ふたりとも秘密がある〜御曹司はS系秘書に首ったけ〜

樹沙都

文字の大きさ
28 / 65
わたしにはわたしの考えがある。

しおりを挟む
 尻に硬いソレを押し付けながらうなじを舐め耳を囓り胸を揉み、下半身の某所を暴きなで回す官能攻撃を仕掛けてくるエロ魔人と化した専務をやっと宥め賺してベッドから下りた。

 放り出されたジャージの上着らしきものと山になったその他諸々らしきものを纏め、ベッドルームから続く小さなバスルームへ避難する。

「あ、眼鏡……」
 ——どこで外したんだっけ?

 記憶の糸をたぐってもその先端に収穫はなく。

 眼鏡を探すためにはまず、バッグの中にある予備の眼鏡をかけなければならない。

 眼鏡なしでもまったくなにも見えないわけではないし探すのはあとでいいか、と、とりあえず先にシャワーを浴びることにした。

 このマンションには、ジェットバスとガラス張りのシャワーブースがある西洋式の大きなバスルームの他に、トイレとシャワーブースが一体になった小さなバスルームが寝室に併設されている。

 2LDKで、バスルームがふたつあるなんて。とんでもなく贅沢な造りだ。

 洗面台に衣類を置き、ガラス張りのシャワーブースへ。

 頭のてっぺんから熱いシャワーを浴びれば、気分スッキリ目覚め爽やか生き返る。薔薇の香りのボディソープに身も心も蕩け、ほうっ、とため息をついた。

 朝っぱらからエロエロビーム飛ばしまくりのあいつが腹立たしい。

 寝起きのソレは単なる生理現象だろうに、ひとの身体を弄くり回して安眠妨害しやがって。一回遣ったら、すっかり箍が外れたか。

 シャワーのお湯がヒリヒリ沁みるおまたが、未だ体内に残る異物感が、改めて実感させてくれる。

 相沢優香、昨晩、処女、喪失いたしました。

 子鹿のようにぷるぷる震えて足腰立たず、とか、ベッドから出られなくて彼氏が至れり尽くせりお世話して、みたいなことはあくまでフィクションで、現実は案外平気なものだな、と、新たな知識も得た。だが、わたしは予言する。

 明日は間違いなく筋肉痛だ。

 自慢じゃないが身体は硬いし、日頃の運動不足は否めない。

 相変わらずふわっふわのバスタオルで頭と身体をガシガシ拭きながら、単なる習慣で鏡の前に立ち、己の裸身を鏡に映し、思いだした。

 そっか忘れていた。眼鏡……。

 洗面台に靠れかかり伸び上がるようにして顔を近づけ、鏡を覗き込んだ。ぼやけた視界がクリアになるにつれ明らかになるその全貌に愕然とする。

 どう見ても鬱血痕、別名キスマークとも申しますものでございます。ありがとうございました。なんて、ふざけている場合ではない。

 ちょっとなによこれ!

 鏡に映った範囲だけではない。二の腕に、内股に、きっと自分で目視できないところにも。悪い病でも得たかの如く散りばめられた大量の赤いポツポツが、情事の激しさを物語っていた。

「う、嘘でしょう……こんなところ……」

 衣服で隠れてしまうところはまだ許せないことはない。だが、一カ所、左顎の直下、五センチほどのところにある赤い印。こればかりは、肩口まである髪を下ろしても、覆い隠すことは不可能だ。

「せ! ん! むうっ!」
 ——あんのばかやろうが。

 わたしは絶叫した。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

地味系秘書と氷の副社長は今日も仲良くバトルしてます!

