240 / 358
第九章 グンマー連合王国
第240話 まあ、昼の決闘! ~テイマー対テイマー
しおりを挟む
イセサッキに乗ったルーナ・ブラケットとサーベルタイガーを従えたイネスがにらみ合う。
場所はキャランフィールドの冒険者ギルドの真ん前の大通りだ。
何事かと野次馬が集まり、冒険者たちが『危ないから下がれ!』と声をからす。
その騒ぎを、二頭の魔物の咆吼が静めた。
グンマークロコダイルのイセサッキが低く唸れば、サーベルタイガーのラモンが力強く吠える。
季節外れの北風が通りを吹き抜け、どこからか一枚の布が舞い降り両者の視界を遮った。
「イセサッキ!」
「ラモン!」
ルーナとイネスは、同時に動いた。
グンマークロコダイルのイセサッキは、姿勢を低く素早く地を駆ける。
ルーナは、イセサッキの背に伏せた。
一方のイネスは、初期の立ち位置から一歩も動かず、頬に笑みをたたえている。
ルーナが不審に感じた瞬間、斜め上からサーベルタイガーのラモンが襲いかかった。
ラモンは通りの左右に立ち並ぶ建物の壁を蹴って、立体的に動いたのだ。
「クッ!」
ルーナは、とっさにイセサッキの背中から飛び退いた。
地面を転げ回るルーナ。
先ほどまでルーナがまたがっていた、イセサッキの背中にラモンの前足が振り下ろされ、鋭い爪が背中の皮に食い込む。
「グアア!」
イセサッキの叫びは、痛みからか、主を襲撃された怒りからか。
叫ぶと同時に太く重いイセサッキの尾が、ラモンの横腹を叩いた。
吹っ飛び壁に激突するラモン。
たまらず声を上げる。
「ギャイン!」
ルーナは、自分がイセサッキにまたがったままでは、イセサッキの動きを阻害すると判断した。
戦闘はイセサッキに任せ、自分は邪魔にならないように後ろに下がった。
通りの中央では、二匹の魔物が壮絶な戦いを繰り広げる。
サーベルタイガーのラモンは、速度と跳躍力を武器に。
グンマークロコダイルのイセサッキは、パワーと頑丈さを武器に。
一進一退の攻防が続く。
しかし、戦う場所――つまり、跳躍するのに地面と壁を使えるラモンの方に、やや分があった。
ラモンは立体的な動きで優勢を保ち、ジリジリとイセサッキを後退させることに成功した。
突如方角を変えたラモンは、ルーナに向かって襲いかかった。
地面を蹴り、壁を蹴り、空中を舞うようにルーナに迫る。
だが、イセサッキも黙っていない。
最短距離で移動し、ルーナに襲いかかろうとするラモンに体当たりをかました。
吹っ飛ぶ二頭の魔物。
だが、そのシチュエーションこそイネスの狙いだった。
二頭がルーナの眼前で交差し、ブラインドになった間隙を突いて、一気に距離を詰めた。
ルーナは、目を見開き驚く。
お構いなしにイネスは、右拳を振りかぶる。
「ハッ!」
二頭が吹っ飛んだ次の瞬間、ルーナの視界には拳を構えたイネスが見えた。
右手にはメリケンサックが握られている。
脇の下から空手の正拳突きに似た動きで、一直線に突き出された拳がルーナの顔面を襲った。
(よけきれない!)
とっさにルーナは、顔をそらしながら後方へ飛んだ。
横面に痛みを感じながらも、飛ぶことでダメージを減らした為、失神せずに済んだ。
「へッ!」
勝ちに乗ったイネスの短いつぶやきを聞きながら、ルーナは腰にぶら下げたマジックバッグから、長い杖を取り出した。
魔法使い用の杖だが、接近戦では打撃武器として使用できる。
ルーナは、地面を転げながらも杖を横に払うことで、イネスの追撃を退けた。
立ち上がり、イネスをにらみつけるルーナ。
手元で杖を素早く回転させながら、イネスへと迫る。
イネスもボクサーのようにコンパクトな構えをとり、体を左右に揺すりながらイネスに近づく。
ルーナは、右、左と杖を繰り出し、イネスは繰り出された杖をよけ、または拳で払い間合いを詰める。
イネスの拳が再びルーナの顔面をとらえるが、ルーナの杖もイネスの側頭部をとらえた。
二人が同時に崩れ落ちる。
そこへ、駆けつけた黒丸が割って入った。
「そこまでである!」
黒丸は、オリハルコンの大剣を振り下ろし、道路をたたき割った。
立ち上がり再び襲いかかろうとしたイネスは、黒丸の勢いに押しとどめられた。
一方、グンマークロコダイルのイセサッキとサーベルタイガーのラモンは、血を流しながら取っ組み合いの死闘を演じていたが、二匹の間にアンジェロが雷魔法を落とした。
危険を察した二匹は飛び退き距離を取り、二匹の間にアンジェロが割って入った。
「ルーナ先生! ダメじゃないですか!」
アンジェロは、ルーナに苦情を申し立てたのであった。
場所はキャランフィールドの冒険者ギルドの真ん前の大通りだ。
何事かと野次馬が集まり、冒険者たちが『危ないから下がれ!』と声をからす。
その騒ぎを、二頭の魔物の咆吼が静めた。
グンマークロコダイルのイセサッキが低く唸れば、サーベルタイガーのラモンが力強く吠える。
季節外れの北風が通りを吹き抜け、どこからか一枚の布が舞い降り両者の視界を遮った。
「イセサッキ!」
「ラモン!」
