3 / 65
わたしには、秘密がある。
参
その気配は、分厚いドアの外へまで漏れ出していた。
心の中で舌打ちをしつつ居住まいを正し、ドアをノックする。
ドアノブに手をかける寸前に、内側からドアが開いた。顔を上げると目の前にあったのは、下がりきった専務の眉毛。
「だから気を付けるようにって言ったじゃないですか……」
囁けばさらに情けなく表情を歪めるこいつの弱点は、そう、女。
世間では、女嫌いで通っているらしいがその実態は恐らく、女性恐怖症なのだと思う。
原因は知らない。好奇心がまったく無いではないが、他人のプライベートに必要以上に踏み込みたいとは思わない。聞いて欲しければ自分から話をするだろうとの気持ちもあるし。
もしかしたら、言葉にするのも悍ましい精神的外傷を残すような恐怖の体験をしているのかも知れないし。
尤も、そんなのは私の知ったこっちゃない。我が身の安全、つまり、相手を深く知るイコール自分をも同じ深さで知られる危険があるのだということ、を、考えれば、余計なことに首を突っ込まないほうがいいに決まっている。
そもそも、成り行きで仕方のなかった面も否めないが、もう何年もこんな男の相手をさせられて振り回されている現状のほうが、私にとってよほど大問題なわけで。
こんなに面倒くさいお守りをさせられるのがわかっていたら、あのとき、客室清掃バイト中の廊下で、こいつを拾ったりしなかった。廊下の隅で膝を抱えしょぼくれていたアレが、このホテルの専務様だと知っていたら、うっかり声なんてかけなかったのに。まったく。
後悔先に立たずどころか、日々繰り返される頭の痛い状況に、後悔後を絶たず、である。
情けないその顔を上目遣いに一瞥し、コホンと咳払いをした。
「お待たせして申し訳ありません。資料をお持ちしました」
一瞬、目を泳がせた表情に訝しさを覚える間もなく、いきなり肩をつかまれた。頭上から、甘い声が落ちてくる。
「うん。待ってたよ。こっちへ来て」
薄気味が悪い。
甘さと反比例するように込められた、わたしの上腕に食い込む指の力に、悪い予感が現実になるであろうことを知る。
「ちょっ……痛い……」
——何を企んでいるのよ?
身じろぎをしても睨みつけても、指の力も緩まなければ、麗しい笑顔も動じない。
「ちょうどよかった。美月さんにも紹介するよ」
レトロモダンな社長室の重厚なソファーに浅く腰掛け上品に紅茶を啜る、ハイブランドに身を包み栗色の巻き毛を踊らせたこの女は、先ほど非常階段で躱したハイヒールの主。
「彼女が相沢優香。僕の婚約者で、秘書をしてくれているんだ」
カチャッ、と、耳障りな音を立て、彼女の手の中のカップがソーサーに落ちた。
「相沢、彼女は——橋田美月さん。本社の橋田常務のお嬢さんだよ」
古くからの習慣で本社と呼ばれている親会社の橋田常務とはたしか、あの、たぬき——いや、ずんぐりむっくり狸腹の脂っこいオジサン。あのオジサンからこんな、モデル並みの美女が生まれるなんて。生物学的におかしくないか?
それよりなにより、こんな美女に言い寄られて逃げ回るとは、なんてもったいないことをしているのかこいつは——じゃなくて、ちょっと待てい! コンヤクシャとは? いったいなんの話だ?
「要……おまえ、婚約って、本当の話だったのか?」
「兄貴に嘘なんかついてどうするの?」
「本当に?」
「ああ」
首肯を受け、社長が破顔一笑、駆け寄ってきて専務とわたしの肩をバシバシと叩いた。
「そうか! おめでとう! やったな!」
「ありがとう。兄貴」
「三年か? 四年か? 長かったなぁー。やっと仕留めたか」
三年? 四年? 仕留めた? なにそれ? 狩ですか?
