いきなり異世界って理不尽だ!

みーか

文字の大きさ
117 / 185

寒い

しおりを挟む
 トイレに入って、トイレットペーパーがホルダーにあるだけしかない事に気づいた。タオルも替えがない!
 大急ぎでお店になっている場所に行き、お菓子やインスタント珈琲など並べただけのガラ空きの棚にトイレットペーパーやタオル、電気ポット、ティーセットなどを出しておいた。
 ランドリーもあるし洗濯も出来るけど、1枚だけじゃ足りない。応接セットがあってもカップもコップもお皿もなければ困る……。食堂にだけ食器を出してもダメだった。
 あっ、食堂の布巾なども予備がない!!シーツや枕カバーも替えがない!!
 リネン室に行って、シーツなどを出しまくり、食堂に行って足りない物を聞いて出してと走り回っていたら夜になった。
 晩ご飯を食べて、放送でショップにカップやインスタント珈琲、ジュース、トイレットペーパーもあるので必要な時に取りに行ってください、シーツやタオルなどもリネン室にあるから自分で取り替えて洗濯してくださいと伝える。
 放送の帰りにファーナさんに出会って、タオルやシーツなども自分達の分を持ってきたと言っていた。さすが!!

 服もいるけど数枚はあるから明日出す事にして、今日は早く寝よう。全くゆっくり出来なかった……。

 次の日、服や下着なども出して、各部屋にTVと DVDプレイヤーを出して回る。お好みのDVDをショップから取って来て見てもいいよと言うと大喜びでショップに行っていた。
 それぞれが、洗濯や掃除など出来る事をしてくれ、男の人達もショップの品出しや畑の仕事などをしてくれている。
 食堂も交代で休憩しながら頑張ってくれていて、布巾やタオルを洗ったり、食器洗いなどを手伝ってくれる人もいる。
 豪華客船だけど、自分達の事は自分達でしなければいけないから、船だけ豪華なだけで、普段の生活とあまり変わらなかった。
 最初の2日ほどは、船での生活に慣れるので精一杯で、皆んな緊張していたが、3日目辺りからする事がわかってきて手分けしてできるようになり、慣れてきた。
 
 ルイ君に会いに操縦室に行き、何か見えないかと聞いてみたけど、何も見えないようだ。時々小さな島があるが人がいるようには見えないらしい。

 ファーナさんの部屋に行って、ハルハちゃんに癒されながら困った事はないか聞くと特にないし快適だと言ってくれた。
 良かったぁ~!!

 船旅を楽しみながら5日程過ぎた。甲板に出て寒さを感じる。温度計を確認すると10℃しかない。
 大急ぎで畑に行き、温室を出した。
 2日前からなんとなく涼しいなぁと思っていたが、まさか急に寒くなるとは思わなかった。

 急いで部屋を回って、長袖のトレーナーなどを出して回った。暑さには慣れているが、寒さに慣れていない人達なので、半纏なども出しておいた。着物みたいで可愛いと大喜びだ!
 
 次の日には、さらに寒くなっている。冬服を出しておく。

 その次の日には雪がチラチラ舞うようになり、船の中は暖かいけど外には誰も出なくなった。ハゼドンに頼んで鍋料理を作ってもらった。
 ハルー村は暑いから鍋は初めてで、大喜びしていた。子ども達は絵本で雪合戦やかまくら作りなどを見ていたから、雪に大興奮。

 次の日の昼頃、ルイ君から陸が見えると報告があった。
 近づいて船着場を出して、私とワーガとルイ君で降りてみる事にした。
 まず、ルイ君にドローンを飛ばしてもらって空から確認。周りに何も無さそうなので、車を出して進む。
 スノータイヤの車を出しておいた。
 
 道路を出しながら1時間ほど進む。時々山があるが広い平らな土地が続く。そして、雪が結構積もっていた。
 ここを拠点にする事にして、家を出していく。とりあえずマンションを出して電話で、車で道路を辿って来てほしいと伝える。
 数人は船に残ってくれるらしい。

 その間に冬用の服や、子ども達の為に雪遊び用の服や手袋長靴、マフラー、雪掻き用のスコップや除雪車などを出して、各部屋にこたつも出しておいた。
 私達の部屋は、5世帯で過ごせるようにしてある。マンションの中にシェアハウスがあるような感じだ。
 5階建ての、かなり大きなマンションになってしまった。
 同じような部屋もあるから、それぞれ好きに選んでもらえるようにした。1人用のワンルームにロフトがあるような部屋もある。

 続々と到着して、部屋を選び荷物を片付けてもらう。船にほとんど荷物は置いてくるように言ってあるから、すぐに終わる。
 こたつの使い方や、冬服の着方などを教えてそれぞれ過ごしてもらった。
 ルイ君のお父さんに頼んで、温室の中に畑や果樹園を作ってもらう。
 雪が結構積もるから、かなり頑丈な物を出した。
 作業しながら外を見ると、ファーファちゃん達が雪だるま作りをして大盛り上がりだ!
 外に出て、バケツを出して帽子にして、人参を鼻にしてと絵本通りの顔にするのを手伝う。キャーキャー言いながらはしゃいでいた。
 あまりにも可愛かったから、写真を撮りまくった!

 マンション一階に作った食堂では、シチューやおでん、鍋などの温かい料理が並んでいて、寒いからこそのご馳走を楽しんでいた。
 ドワーフやエルフ達は、おでんに日本酒の熱燗にハマって、演歌を流してどっぷりと昭和のサラリーマンになりきっていた。
 そんな気分が味わいたいらしい。上司がどうの、中間管理職で……などとぶつぶつ言いながら呑むのがいいらしい……。いったい、何のDVDを見たんだ??
 ノリノリのリリガが、着物を着て小料理屋の女将さんになりきりお酌をしたりしていた。

 それも写真に撮っておいた。

しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

幼女と執事が異世界で

天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。 当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった! 謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!? おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。 オレの人生はまだ始まったばかりだ!

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

異世界に来たからといってヒロインとは限らない

あろまりん
ファンタジー
※ようやく修正終わりました!加筆&纏めたため、26~50までは欠番とします(笑)これ以降の番号振り直すなんて無理! ごめんなさい、変な番号降ってますが、内容は繋がってますから許してください!!!※ ファンタジー小説大賞結果発表!!! \9位/ ٩( 'ω' )و \奨励賞/ (嬉しかったので自慢します) 書籍化は考えていま…いな…してみたく…したいな…(ゲフンゲフン) 変わらず応援して頂ければと思います。よろしくお願いします! (誰かイラスト化してくれる人いませんか?)←他力本願 ※誤字脱字報告につきましては、返信等一切しませんのでご了承ください。しかるべき時期に手直しいたします。      * * * やってきました、異世界。 学生の頃は楽しく読みました、ラノベ。 いえ、今でも懐かしく読んでます。 好きですよ?異世界転移&転生モノ。 だからといって自分もそうなるなんて考えませんよね? 『ラッキー』と思うか『アンラッキー』と思うか。 実際来てみれば、乙女ゲームもかくやと思う世界。 でもね、誰もがヒロインになる訳じゃないんですよ、ホント。 モブキャラの方が楽しみは多いかもしれないよ? 帰る方法を探して四苦八苦? はてさて帰る事ができるかな… アラフォー女のドタバタ劇…?かな…? *********************** 基本、ノリと勢いで書いてます。 どこかで見たような展開かも知れません。 暇つぶしに書いている作品なので、多くは望まないでくださると嬉しいです。

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

処理中です...