ルーナとイネスは、同時に動いた。
グンマークロコダイルのイセサッキは、姿勢を低く素早く地を駆ける。
ルーナは、イセサッキの背に伏せた。
一方のイネスは、初期の立ち位置から一歩も動かず、頬に笑みをたたえている。
ルーナが不審に感じた瞬間、斜め上からサーベルタイガーのラモンが襲いかかった。
ラモンは通りの左右に立ち並ぶ建物の壁を蹴って、立体的に動いたのだ。
「クッ!」
ルーナは、とっさにイセサッキの背中から飛び退いた。
地面を転げ回るルーナ。
先ほどまでルーナがまたがっていた、イセサッキの背中にラモンの前足が振り下ろされ、鋭い爪が背中の皮に食い込む。
「グアア!」
イセサッキの叫びは、痛みからか、主を襲撃された怒りからか。
叫ぶと同時に太く重いイセサッキの尾が、ラモンの横腹を叩いた。
吹っ飛び壁に激突するラモン。
たまらず声を上げる。
「ギャイン!」
ルーナは、自分がイセサッキにまたがったままでは、イセサッキの動きを阻害すると判断した。
戦闘はイセサッキに任せ、自分は邪魔にならないように後ろに下がった。
通りの中央では、二匹の魔物が壮絶な戦いを繰り広げる。
サーベルタイガーのラモンは、速度と跳躍力を武器に。
グンマークロコダイルのイセサッキは、パワーと頑丈さを武器に。
一進一退の攻防が続く。
しかし、戦う場所――つまり、跳躍するのに地面と壁を使えるラモンの方に、やや分があった。
ラモンは立体的な動きで優勢を保ち、ジリジリとイセサッキを後退させることに成功した。
突如方角を変えたラモンは、ルーナに向かって襲いかかった。
地面を蹴り、壁を蹴り、空中を舞うようにルーナに迫る。
だが、イセサッキも黙っていない。
最短距離で移動し、ルーナに襲いかかろうとするラモンに体当たりをかました。
吹っ飛ぶ二頭の魔物。
だが、そのシチュエーションこそイネスの狙いだった。
二頭がルーナの眼前で交差し、ブラインドになった間隙を突いて、一気に距離を詰めた。
ルーナは、目を見開き驚く。
お構いなしにイネスは、右拳を振りかぶる。
「ハッ!」
二頭が吹っ飛んだ次の瞬間、ルーナの視界には拳を構えたイネスが見えた。
右手にはメリケンサックが握られている。
脇の下から空手の正拳突きに似た動きで、一直線に突き出された拳がルーナの顔面を襲った。
(よけきれない!)
とっさにルーナは、顔をそらしながら後方へ飛んだ。
横面に痛みを感じながらも、飛ぶことでダメージを減らした為、失神せずに済んだ。
「へッ!」
勝ちに乗ったイネスの短いつぶやきを聞きながら、ルーナは腰にぶら下げたマジックバッグから、長い杖を取り出した。
魔法使い用の杖だが、接近戦では打撃武器として使用できる。
ルーナは、地面を転げながらも杖を横に払うことで、イネスの追撃を退けた。
立ち上がり、イネスをにらみつけるルーナ。
手元で杖を素早く回転させながら、イネスへと迫る。
イネスもボクサーのようにコンパクトな構えをとり、体を左右に揺すりながらイネスに近づく。
ルーナは、右、左と杖を繰り出し、イネスは繰り出された杖をよけ、または拳で払い間合いを詰める。
イネスの拳が再びルーナの顔面をとらえるが、ルーナの杖もイネスの側頭部をとらえた。
二人が同時に崩れ落ちる。
そこへ、駆けつけた黒丸が割って入った。
「そこまでである!」
黒丸は、オリハルコンの大剣を振り下ろし、道路をたたき割った。
立ち上がり再び襲いかかろうとしたイネスは、黒丸の勢いに押しとどめられた。
一方、グンマークロコダイルのイセサッキとサーベルタイガーのラモンは、血を流しながら取っ組み合いの死闘を演じていたが、二匹の間にアンジェロが雷魔法を落とした。
危険を察した二匹は飛び退き距離を取り、二匹の間にアンジェロが割って入った。
「ルーナ先生! ダメじゃないですか!」
アンジェロは、ルーナに苦情を申し立てたのであった。
25
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
神の手違い転生。悪と理不尽と運命を無双します!
yoshikazu
ファンタジー
橘 涼太。高校1年生。突然の交通事故で命を落としてしまう。
しかしそれは神のミスによるものだった。
神は橘 涼太の魂を神界に呼び謝罪する。その時、神は橘 涼太を気に入ってしまう。
そして橘 涼太に提案をする。
『魔法と剣の世界に転生してみないか?』と。
橘 涼太は快く承諾して記憶を消されて転生先へと旅立ちミハエルとなる。
しかし神は転生先のステータスの平均設定を勘違いして気付いた時には100倍の設定になっていた。
さらにミハエルは〈光の加護〉を受けておりステータスが合わせて1000倍になりスキルも数と質がパワーアップしていたのだ。
これは神の手違いでミハエルがとてつもないステータスとスキルを提げて世の中の悪と理不尽と運命に立ち向かう物語である。
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる