いきなり異世界って理不尽だ!

みーか

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牢の中

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 ユガ村をルイ君や手伝いに来てくれたはるな大陸の人達に任せて、獣人族で、一度オーガの村に迷い込んだ事があるというアットという青年を道案内にして、車で向かう。
 ワーガが運転しているが、昨日のカレー事件からゆきちゃんに「わー、いや、いや!!(ワーガ、嫌)」と言われ、すごく落ち込んでいる。
 朝から、ゆきちゃんが好きな高い高いをしようとして逃げられ、自分の分のフルーツをゆきちゃんにあげようとして拒絶された。もぅ立ち直れないと、朝から泣いていた。面倒なワーガだ!
 そのうち、ゆきちゃんも忘れるだろうし、またカレーを作ってもらったら納得するだろうと私は思ってるんだけど……。助手席に座っている私に負のオーラが漂ってきてて、鬱陶しい!!

 皆んなで励ましたりしている間に、それらしき場所に到着した。

 ワーガに背負ってもらい、村まで走ってもらう。
 アットは怖がったので車で待っててもらった。
 かなり大きな村で、村の周りには囲いのような物があり、あまり歓迎されているような感じはなく、よそ者を寄せ付けないような雰囲気だ。

 入り口らしき所から、ワーガと2人で入ってみる。
 ナナガとアルは少し離れた所で待っててもらった。何かあった時に、動けるように。

 すると、すぐにオーガが駆けつけて来て、石で作った槍のような物を突きつけられる!!

「あの、話しがあって来ました。ここの代表の方と話しがしたいんです。」
 睨みつけるように、こっちを見て私もワーガも縄で拘束される。

 そのまま、村の真ん中辺りに広場があり、そこに連れて行かれた。

「なんだ!!お前達は!!」
 偉そうなオーガが、出てきた。他のオーガに押さえつけられ、ちょっとキレそうだ。

「私達は旅をしていて、困った人達を助けてます。この大陸は植物が育ちにくい場所だと他のオーガ達に聞いたので、助けになれればと来ました。」
「ふん!人間に何ができる!!おい!この2人を牢に入れておけ!!」

 縄で拘束されたまま引っ張られ広場の横にある木製の牢屋のような物に入れられた。牢の中では縄を解いてくれたけど、押さえつけられたり縛られたりと酷い扱いだ!それに、私達の話しも聞かず、せっかく訪ねてきたのに牢に入れるなんて酷い!!
 フツフツと怒りが湧いてきた。

 メールで、村の入り口に待っててくれるナナガやアルに車に戻って、待っててくれるように指示を出す。

 牢の中は、何もなくトイレさえない。屋根もないし下は石がゴロゴロしている土だ。牧場の囲いの中に入れられている気分だ。
 牧場は、下が牧草なだけマシだ!

 一応見張りが2人立っている。
「あの、私達いつまでここに入ってなきゃダメなんですか?」
「わはははは!面白い事を言う!出られるわけないだろ。動けなくなるほど弱ったら村の外に捨ててやるよ!」
「何?俺達は何もしていない!話しをしにきただけだ!」
「俺達に言われても困る。ボスが決めた事なんだから、仕方ない。それに今までから、村人以外の者が入り込んだら、こうしてきたんだ。」
「…………そうですか。」

 確かに迷い込んだアットも、ただ道を聞いただけで酷い目にあったと言っていた。
 たまたま、探しに来てくれた仲間がボロボロの状態のアットを見つけて助けてくれたけど、あのままだったら死んでいたと思うと怯えながら教えてくれた。

 あぁ、トイレに行きたくなってきた。
「あの、トイレに行きたいんだけど!」
 トイレが分からないみたいなので、ワーガが説明してくれる。
「そんなの、そこらに穴を掘ってしろ!」
「えぇ!!女の子のトイレをこんな所で?」
「……?それが普通だろう。男も女も関係ない。」

 わぁ~、最悪だ!!

 ま、いいけどね。私には便利な魔力があるから。

 トイレを出して入る。
 はぁ~スッキリした!!

 出ると、見張りのオーガが腰を抜かしていた。
 
 あっ、良いこと思いついた!!

「ご主人様、悪い顔になってるぞ!」
「ふふふふ、ワーガ良いこと思いついちゃった。あのね………………。」

 コソコソとワーガに耳打ちする。

「…………さ、さすがご主人様!」

 腰を抜かしてる2人を無視して、壁をスケルトンにした家をイメージして出す。屋根もちゃんとあるし、床もフローリングだ。

 その中に入って、大きなソファーや、ダイニングテーブルなどを出していき、エアコンのスイッチも入れて快適に過ごす事にした。

 ワーガも、くつろいでいる。

 そろそろお昼だからと、わざわざ外に出て、キッチンを出してステーキを焼いた。
 ご飯に味噌汁、ぶどうジュースにデザートもケーキにフルーツと色々と出した。

「いただきまーす!」
「いただきまーす!!」

 ワーガと2人で最高のランチを食べる。めっちゃ美味しい!!

 夢中で食べてしまった。

 食後のデザートと珈琲を優雅に楽しんでいると、見張りの2人がジーーーーっとこっちを見ている。

「あっ、食べる??」
「い、いいのか?」
「ちょっと待っててね!」
 沢山焼いたステーキを一口大に切って、ご飯の上に乗せる。ステーキ丼の出来上がりだ!
「どーぞ!!」

 2人に出すと、辺りをキョロキョロ見て誰も見てないとわかると一口食べる。
「うううううううううまーーーーーーーい!!!」
「なんじゃこりゃーーーーーー!!」
 せっかく誰もいないのを確認したのに、そんな大声で叫んだらバレちゃうのに。

 ペロリと完食したから、ケーキとフルーツも渡した。


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