いきなり異世界って理不尽だ!

みーか

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彼女?

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 その後、少し話してから別れた。別れ際、また誘っていいですか?と言ってくれ、もちろんOKした。

 夜に、友達から大量の山田さんの写真が送られてきた。いつの間に撮ったんだ?
 待ち受けにしようか悩んだけど、なんだか恥ずかしいのでやめた。
 
 バスで挨拶するのと、同じ休みの日曜日に用事のない時は、ランチに行ったり、公園でおしゃべりしたりする日々が続いた。

 ゆうちゃんの結婚式当日、山田さんが車を買ったからと式場まで送ってくれた。
 ゆうちゃん、とっても綺麗で最初から号泣していた。披露宴でのスピーチも泣き過ぎて、何言ってるかわからないと笑われた。ゆみやかなちゃんに助けられてなんとかスピーチは終わったけど、恥ずかしい!!
 最後の最後で、ブーケトスが行われて、私達3人が同時にキャッチした。なので、3人で幸せを分け合う事にした。本当に素敵な式だった。私もいつか結婚するのかなぁ?ふと山田さんの顔が浮かんだけど、それは失礼だ。
 でも、こんな結婚式見たら結婚したくなるなぁ~!
 二次会には、山田さんも呼ばれていて一緒に出席した。
 二次会でも号泣してしまい、山田さんが泣き過ぎてヨレヨレの私を家まで送ってくれた。

 
 ゆうちゃんの結婚式の写真を沢山撮ったから、写真やフォトブックにして、ゆみやかなちゃんと新婚家庭に押しかける事になった。
 ゆうちゃんと写真を見たり、お茶しておしゃべりして楽しい時間を過ごした帰り道、山田さんが可愛い女の子と一緒にいるのを見かけてしまった。女の子は、山田さんの腕に手を絡めて甘えているように見える。山田さんも、ニコニコと笑い仲良さそうな雰囲気だ。

 モヤモヤした気持ちのまま家になんとか辿り着く。なんでこんなにモヤモヤするんだろう……。山田さんに彼女がいたって当たり前だし、私は熱が出た時に助けたから、お礼で友達になったようなものだろう。可愛い子だったな。あんな風な子がタイプだったんだ。お似合いだったなぁ~。………あれ、なんで涙が出てくるの??
 なんだか胸が苦しくなって涙が止まらない。

 ゆみに電話した。
『はっ?何言ってるの?そんなの、私らが見てても陽菜は山田さんが好きなのバレバレだったよ!』
「えっ??そーなの?私って山田さんが好きなの??」
『………あのねぇ~、自分でわかってないの??他の女と一緒にいるの見て涙が出るんでしょ?山田さんの隣にいるのが自分じゃないから苦しいんじゃないの?』
「………そっか………。」
『それにね、私もゆうもかなも山田さんが陽菜の事を好きなんだろうなぁって思ってたよ。』
「えっ??それはないと思うよ!」
『何言ってるの!休みが合う度にデートして、結婚式の時だって送迎までしてくれて……、陽菜愛されてるなって皆んなで言ってたんだから!!』
「えぇ!!!でも、山田さんは私が助けたからそれのお礼をしているつもりなんじゃないのかなぁ。」
『バッカじゃないの!いつまでお礼するのよ!それに、お礼だったとしても、最初にご飯食べに行ったので、普通は終わるよ。』
「いや、でも、山田さん一人暮らしだし何かあったら頼っていいってうちの親も言ったから、それで友達になったのかなぁ………って。」
『はぁ~…………。それなら連絡先交換するだけでいいじゃない!休みの日に会う必要ないでしょ?』
「そ、そっかぁ……。」
『これは、私とゆうとかなの感だけど、山田さんは陽菜の事を好きだと思うよ。』
「……で、でも、仲良さそうに腕組んで歩いてたし。」
『山田さんに聞いたらいいじゃない。気になるんでしょ?』
「でも、彼女でもないのに……。」
『じゃあ、1人で泣いてたら??』
「そんなぁ~……、ゆみ酷いよ~!」
『だって、ほかに何か方法ある?山田さんに直接確かめるか、きっと彼女なんだろうと陽菜が諦めるかしかないと思うよ。』
「う………確かに。」
『山田さんの家知ってるんでしょ?電話やメールじゃなくて直接聞いたら?ハッキリさせたくないなら、そのままでいいけど。』
「………そうだね。ウジウジしてるのは、私らしくないね。うん、今から行ってくる!!」
『うん、頑張れ!!』

 ゆみと話して、なんとなく自分の気持ちが整理できた。
 そうだよね、私多分ずっと山田さんが好きだったんだろうなぁ~。これで、あの子が彼女だったら、キッパリ諦めたらいいし、山田さんに何かあっても頼れる彼女がいるなら私達は必要ないもんね。うん、そうだ!!

 
 勇気を出して、山田さんの部屋の前まで来た。
 うぅ、なんて言えばいいんだろう……。
 玄関の前の不審者になりながら、悩んでいたら、ガチャっとドアが開いた。
 中から山田さんと一緒にいた女の子が出てくる。

「誰?」
「あっ、えっとーその……。」
 ビックリしてパニクっていたら山田さんが出て来た。
「あやちゃん、どうした?」
「あっ、あの!」
「陽菜さん!どうしたんですか?」
「あっ、いや、あの……そ、そう!近くを通りかかったから、いるかな?って思って。」
「そうなんですか!珈琲でも飲んでいきますか?」
「流唯兄、誰?」
「あぁ、ほら、この前熱出して倒れた時に助けてくれた人だよ。」
「ふーん。」
「あやちゃん、ほら早くしないと電車間に合わないよ!」
「次のに乗ればいいもん!」
 そう言いながら私を睨んでくる。流唯兄と呼んでたから山田さんがお世話になってた所の娘さんかな?
「流唯兄、やっぱり駅まで送って~!!」
「え……でも……。」
「あっ、私はたまたま通りかかっただけだから……急に……ごめんなさい。じゃあ、また。」
「えっ、陽菜さん……。」
 急いで走って帰る。

 
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