追放王子の異世界開拓!~魔法と魔道具で、辺境領地でシコシコ内政します

武蔵野純平

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第九章 グンマー連合王国

第188話 グンマー連合王国爆誕!

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 俺とじいは、転移魔法でキャランフィールドに帰ってきた。
 徹夜で打ち合わせだったので、とにかく眠い。

 連合王国の名前を何にするかは、寝た後だ……。
 まあ、フリージア連合王国とかで良いだろう……。

 ――一眠りして、昼過ぎ。

 俺は、まず、ルーナ先生と黒丸師匠に事情説明をすることにした。

 二人はフリージア王国の役職はないが、俺にとっては最重要人物だ。

 場所は蒸留所の横に出来た新しい建物。
 ここはルーナ先生が魔法で建てた、グンマークロコダイル――マエバシ、タカサキ、イセサッキ、ミドリの家だ。

 蒸留所は二十四時間フル稼働している。
 そして、蒸留をしているので、蒸留所の中は熱い。
 この熱い空気が、隣の建物にパイプを伝ってくるのだ。

 建物に入るとマエバシたちが、鳴き声を上げて歓迎してくれる。

「「「「グアー!」」」」

「良かったな。暖かい寝床が出来て」

 ルーナ先生は、余程コイツらが気に入ったのだろう。
 かいがいしく世話をしている。

「イセサッキは、ブラシが好き」

 ブラシと言っても、デッキブラシだ。
 デッキブラシで、イセサッキの背中をゴシゴシこすっている。

 イセサッキは、気持ちよさそうに目を細め、だらしなく口の端から涎を垂らす。

 イセサッキ君!
 野生は、どこへ?

「アンジェロ少年。それで、どうなったのであるか?」

 黒丸師匠に促されて、昨夜アルドギスル兄上たちと話し合い決定したことを伝える。

「なるほど! 連合王国であるか! 良いアイデアなのである! そもそもメロビクス王大国は、大きすぎて行き届かなかったのである」

 黒丸師匠から、ホッとする言葉をもらえた。
 俺の考えた方向性を評価してもらえて嬉しい。

「しかし、連合王国の名前であるか……」

 黒丸師匠は、腕を組み難しそうな顔をしだした。
 俺はシンプルに考えていたのだが……。

「フリージア連合王国で良いでしょう?」

「それは良くないのである」

 俺の考えに黒丸師匠は反対なのか?
 なぜだろう?

「フリージア連合王国では、いけませんか?」

「それでは、いかにもフリージア人が支配しているようで、他民族や他種族の反発を招くのである」

「なるほど!」

 確かに黒丸師匠の言う通りだ。
 支配層の貴族は、フリージア人もいれば、メロビクス人もいる。
 ミスル人エルハムさんのように、余所の国から来た人もいる。
 獣人もいれば、エルフもいる。

 フリージアを前に押し出しすぎると、まとまる物もまとまらなくなりそうだ。
 それでヒューガルデン伯爵は、名前をどうするかとわざわざ聞いてきたのか……。

「そうすると、民族性を前に出すのはやめた方が良いですね。じゃあ、地域名?」

「うーん、と言っても……領域が広いのである。しいて言うなら『大陸北西連合王国』であるが、商業都市ザムザは中央部の方が近いのである」

「そうですね。北西はピンとこないですね……」

「いっそ、竜殺し連合王国とか、皆殺し連合王国とかはどうであるか? はったりがきいているのである」

「……今ひとつ、国名としての格調とか、気品にかけますね」

「ダメであるな。冒険者パーティーの名前と違って、難しいのである」

「むむむ……」

 ダメだな。
 黒丸師匠は、戦闘センスは抜群だが、ネーミングセンスはない。

 でも、俺もネーミングセンスがないからなあ。
 困ったな。

「イセサッキ連合!」

「「えっ!?」」

「グアー♪」

 ルーナ先生が、斜め上のネーミングを披露し、イセサッキが嬉しそうに鳴き声を上げた。
 俺と黒丸師匠は、意表を突かれた。

「ルーナ。イセサッキ連合は、このイセサッキを知らない人には意味不明である」

「それで良い。変に意味があるよりも、意味がつかない方がマシ」

「それは、そうであるが……」

「恐らく私が一番長寿。私が連合王国と一番長く付き合うことになる。だから、私の好きな名前にして欲しい」

 それは、そうだな。
 ルーナ先生は、ハイエルフだから、俺の死後も連合王国を見守って欲しい。
 まあ、気ままな人だから、どうなるかはわからないけど。

 しかし『イセサッキ連合』か……。

 いやいや!
 そんな地元密着系暴走族みたいな名前は嫌だぞ!

「でも、イセサッキ連合は、やめましょう。黒丸師匠のおっしゃる通り、イセサッキを知らない人が聞いたら、意味不明ですよ」

 俺のつれない返事に、ルーナ先生とイセサッキが残念そうに声を上げる。

「「グアー……」」

「ルーナ先生。グンマークロコダイルのマネをしないで! そんな悲しそうな声を出してもダメですよ!」

「むうう……アンジェロは一番若いのに頭が硬い! もう、老化が始まっている」

「老化していません!」

 まったく!
 言いがかりも甚だしい!

「じゃあ、グンマー」

 また、ルーナ先生が、良く分からないことを言い出した。
 だが、黒丸師匠が、すかさず乗る。

「グンマー連合王国であるか。ふむ、悪くないのである」

「えっ!? 悪くないのですか!?」

「シメイ伯爵領の方で、『グンマー』は、『凄い!』『大きい!』と、そのような意味合いである。巨大な連合王国に相応しいのである」

「そう……ですかね……」

「何より良いのが、何人であろうが、もめない名前なのである。フリージア人、メロビクス人、獣人、エルフ、ドラゴニュート、誰でもグンマーなのである」

 そう言われてみると、そんな気がしてきたぞ。
 確かに、新しい連合王国は民族種族がごちゃ混ぜになる。

 それならカッコ良い名前より、もめない名前の方がグッドチョイスか?

「グンマーで決まり! エルフはグンマーを支持する」

「「「「グアー♪」」」」

 言い出しっぺのルーナ先生は、猛プッシュ。
 マエバシたちも嬉しそうだ。

「わかりました。グンマーにします」

 こうして国名は『グンマー連合王国』に決まった。
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