楓乃めーぷる
恋愛
 見た目はどこにでもいそうな地味系女子の小鳥風音(おどりかざね)が、ようやく就職した会社で何故か社長秘書に大抜擢されてしまう。  秘書検定も持っていない自分がどうしてそんなことに……。  呼び出された社長室では、明るいイケメンチャラ男な御曹司の社長と、ニコリともしない銀縁眼鏡の副社長が風音を待ち構えていた――  地味系女子が色々巻き込まれながら、イケメンと美形とぶつかって仲良くなっていく王道ラブコメなお話になっていく予定です。  ちょっとだけ三角関係もあるかも? ・表紙はかんたん表紙メーカーで作成しています。 ・毎日11時に投稿予定です。 ・勢いで書いてます。誤字脱字等チェックしてますが、不備があるかもしれません。 ・公開済のお話も加筆訂正する場合があります。

結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「結婚したらこっちのもんだ。 絶対に離婚届に判なんて押さないからな」 既婚マウントにキレて勢いで同期の紘希と結婚した純華。 まあ、悪い人ではないし、などと脳天気にかまえていたが。 紘希が我が社の御曹司だと知って、事態は一転! 純華の誰にも言えない事情で、紘希は絶対に結婚してはいけない相手だった。 離婚を申し出るが、紘希は取り合ってくれない。 それどころか紘希に溺愛され、惹かれていく。 このままでは紘希の弱点になる。 わかっているけれど……。 瑞木純華 みずきすみか 28 イベントデザイン部係長 姉御肌で面倒見がいいのが、長所であり弱点 おかげで、いつも多数の仕事を抱えがち 後輩女子からは慕われるが、男性とは縁がない 恋に関しては夢見がち × 矢崎紘希 やざきひろき 28 営業部課長 一般社員に擬態してるが、会長は母方の祖父で次期社長 サバサバした爽やかくん 実体は押しが強くて粘着質 秘密を抱えたまま、あなたを好きになっていいですか……?

偽装夫婦

詩織
恋愛
付き合って5年になる彼は後輩に横取りされた。 会社も一緒だし行く気がない。 けど、横取りされたからって会社辞めるってアホすぎません?

腹黒上司が実は激甘だった件について。

あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。 彼はヤバいです。 サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。 まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。 本当に厳しいんだから。 ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。 マジで? 意味不明なんだけど。 めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。 素直に甘えたいとさえ思った。 だけど、私はその想いに応えられないよ。 どうしたらいいかわからない…。 ********** この作品は、他のサイトにも掲載しています。

苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」 母に紹介され、なにかの間違いだと思った。 だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。 それだけでもかなりな不安案件なのに。 私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。 「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」 なーんて義父になる人が言い出して。 結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。 前途多難な同居生活。 相変わらず専務はなに考えているかわからない。 ……かと思えば。 「兄妹ならするだろ、これくらい」 当たり前のように落とされる、額へのキス。 いったい、どうなってんのー!? 三ツ森涼夏  24歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務 背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。 小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。 たまにその頑張りが空回りすることも? 恋愛、苦手というより、嫌い。 淋しい、をちゃんと言えずにきた人。 × 八雲仁 30歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』専務 背が高く、眼鏡のイケメン。 ただし、いつも無表情。 集中すると周りが見えなくなる。 そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。 小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。 ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!? ***** 千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』 ***** 表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101

ズボラ上司の甘い罠

松丹子
恋愛
小松春菜の上司、小野田は、無精髭に瓶底眼鏡、乱れた髪にゆるいネクタイ。 仕事はできる人なのに、あまりにももったいない! かと思えば、イメチェンして来た課長はタイプど真ん中。 やばい。見惚れる。一体これで仕事になるのか? 上司の魅力から逃れようとしながら逃れきれず溺愛される、自分に自信のないフツーの女子の話。になる予定。

嘘つき同士は真実の恋をする。

濘-NEI-
恋愛
都内郊外のリゾートホテルでソムリエとして働く瑞穂はワイン以上にゲームが大好き。 中でもオンラインゲーム〈グラズヘイム〉が大好きで、ロッソの名前でログインし、オフの時間と給料の全てを注ぎ込むほどのヘビーユーザー。 ある日ゲーム仲間とのオンライン飲み会で、親から結婚を急かされている話を愚痴ったところ、ギルマスのタラントの友人で、ゲームの中でもハイランカーのエルバに恋人役を頼めば良いと話が盛り上がり、話は急展開。 そしてエルバと直接会うことになった瑞穂だったが、エルバの意外な正体を知ることに⁉︎ Rシーンは※ ヒーロー視点は◇をつけてあります。 ★この作品はエブリスタさんでも公開しています

処理中です...