追放王子の異世界開拓!~魔法と魔道具で、辺境領地でシコシコ内政します

武蔵野純平

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第九章 グンマー連合王国

第208話 浦和? いえ、ウーラの町!

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 ――二月下旬。

 キャランフィールドに、隣国イタロスのテュリンの街から使者がやって来た。
 まだ、謁見の間がないので、応接室でごく普通に面会することにした。

 イタロスの使者は、でっぷりと肉がついたおっさんだったが、身につけた服は生地も良いし、センスも良い。
 さすがに繊維産業が盛んなイタロスだ。

 じいに、同席してもらい、使者の話が始まった。

「総長陛下には、ご機嫌麗しく。わたくし、テュリンの街から参りましたマッテオでございます」

「マッテオ。楽にせよ」

「ははあー!」

 国のトップらしく威厳を出そうとすると、疲れてしまう。
 俺も楽にしよう。

「それで、マッテオさん。ご用件は?」

「はっ。実は盗賊が出没しております。我がティリンの街から、オオミーヤの間で被害が出ております」

「サイターマ街道か……」

 盗賊!
 ぶっちゃけ、この異世界では、害虫みたいな物だ。

 隙があれば出没する。
 油断があれば出没する。
 どこであろうと出没する。

 マッテオさんによれば、数回商人が襲われたらしい。
 赤獅子族と青狼族がいなくなったので、盗賊が入り込んだのだろう。

「わかりました。サイターマには、第二騎士団が入植中です。街道に見回りを出しましょう」

「ありがとうございます」

 マッテオさんがニッコリ笑って話を終えようとすると、じいが注文をつけた。

「お待ちを。ティリンの街からも見回りを出していただけるのでしょうな?」

 じいの指摘にマッテオさんが、苦笑いをしながら答えた。

「ええ……まあ……そうですね……冒険者ギルドに依頼して、冒険者に街道の見回りをしてもらいましょう」

 マッテオさん!
 黙っていたら、ウチだけに負担を押しつけるつもりでいたな!
 油断ならない人だ。

 じいが、マッテオさんと条件を詰めた。


 ・お互い街道の見回りを行う。

 ・十人以下なら、国境を超えても良い。

 ・盗賊の情報は、共有する。


 じいが、しっかりと押さえる所を押さえてくれたので助かった。
 マッテオ氏は、何とも微妙な笑顔でティリンの街へ帰っていった。

「じゃあ、早速盗賊を捕まえに行こうか」

「アンジェロ様、お待ち下さい。ご自分で捕り物をするのは、お控えください。アンジェロ様は国のトップなのですから、下の者にお任せください」

「それも、そうだな。じゃあ、第二騎士団に依頼しよう」


 *


 ――二日後。

 俺は、オオミーヤとティリンの中間地点に来た。

 第二騎士団のローデンバッハ子爵と打ち合わせたのだが、見回りの拠点となる宿場町を作る事になった。

 場所がここだ。
 オオミーヤから、歩いて七時間。
 ティリンの街には、歩いて八時間の場所だ。

 連れて来たのは、第二騎士団から八人、それと鹿族と狐族の族長だ。
 三番隊隊長の女戦士ブンゴが率いる。

 ブンゴは、非常に重心が低い、どっしりとした女性で、戦斧を両手で使う。
 淡々と敵を刈り取る猛者で、『無双のブンゴ』の二つ名を持つ。

「いや~、何にもないッスね」

 ブンゴは、街道から辺りを見回し、サバサバした口調で話し出した。

「これから町を作るよ」

「あー、陛下。とりあえず、私たちが泊まれる所と行商人が泊まれる所があれば、良いっすよ。それで、砦みたいな感じで」

「そうか? じゃあ、そこの小高い丘に作るか?」

「いいっスね」

 ブンゴのリクエストで、街道の脇にある小高い丘に砦を築くことになった。
 土魔法を発動させて、平屋の建物二つと見張り台、そして防壁を築く。

「ブンゴ。こんな感じで良いか?」

「最高ッス!」

「しかし、十人で大丈夫か?」

 ここに詰めるのは、ブンゴを含めて十人だ。
 盗賊対策には、もう少し人が欲しかったのだが、第二騎士団も入植で忙しく人が出せないのだ。

 俺が心配すると、ブンゴは自信満々で答えた。

「平気ッスよ。私が強いんで」

「そ、そうか」

 あまりにサラッと言い切るので、逆に心配になる。
 俺は、アイテムボックスから、改造したケッテンクラート二台を取り出した。

 ケッテンクラートの荷台に、強力な魔道具を積んだ、いわゆるテクニカルっぽいケッテンクラートだ。

「おっ! なんか凄いのが出てきたッス!」

「こいつは、ケッテンクラート。荷台には、強力な攻撃用魔道具を積んである。見回りで使え」

「おお! ありがとうッス!」

 荷台に積んだ魔道具は、ブラックホークに載せてある魔道具と同型の物だ。
 重機関銃のように、土魔法で生成した石礫を連続で打ち出す。

 盗賊を一瞬でボロ雑巾にするだろう。

「あとは、食料と薪も置いておく。水は近くの川から汲めば大丈夫だな?」

「ウッス」

「あとは何かあるか?」

「陛下。この町の名前は?」

「また、名前か……。えーと、じゃあ、浦和で」

 またも命名を求められたので、日本の町シリーズから浦和をチョイスした。
 国境に近く、攻撃力のありそうな感じが、この町に似合いそうだ。

「ウーラッスね」

 ブンゴは、浦和と発音しづらいらしい。
 ウーラになってしまった。

 呼びやすいなら、ウーラで良いが。

「じゃあ、ブンゴ、頼むぞ!」

「お任せッス!」

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