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004
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「リヴィア!」
「ロンまた来たの?」
呆れたように言っても彼は気にした様子もない。
あれから毎日のようにロンと……そしてギルフォードがこの店に訪れる。
「だってリヴィアが悪いんだからね!」
「僕が何したって言うのさ」
ロンがリヴィアの鼻先を指先し胡乱な目で見る。
「最初はOKした王妃様の香水を突然断るから。あれで隊長は自分に問題があったのかと凹むし、俺にはお前のせいだって当たるし……実際、なんで急に断っちゃったの?」
自分の正体がバレる可能性があるからです。
とは言えない。
招かざる客でも取り敢えず飲み物は出す。
でも男性は苦手な人が多いローズヒップティーにしてみる。
それでもロンは美味いなぁと飲み干してしまう。
「……精油ってね、植物から本当に少ししか採れないの。それを頂いて私たちは香りを楽しんだり癒されたり
してるのだけれど僕の採取方法は少し変わっていて…。植物を伐採とか圧縮にかけたりしないから本当にごく少量しか採れないんだよ」
「どうやって採取してるの?」
「それは企業秘密」
「リヴィアは秘密が多いなぁ。ここに来る前はどこにいたのかも教えてくれないし」
言えるわけがない。
性別も、別の世界から来たことも。
「……ギルフォードは元気にしてる?この間見た時は少し疲れていたように思えたから」
「隊長はいつでも疲れてるよ。近衛騎士団は第一騎士団から第三騎士団まであるけれど、第一騎士団は本当に王家の身近しか守らないし、第二騎士団は見目麗しく家柄も良いお飾り騎士団だ。そして我らが第三騎士団はその雑用係みたいなものさ。よく言えば実行部隊で実力と近衛騎士団としての見目を併せ持つ最高峰だけれど、実際はいろんな役割をさせられてヘトヘトだよ。隊長はそのトップだからね」
「そう……優しそうなギルフォードでは身重な役割だね」
「隊長は優しいけれど激しい性格でもあるから問題ないよ。何せまだ〈女神様〉探しているからね」
そう笑うロンに曖昧な笑みになってしまう。
「ロンはそのギルフォードを支えているんだね」
ロンの横の椅子に座り手を取る。
ラベンダーとゼラニウムをブレンドした精油を加えたクリームを体温で温めながらロンの指に塗り込む。
爪先はマッサージを兼ねて強めに、指の股は染み込ませるように優しく握る。
「──気持ちいい?」
「──うん」
「リラックス効果のある香りとクリームも植物性のオイルから作っているから──指と掌へのマッサージもしてあげるね」
ロンは軽口をよく叩くけれど、その手はやはり騎士の手だ。ここは戦さ場ではないし、平和な国だけれど、それでも日々、戦いや警備を生業にしている人たちの大変さをこの手に見る。
「リヴィアは多くの女性たちから口説かれないの?」
「突然何?」
「これだけ綺麗な男はそうそういないよ。それで更に良い香りがして優しくて──俺が女なら絶対に逃がさないけどな」
「仲良くしてくれるお客様はいらっしゃるけど……そうだね──もう恋愛は懲り懲りなんだ……さぁ指も少しは柔らかくなったでしょう?今度、ギルフォードにもしてあげるからって伝えておいてね」
指を離すとロンが逆にリヴィアの手を取る。
「ロン?」
「その女とどんな恋愛したの?」
「──忘れたよ」
握られた指に更に力が入る。
ロンが離してくれない。
「残酷な……かな」
その言葉にリヴィアの心中を思ってかやっと離してくれる。
「──あー俺、早く彼女作らないとヤバイわ」
男のリヴィアの手を離したくなくなるほど、人肌恋しいのかもしれない。
ロンは寂しがりやだなぁ。
「ロンを好きな女性は多いと思うけど、意外に身が固いのね」
「……そうでもなかったんだけどなぁ。隊長の気質が感染のかなぁ」
「ギルフォードはその人の何が良くてそんなに求めるのかな?」
「さぁ……詳しくは教えてくれないし──教えるほど情報も持っていないのかもしれないし。だって瞳の色さえ知らないって言うんだから。もう恋に恋しているとしか思えないよ。良い大人が」
「ギルフォードの瞳はエメラルドグリーンの色ね。ロン貴方は綺麗な子猫の青ね」
「子猫扱いかよ!リヴィアのグレーの瞳は綺麗だよなぁ。知的に見えてクールでその癖、なんだか謎めいている──って隊長が言ってた。俺もそう思う」
そう覗き込まれると恥ずかしい。
それに謎を探ろうとしているように思ってしまう。
それを思えば──王妃様に香水をお渡しして彼らがこの任務から解かれればロンもギルフォードもここへ通う事はなくなり秘密が暴かれる事はないのかも知らない。