「うん。粘った甲斐あってやっとプロポーズのオーケーもらったんだ」
プ、プロポーズ? いつ? 誰が? 誰に?
「そうかぁ。それで? しっかり囲い込んだんだろうな? おまえのことだからもう……」
「囲い込んだっていやだなぁ兄貴、変な言い方するなよ。相沢が驚くだろう?」
「いやいや、大事なことだぞこれは。どうなんだ? やることはバッチリやったんだよな?」
「ああ。うん。もちろんさ。挨拶とかはまだだけど」
もちろん、なんですと?
「ウチの連中には? もう会わせたのか?」
「ううん、それもまだ。近いうちにとは思ってるけどさ」
「なんだよ。さっさとお披露目して周りも固めちゃえよ。グズグズしてると横から搔っ攫われるぞ」
「酷いなぁ。やっと捕まえたのに縁起でもないこと言わないでよ」
目の前で麗しい男ふたりが、とんでもなく意味不明な話題で盛り上がっているのですが、わたしが口を挟んでもよいものなのでしょうか。挟みたい。
「ねえ! ちょっと! どういうことよ?」
と、思っていたのは当然、わたしだけではなかったようで。
もうひとりの存在をすっかり忘れていたかのように話に夢中になっていた男ふたりは、声の主へと視線を向けた。
テーブルにカップとソーサーを置き、徐に立ち上がった橋田美月が、ゆっくりとこちらへ近づいてきた。目の前で立ち止まり腕を組み口の端を歪ませて、私を見下ろす。
この女、デカい。
微妙な沈黙ののち、彼女の放つ気迫に怖じ気づいたか男ふたりが何食わぬ顔で後退り、わたしから微妙に距離を取った。
そんな気配を感じつつも、至近距離から見る美人の怖い顔はなかなかに迫力があるのだな、などと、暢気に思っていると突然、左頬に衝撃を受け、眼鏡が吹っ飛ばされた。
「はっ……」
「ひっ……」
男ふたりが小さく悲鳴を上げ——。
「婚約ですって? ふざけるんじゃないわよ! あんたみたいな何処の馬の骨ともわからないちんくしゃの眼鏡ブスが要さんに釣り合うわけがないじゃない! 身の程を知りなさいよ!」
「…………」
左頬がじんじん痺れて熱い。
ちんくしゃだの眼鏡ブスだの——そんなことは、わざわざ指摘されなくても自覚している。
この世に生を受けて二十五年。他人の色恋は嫌というほど目の当たりにし、関わらされ面倒に巻き込まれてきたが、自分に想いを向けられたことは、自慢じゃないがただの一度も、無い。身の程だって当然、自分が一番よく知っている。
だがそれが、なんだというのだ。ちんくしゃだろうが眼鏡ブスだろうが喪女だろうが身の程知らずだろうが、あんたに関係無い。が、しかし。
そもそもあれだ。
このお嬢サマはお嬢サマなりに専務が好きなのは、ちゃんとわかる。けれども、だ。どうしてわたしが、この女に殴られ、罵倒されなければならない?
