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さすがの俺だって、遣られっぱなしは嫌だ。
漆
ベッドの端へ腰を下ろして相沢を膝へ座らせる。
久方ぶりに尻で味わうベッドの感触。やあ、久しぶり、と、心の中で挨拶をすると、俺を歓迎するようにマットレスがふわりと沈んだ気がした。
相沢の小さく薄い背中をガッシリとホールドし、その瞳を見つめたまま、空いた手で頬を撫で、額、両の瞼、鼻筋へと僅かに触れるだけのキスをしながら、辿り着いた口角へ唇を寄せ、角度を変えて唇を食み、舌先で突くように軽く舐める。
下唇を甘噛みし、チュッとリップ音を響かせ吸い上げたあと、緩く閉じている唇を舌でこじ開け、それを差し込んだ。
抱き込むように腕を回して後頭部を押さえ込み、ゆっくりと時間をかけて、口腔をねっとりと舐り味わう。
いつのまにか俺の背に回された相沢の腕の感触に、無言の同意を感じた。
逸る心を抑えて顎から首筋へと唇を這わせ、舐め、吸い上げ、小さな赤い花びらを散らし満足してはまた舐め、と、滑らかな肌の感触を愉しむ。
時折「はぁ……」と、漏れる相沢の艶めかしい呼吸音に、背筋がゾクゾクする。
抱き込んでいたかと思えば、頬や髪を撫でと、自らが意思を持っているが如く忙しく彷徨う俺の右手は、肩から腕を撫で、手を握り、焦らすように脇腹を往復したのち、とりあえずの中継地である胸に到達した。が。
欲望に濡れた右手の動きを拒絶するかのように、衣服の層が鉄壁の守りを固めている。
堅い。
期待していたものとは違う感触に一瞬戸惑った右手は、もう一度申し訳程度に胸を撫でたあと、その場での停留を諦め、胸の中央にあるファスナーを下ろすべくスライダーを指でつまみ、それを滑らせた。
「専務……?」
掠れた小さな声に呼びかけられ、手が止まった。
「ん?」
襟をはだけさせ、華奢な肩をも剥き出して唇で侵食しながら、吐息だけで小さく返事をする。
「……本気ですか?」
「あっ」
悪戯心が湧き、肯定の代わりに鎖骨に歯を立てたその瞬間——。
「うわっいっっ……」
相沢の小さな手にむぎゅっと握りつぶされ、上腕二頭筋が悲鳴を上げる。
相沢が小さくてか細い見かけに反して剛力なのをすっかり失念していた。
食いついていた鎖骨を宥めるように舐め、顔を上げて身体を少しだけ離す。
最早之まで。やはり俺の想いは拒絶されるのか。
懇願するように、胸を押さえ呼吸を整えている相沢を見つめた。
「いいですよ」
「へ?」
いいですよ、の意味はつまり、合意。いいの? ホントにいいの?
「ただし……」
「……ただし?」
と、続けば通常は、条件があります、と来るはずだ。
祐司に『相沢は一筋縄ではいかない』と言われたのを思いだし、その先に続く言葉を恐れ、息を凝らした。
「ただし、ご満足いただけない場合でも苦情は受け付けませんのでご了承ください」
呆気にとられる俺を尻目に相沢は、「では、お手柔らかにお願いします」と、俺の膝から下りてコンフォーターを畳んでベッドの足元へ置き、自ら身体を横たえ目を閉じた。
相沢が据え膳へ至る経過を目で追いつつ俺は、心の中で叫ぶ。
あ、い、ざ、わああああ!
