっぽうなくなっちゃったかな。俺たちが、まだ親友同士だったときはよくやったんだよ。君の身体はいろいろと覚えているみたいだし、身体を動かしたら何か変わるかも」


 トン、と彼の胸を刺した。すると、セシルはビクンと身体を上下させる。
 それがおかしくって笑えば「笑うな」と怒られてしまった。


「じゃあ、移動しよっか。セシル」
「………………ああ」


 差し出した手を、何のためらいもなくとった。彼の顔は困惑していたものの、彼の身体は何の疑いもなく俺の手を取る。
 俺が手を引けば、彼は黙って後をついてきた。
 いつもは俺の手を強引に引く腕が、心細く俺の手を握ってあとをついてくる。とても不思議な感覚に、俺はまた胸をツキンと痛めるのだった。

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