そして。
おとなしく言われるがままされるがままになっているようでは、わたしがここにいる理由が無いわけで。
足元に転がった眼鏡を拾う。よかった。フレームは少し歪んでしまったが、とりあえず壊れてはいない。
眼鏡をかけ直し、一度目を閉じてスーッと深く息を吸い、ゆっくりと吐いた。
わたしは、わたしの役割を全うする。
目を開けて女を見据え、戦闘開始だ。
心の中で舌打ちをしつつ居住まいを正し、ドアをノックする。
ドアノブに手をかける寸前に、内側からドアが開いた。顔を上げると目の前にあったのは、下がりきった専務の眉毛。
「だから気を付けるようにって言ったじゃないですか……」
囁けばさらに情けなく表情を歪めるこいつの弱点は、そう、女。
世間では、女嫌いで通っているらしいがその実態は恐らく、女性恐怖症なのだと思う。
原因は知らない。好奇心がまったく無いではないが、他人のプライベートに必要以上に踏み込みたいとは思わない。聞いて欲しければ自分から話をするだろうとの気持ちもあるし。
もしかしたら、言葉にするのも悍ましい精神的外傷を残すような恐怖の体験をしているのかも知れないし。
尤も、そんなのは私の知ったこっちゃない。我が身の安全、つまり、相手を深く知るイコール自分をも同じ深さで知られる危険があるのだということ、を、考えれば、余計なことに首を突っ込まないほうがいいに決まっている。
そもそも、成り行きで仕方のなかった面も否めないが、もう何年もこんな男の相手をさせられて振り回されている現状のほうが、私にとってよほど大問題なわけで。
こんなに面倒くさいお守りをさせられるのがわかっていたら、あのとき、客室清掃バイト中の廊下で、こいつを拾ったりしなかった。廊下の隅で膝を抱えしょぼくれていたアレが、このホテルの専務様だと知っていたら、うっかり声なんてかけなかったのに。まったく。
後悔先に立たずどころか、日々繰り返される頭の痛い状況に、後悔後を絶たず、である。
情けないその顔を上目遣いに一瞥し、コホンと咳払いをした。
「お待たせして申し訳ありません。資料をお持ちしました」
一瞬、目を泳がせた表情に訝しさを覚える間もなく、いきなり肩をつかまれた。頭上から、甘い声が落ちてくる。
「うん。待ってたよ。こっちへ来て」
薄気味が悪い。
甘さと反比例するように込められた、わたしの上腕に食い込む指の力に、悪い予感が現実になるであろうことを知る。
「ちょっ……痛い……」
——何を企んでいるのよ?
身じろぎをしても睨みつけても、指の力も緩まなければ、麗しい笑顔も動じない。
「ちょうどよかった。美月さんにも紹介するよ」
レトロモダンな社長室の重厚なソファーに浅く腰掛け上品に紅茶を啜る、ハイブランドに身を包み栗色の巻き毛を踊らせたこの女は、先ほど非常階段で躱したハイヒールの主。
「彼女が相沢優香。僕の婚約者で、秘書をしてくれているんだ」
カチャッ、と、耳障りな音を立て、彼女の手の中のカップがソーサーに落ちた。
「相沢、彼女は——橋田美月さん。本社の橋田常務のお嬢さんだよ」
古くからの習慣で本社と呼ばれている親会社の橋田常務とはたしか、あの、たぬき——いや、ずんぐりむっくり狸腹の脂っこいオジサン。あのオジサンからこんな、モデル並みの美女が生まれるなんて。生物学的におかしくないか?
それよりなにより、こんな美女に言い寄られて逃げ回るとは、なんてもったいないことをしているのかこいつは——じゃなくて、ちょっと待てい! コンヤクシャとは? いったいなんの話だ?
「要……おまえ、婚約って、本当の話だったのか?」
「兄貴に嘘なんかついてどうするの?」
「本当に?」
「ああ」
首肯を受け、社長が破顔一笑、駆け寄ってきて専務とわたしの肩をバシバシと叩いた。
「そうか! おめでとう! やったな!」
「ありがとう。兄貴」
「三年か? 四年か? 長かったなぁー。やっと仕留めたか」
三年? 四年? 仕留めた? なにそれ? 狩ですか?
「うん。粘った甲斐あってやっとプロポーズのオーケーもらったんだ」
プ、プロポーズ? いつ? 誰が? 誰に?
「そうかぁ。それで? しっかり囲い込んだんだろうな? おまえのことだからもう……」
「囲い込んだっていやだなぁ兄貴、変な言い方するなよ。相沢が驚くだろう?」
「いやいや、大事なことだぞこれは。どうなんだ? やることはバッチリやったんだよな?」
「ああ。うん。もちろんさ。挨拶とかはまだだけど」
もちろん、なんですと?