「もう俺、リヴィアの店に来ないと癒されない身体になってしまった」
その言葉に嬉しさが勝ってしまう。
「ロンは甘えん坊だからね」
「リヴィアは寂しないの?何処から来たのかは教えてくれないけれど、このイングスリア国のどこぞの田舎から王都イングスまで出てきたんでしょ?知り合いのいないこの場所で一人は寂しくないの?」
「──道理で貴方もギルフォードもあまり王妃様の香水を勧める訳もなくこのお店に来ていたのは僕の為なんだね。ありがとう」
ロンは少し罰が悪いようだ。
「でも今は本当にここに来たいんだ──なんでだろうな」
「──疲れたら癒されたくなる休みたくなるのは誰もが一緒だよ」
テーブルに突っ伏したままリヴィアを覗く。
本当に猫のようだ。
「さぁギルフォードがきっと貴方を探しているよ。大事な腹心がいなければ彼は困ってしまう」
「子猫なんかいなくても隊長は大丈夫さ」
少し不貞腐れている。
「何かあったの?」
「別に……ただ、俺がしたかった仕事を他のヤツに与えたから──隊長にとって俺は腹心でもなんでもないよ。ただの子猫だ」
キトンブルーをここまで気にするとは思わなかった。
綺麗な青なのに。
「──僕が前いた場所では名前が短いほど階級が上だったんだよ。だからロンの名前を聞いて最初はビックリしたよ。二文字なんて頂点に君臨するくらいだから。だから貴方はいつかギルフォードを越すかもしれないよ?」
「──それ隊長に言っていい?」
口元に人差し指を持っていく。
ロンは不満顔だけど微笑んでいる。
「じゃあリヴィアも四文字だからまあまあ上の階級なの?」
「僕は全然。二文字、三文字の名前はもう一字違うだけで別世界の方たちだったからね」
ふーんと聞くロンが何か思案している。
余計な事を話してしまい少し落ち着かない。
ロンとのお喋りは楽しくてつい話してしまう。
「その為にはギルフォードが仕事をしているのに、貴方がここでサボっていたらいつまでもギルフォードを越せないよ?」
素直に椅子を立つ彼にハーブの飴を渡す。
「──子供扱いするけど、俺、26歳だよ?リヴィアは何歳なの?俺より絶対年下だよな?」
「正解したら教えてあげるよ」
またねと店から追い出す。
彼の座っていた椅子を整頓し……窓から空を見上げる。
陽射しが強い。
真昼の陽射しは少しオリヴィアにはキツい。
と言ってもここは穏やかだ。
この世界にずっといていいのだろうか?
──今はまだ考えない。
「ロンまた来たの?」
呆れたように言っても彼は気にした様子もない。
あれから毎日のようにロンと……そしてギルフォードがこの店に訪れる。
「だってリヴィアが悪いんだからね!」
「僕が何したって言うのさ」
ロンがリヴィアの鼻先を指先し胡乱な目で見る。
「最初はOKした王妃様の香水を突然断るから。あれで隊長は自分に問題があったのかと凹むし、俺にはお前のせいだって当たるし……実際、なんで急に断っちゃったの?」
自分の正体がバレる可能性があるからです。
とは言えない。
招かざる客でも取り敢えず飲み物は出す。
でも男性は苦手な人が多いローズヒップティーにしてみる。
それでもロンは美味いなぁと飲み干してしまう。
「……精油ってね、植物から本当に少ししか採れないの。それを頂いて私たちは香りを楽しんだり癒されたり
してるのだけれど僕の採取方法は少し変わっていて…。植物を伐採とか圧縮にかけたりしないから本当にごく少量しか採れないんだよ」
「どうやって採取してるの?」
「それは企業秘密」
「リヴィアは秘密が多いなぁ。ここに来る前はどこにいたのかも教えてくれないし」
言えるわけがない。
性別も、別の世界から来たことも。
「……ギルフォードは元気にしてる?この間見た時は少し疲れていたように思えたから」
「隊長はいつでも疲れてるよ。近衛騎士団は第一騎士団から第三騎士団まであるけれど、第一騎士団は本当に王家の身近しか守らないし、第二騎士団は見目麗しく家柄も良いお飾り騎士団だ。そして我らが第三騎士団はその雑用係みたいなものさ。よく言えば実行部隊で実力と近衛騎士団としての見目を併せ持つ最高峰だけれど、実際はいろんな役割をさせられてヘトヘトだよ。隊長はそのトップだからね」
「そう……優しそうなギルフォードでは身重な役割だね」
「隊長は優しいけれど激しい性格でもあるから問題ないよ。何せまだ〈女神様〉探しているからね」
そう笑うロンに曖昧な笑みになってしまう。
「ロンはそのギルフォードを支えているんだね」
ロンの横の椅子に座り手を取る。
ラベンダーとゼラニウムをブレンドした精油を加えたクリームを体温で温めながらロンの指に塗り込む。
爪先はマッサージを兼ねて強めに、指の股は染み込ませるように優しく握る。