言うに事欠いてあんたはまったく! 相沢はやはり、相沢なのか。
この期に及んですら保ち続けられるその冷静沈着さが憎らしい。
くそっ。俺は、負けない。絶対に負けてはならない。
誰がお手柔らかになんてしてやるものか。ぞうさんの仇はぞうさんで討つ。
喘がせ啼かせ、蕩けさせ、負けを認め許しを請うまで攻め立ててやる。
自らに気合いを入れ直し、決意を新たにして相沢に覆い被さった俺は、噛みつくように唇を合わせて熱い舌をねじ込んだ。
久方ぶりに尻で味わうベッドの感触。やあ、久しぶり、と、心の中で挨拶をすると、俺を歓迎するようにマットレスがふわりと沈んだ気がした。
相沢の小さく薄い背中をガッシリとホールドし、その瞳を見つめたまま、空いた手で頬を撫で、額、両の瞼、鼻筋へと僅かに触れるだけのキスをしながら、辿り着いた口角へ唇を寄せ、角度を変えて唇を食み、舌先で突くように軽く舐める。
下唇を甘噛みし、チュッとリップ音を響かせ吸い上げたあと、緩く閉じている唇を舌でこじ開け、それを差し込んだ。
抱き込むように腕を回して後頭部を押さえ込み、ゆっくりと時間をかけて、口腔をねっとりと舐り味わう。
いつのまにか俺の背に回された相沢の腕の感触に、無言の同意を感じた。
逸る心を抑えて顎から首筋へと唇を這わせ、舐め、吸い上げ、小さな赤い花びらを散らし満足してはまた舐め、と、滑らかな肌の感触を愉しむ。
時折「はぁ……」と、漏れる相沢の艶めかしい呼吸音に、背筋がゾクゾクする。
抱き込んでいたかと思えば、頬や髪を撫でと、自らが意思を持っているが如く忙しく彷徨う俺の右手は、肩から腕を撫で、手を握り、焦らすように脇腹を往復したのち、とりあえずの中継地である胸に到達した。が。
欲望に濡れた右手の動きを拒絶するかのように、衣服の層が鉄壁の守りを固めている。
堅い。
期待していたものとは違う感触に一瞬戸惑った右手は、もう一度申し訳程度に胸を撫でたあと、その場での停留を諦め、胸の中央にあるファスナーを下ろすべくスライダーを指でつまみ、それを滑らせた。
「専務……?」
掠れた小さな声に呼びかけられ、手が止まった。
「ん?」
襟をはだけさせ、華奢な肩をも剥き出して唇で侵食しながら、吐息だけで小さく返事をする。
「……本気ですか?」
「あっ」
悪戯心が湧き、肯定の代わりに鎖骨に歯を立てたその瞬間——。
「うわっいっっ……」
相沢の小さな手にむぎゅっと握りつぶされ、上腕二頭筋が悲鳴を上げる。
相沢が小さくてか細い見かけに反して剛力なのをすっかり失念していた。
食いついていた鎖骨を宥めるように舐め、顔を上げて身体を少しだけ離す。
最早之まで。やはり俺の想いは拒絶されるのか。
懇願するように、胸を押さえ呼吸を整えている相沢を見つめた。
「いいですよ」
「へ?」
いいですよ、の意味はつまり、合意。いいの? ホントにいいの?
「ただし……」
「……ただし?」
と、続けば通常は、条件があります、と来るはずだ。
祐司に『相沢は一筋縄ではいかない』と言われたのを思いだし、その先に続く言葉を恐れ、息を凝らした。
「ただし、ご満足いただけない場合でも苦情は受け付けませんのでご了承ください」
呆気にとられる俺を尻目に相沢は、「では、お手柔らかにお願いします」と、俺の膝から下りてコンフォーターを畳んでベッドの足元へ置き、自ら身体を横たえ目を閉じた。
相沢が据え膳へ至る経過を目で追いつつ俺は、心の中で叫ぶ。
あ、い、ざ、わああああ!
言うに事欠いてあんたはまったく! 相沢はやはり、相沢なのか。
この期に及んですら保ち続けられるその冷静沈着さが憎らしい。
くそっ。俺は、負けない。絶対に負けてはならない。
誰がお手柔らかになんてしてやるものか。ぞうさんの仇はぞうさんで討つ。
喘がせ啼かせ、蕩けさせ、負けを認め許しを請うまで攻め立ててやる。
自らに気合いを入れ直し、決意を新たにして相沢に覆い被さった俺は、噛みつくように唇を合わせて熱い舌をねじ込んだ。
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