「ウチの連中には? もう会わせたのか?」
「ううん、それもまだ。近いうちにとは思ってるけどさ」
「なんだよ。さっさとお披露目して周りも固めちゃえよ。グズグズしてると横から搔っ攫われるぞ」
「酷いなぁ。やっと捕まえたのに縁起でもないこと言わないでよ」
目の前で麗しい男ふたりが、とんでもなく意味不明な話題で盛り上がっているのですが、わたしが口を挟んでもよいものなのでしょうか。挟みたい。
「ねえ! ちょっと! どういうことよ?」
と、思っていたのは当然、わたしだけではなかったようで。
もうひとりの存在をすっかり忘れていたかのように話に夢中になっていた男ふたりは、声の主へと視線を向けた。
テーブルにカップとソーサーを置き、徐に立ち上がった橋田美月が、ゆっくりとこちらへ近づいてきた。目の前で立ち止まり腕を組み口の端を歪ませて、私を見下ろす。
この女、デカい。
微妙な沈黙ののち、彼女の放つ気迫に怖じ気づいたか男ふたりが何食わぬ顔で後退り、わたしから微妙に距離を取った。
そんな気配を感じつつも、至近距離から見る美人の怖い顔はなかなかに迫力があるのだな、などと、暢気に思っていると突然、左頬に衝撃を受け、眼鏡が吹っ飛ばされた。
「はっ……」
「ひっ……」
男ふたりが小さく悲鳴を上げ——。
「婚約ですって? ふざけるんじゃないわよ! あんたみたいな何処の馬の骨ともわからないちんくしゃの眼鏡ブスが要さんに釣り合うわけがないじゃない! 身の程を知りなさいよ!」
「…………」
左頬がじんじん痺れて熱い。
ちんくしゃだの眼鏡ブスだの——そんなことは、わざわざ指摘されなくても自覚している。
この世に生を受けて二十五年。他人の色恋は嫌というほど目の当たりにし、関わらされ面倒に巻き込まれてきたが、自分に想いを向けられたことは、自慢じゃないがただの一度も、無い。身の程だって当然、自分が一番よく知っている。
だがそれが、なんだというのだ。ちんくしゃだろうが眼鏡ブスだろうが喪女だろうが身の程知らずだろうが、あんたに関係無い。が、しかし。
そもそもあれだ。
このお嬢サマはお嬢サマなりに専務が好きなのは、ちゃんとわかる。けれども、だ。どうしてわたしが、この女に殴られ、罵倒されなければならない?
そして。
おとなしく言われるがままされるがままになっているようでは、わたしがここにいる理由が無いわけで。
足元に転がった眼鏡を拾う。よかった。フレームは少し歪んでしまったが、とりあえず壊れてはいない。
眼鏡をかけ直し、一度目を閉じてスーッと深く息を吸い、ゆっくりと吐いた。
わたしは、わたしの役割を全うする。
目を開けて女を見据え、戦闘開始だ。
あなたにおすすめの小説
俺様上司に今宵も激しく求められる。
藤白ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です!
https://estar.jp/novels/26513389
絶交した幼馴染と大学の合コンで再会した。
孤独な蛇
恋愛
中学生の浅野春樹は上級生と喧嘩騒動を起こしたことがあった。
その上、目つきが悪く地毛は茶髪のため不良少年のような扱いを受けて学校では孤立していた。
そんな中、幼馴染の深瀬志穂だけは春樹のことをいつも気遣ってくれていた。
同じ高校に行こうと声を掛けてくれる志穂の言葉に応えたい一心で受験勉強にも力を入れていた。
春樹にとって、学校で孤立していることは問題ではなかった。
昔から志穂が近くにいてくれるから……。
しかし、3年生なってから志穂の態度がよそよそしくなってきた。
登下校も別々になり、学校で話しかけてくることも無くなった。
志穂の心が自分から離れていってしまっている気がした春樹は焦っていた。
彼女と話がしたい。笑った顔が見たい。
志穂と一緒に帰ろうと、彼女が部活動を行っている体育館へ向かったのだが……。
そこで春樹が耳にしたのは、自分の悪口を言って部活の友達と楽しそうにしている志穂の声だった。
その瞬間、春樹の中で志穂に対する想いや信頼は……消滅した。
恋は秘密のその先に
葉月 まい
恋愛
秘書課の皆が逃げ出すほど冷血な副社長
仕方なく穴埋めを命じられ
副社長の秘書につくことになった
入社3年目の人事部のOL
やがて互いの秘密を知り
ますます相手と距離を置く
果たして秘密の真相は?