「──気持ちいい?」
「──うん」
「リラックス効果のある香りとクリームも植物性のオイルから作っているから──指と掌へのマッサージもしてあげるね」
ロンは軽口をよく叩くけれど、その手はやはり騎士の手だ。ここは戦さ場ではないし、平和な国だけれど、それでも日々、戦いや警備を生業にしている人たちの大変さをこの手に見る。
「リヴィアは多くの女性たちから口説かれないの?」
「突然何?」
「これだけ綺麗な男はそうそういないよ。それで更に良い香りがして優しくて──俺が女なら絶対に逃がさないけどな」
「仲良くしてくれるお客様はいらっしゃるけど……そうだね──もう恋愛は懲り懲りなんだ……さぁ指も少しは柔らかくなったでしょう?今度、ギルフォードにもしてあげるからって伝えておいてね」
指を離すとロンが逆にリヴィアの手を取る。
「ロン?」
「その女とどんな恋愛したの?」
「──忘れたよ」
握られた指に更に力が入る。
ロンが離してくれない。
「残酷な……かな」
その言葉にリヴィアの心中を思ってかやっと離してくれる。
「──あー俺、早く彼女作らないとヤバイわ」
男のリヴィアの手を離したくなくなるほど、人肌恋しいのかもしれない。
ロンは寂しがりやだなぁ。
「ロンを好きな女性は多いと思うけど、意外に身が固いのね」
「……そうでもなかったんだけどなぁ。隊長の気質が感染のかなぁ」
「ギルフォードはその人の何が良くてそんなに求めるのかな?」
「さぁ……詳しくは教えてくれないし──教えるほど情報も持っていないのかもしれないし。だって瞳の色さえ知らないって言うんだから。もう恋に恋しているとしか思えないよ。良い大人が」
「ギルフォードの瞳はエメラルドグリーンの色ね。ロン貴方は綺麗な子猫の青ね」
「子猫扱いかよ!リヴィアのグレーの瞳は綺麗だよなぁ。知的に見えてクールでその癖、なんだか謎めいている──って隊長が言ってた。俺もそう思う」
そう覗き込まれると恥ずかしい。
それに謎を探ろうとしているように思ってしまう。
それを思えば──王妃様に香水をお渡しして彼らがこの任務から解かれればロンもギルフォードもここへ通う事はなくなり秘密が暴かれる事はないのかも知らない。
「もう俺、リヴィアの店に来ないと癒されない身体になってしまった」
その言葉に嬉しさが勝ってしまう。
「ロンは甘えん坊だからね」
「リヴィアは寂しないの?何処から来たのかは教えてくれないけれど、このイングスリア国のどこぞの田舎から王都イングスまで出てきたんでしょ?知り合いのいないこの場所で一人は寂しくないの?」
「──道理で貴方もギルフォードもあまり王妃様の香水を勧める訳もなくこのお店に来ていたのは僕の為なんだね。ありがとう」
ロンは少し罰が悪いようだ。
「でも今は本当にここに来たいんだ──なんでだろうな」
「──疲れたら癒されたくなる休みたくなるのは誰もが一緒だよ」
テーブルに突っ伏したままリヴィアを覗く。
本当に猫のようだ。
「さぁギルフォードがきっと貴方を探しているよ。大事な腹心がいなければ彼は困ってしまう」
「子猫なんかいなくても隊長は大丈夫さ」
少し不貞腐れている。
「何かあったの?」
「別に……ただ、俺がしたかった仕事を他のヤツに与えたから──隊長にとって俺は腹心でもなんでもないよ。ただの子猫だ」
キトンブルーをここまで気にするとは思わなかった。
綺麗な青なのに。
「──僕が前いた場所では名前が短いほど階級が上だったんだよ。だからロンの名前を聞いて最初はビックリしたよ。二文字なんて頂点に君臨するくらいだから。だから貴方はいつかギルフォードを越すかもしれないよ?」
「──それ隊長に言っていい?」
口元に人差し指を持っていく。
ロンは不満顔だけど微笑んでいる。
「じゃあリヴィアも四文字だからまあまあ上の階級なの?」
「僕は全然。二文字、三文字の名前はもう一字違うだけで別世界の方たちだったからね」
ふーんと聞くロンが何か思案している。
余計な事を話してしまい少し落ち着かない。
ロンとのお喋りは楽しくてつい話してしまう。
「その為にはギルフォードが仕事をしているのに、貴方がここでサボっていたらいつまでもギルフォードを越せないよ?」
素直に椅子を立つ彼にハーブの飴を渡す。
「──子供扱いするけど、俺、26歳だよ?リヴィアは何歳なの?俺より絶対年下だよな?」
「正解したら教えてあげるよ」
またねと店から追い出す。
彼の座っていた椅子を整頓し……窓から空を見上げる。
陽射しが強い。
真昼の陽射しは少しオリヴィアにはキツい。
と言ってもここは穏やかだ。
この世界にずっといていいのだろうか?
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