互いのピンチを救えるのか?
そして行き着く二人の関係は…?
苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」
母に紹介され、なにかの間違いだと思った。
だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。
それだけでもかなりな不安案件なのに。
私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。
「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」
なーんて義父になる人が言い出して。
結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。
前途多難な同居生活。
相変わらず専務はなに考えているかわからない。
……かと思えば。
「兄妹ならするだろ、これくらい」
当たり前のように落とされる、額へのキス。
いったい、どうなってんのー!?
三ツ森涼夏
24歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務
背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。
小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。
たまにその頑張りが空回りすることも?
恋愛、苦手というより、嫌い。
淋しい、をちゃんと言えずにきた人。
×
八雲仁
30歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』専務
背が高く、眼鏡のイケメン。
ただし、いつも無表情。
集中すると周りが見えなくなる。
そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。
小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。
ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!?
*****
千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』
*****
表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「結婚したらこっちのもんだ。
絶対に離婚届に判なんて押さないからな」
既婚マウントにキレて勢いで同期の紘希と結婚した純華。
まあ、悪い人ではないし、などと脳天気にかまえていたが。
紘希が我が社の御曹司だと知って、事態は一転!
純華の誰にも言えない事情で、紘希は絶対に結婚してはいけない相手だった。
離婚を申し出るが、紘希は取り合ってくれない。
それどころか紘希に溺愛され、惹かれていく。
このままでは紘希の弱点になる。
わかっているけれど……。
瑞木純華
みずきすみか
28
イベントデザイン部係長
姉御肌で面倒見がいいのが、長所であり弱点
おかげで、いつも多数の仕事を抱えがち
後輩女子からは慕われるが、男性とは縁がない
恋に関しては夢見がち
×
矢崎紘希
やざきひろき
28
営業部課長
一般社員に擬態してるが、会長は母方の祖父で次期社長
サバサバした爽やかくん
実体は押しが強くて粘着質
秘密を抱えたまま、あなたを好きになっていいですか……?
再会した御曹司は 最愛の秘書を独占溺愛する
猫とろ
恋愛
あらすじ
青樹紗凪(あおきさな)二十五歳。大手美容院『akai』クリニックの秘書という仕事にやりがいを感じていたが、赤井社長から大人の関係を求められて紗凪は断る。
しかしあらぬ噂を立てられ『akai』を退社。
次の仕事を探すものの、うまく行かず悩む日々。
そんなとき。知り合いのお爺さんから秘書の仕事を紹介され、二つ返事で飛びつく紗凪。
その仕事場なんと大手老舗化粧品会社『キセイ堂』 しかもかつて紗凪の同級生で、罰ゲームで告白してきた黄瀬薫(きせかおる)がいた。
しかも黄瀬薫は若き社長になっており、その黄瀬社長の秘書に紗凪は再就職することになった。
お互いの過去は触れず、ビジネスライクに勤める紗凪だが、黄瀬社長は紗凪を忘れてないようで!?
社長×秘書×お仕事も頑張る✨
溺愛じれじれ物語りです!
【完結】溺愛予告~御曹司の告白躱します~
蓮美ちま
恋愛
モテる彼氏はいらない。
嫉妬に身を焦がす恋愛はこりごり。
だから、仲の良い同期のままでいたい。
そう思っているのに。
今までと違う甘い視線で見つめられて、
“女”扱いしてるって私に気付かせようとしてる気がする。
全部ぜんぶ、勘違いだったらいいのに。
「勘違いじゃないから」
告白したい御曹司と
告白されたくない小ボケ女子
ラブバトル開始