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記憶〜初恋と失恋〜
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「瞳、今日クラブないから一緒に帰ろうよ」
瞳の親友椎名沙織だ。4年生から入部したミニバスケットクラブで仲良くなり、5年生、6年生とクラスが一緒になった。
「いいよ。あ、翔太に渡すのあるから、先に玄関で待ってて」
沙織の顔が曇った。
「分かった。先に行ってるけど、早く来てね」
「ごめん。ありがとう」
沙織は、膨れっ面で教室を出た。
瞳は、教室にいる佐伯翔太に視線を向けた。翔太は、男子二人と話に夢中になっていた。
瞳は、翔太を呼びたかったが、声をかける事をためらった。緊張で、心臓が爆発しそうになっていた。目をつむり、どうしようか迷っていたその時。
「瞳、じゃーなぁー」
翔太が帰り際、瞳の前を通った。
「あ!翔太、ちょっと待って!」
瞳は、勢い良く立ち上がった。
「えっ⁉︎何⁉︎」
瞳の様子に、翔太は驚いた。
「あ、この間借りてた漫画返そうと思って。ありがとう!お、面白かったよ!」
瞳は、机の横にかけてある紙袋を翔太に手渡した。
「だろ!ふざけ過ぎて、腹痛くなるよな」
「うん!あ、あの!お礼にカップケーキ作ったの!入れておいたから、良かったら食べて!」
瞳は顔を真っ赤にしながら、紙袋を指さした。
「サンキュー!じゃ、クラブあるから」
「うん!バイバイ!」
瞳は手を振り、翔太を見送った。
「あー、緊張したぁ」
瞳は力が抜け、傾れる様に椅子に座った。
「あ!沙織待たせてるんだ!早く行かなきゃ!」
瞳は勢い良く立ち上がり、玄関までダッシュした。
「沙織ごめん!」
「さっき、翔太が出てったけど、用事は終わった?」
沙織の目つきが鬼のように鋭くなっていた。まだ、膨れっ面の方が可愛かったかもと瞳は思った。
「終わったよ。ありがとう」
「じゃあ、早く帰ろ」
鬼の形相から満面の笑みに変わる沙織の百面相に、瞳は驚いた。
外に出ると、サッカー部員が準備運動の前に、リフティングをしたり、スパイクの紐を結んだりしていた。
瞳は、無意識に翔太を探していた。
「翔太の用事は終わったでしょ!次は、私と帰る番だよ!」
「べ、別に翔太を見てた訳じゃないよ!今日は、サッカー部、部活あるんだなぁって見てただけ!」
瞳は慌てて弁解した。この通り、沙織は佐伯翔太の事が大嫌いなのだ。なぜ嫌いなのかは聞いた事がない。聞いた所で、鬼の様な形相で言い返されるのは、目に浮かんだからだ。
「あ!来月のハロー楽しみだね。応募者全員サービス、結構可愛いのばっかりだよね」
瞳は、沙織の機嫌を取るために、二人が読んでいる少女漫画雑誌の話をした。
「私、ひまわりちゃんのハンカチ入りポーチにするよ。沙織は何にする?」
「私は、マリンちゃんのミニトートにする!宿泊学習で使いたかったけど、間に合わないね。でも、宿泊学習楽しみだね」
「うん!みんなで泊まるの、去年のキャンプ以来だもんね。…でも、学校で寝るの怖いな」
瞳の首が、ガクリと下がった。瞳は、実際に幽霊を見た事ないが、幼少の頃からサスペンス番組で使われる曲に怯える程の怖がりだった。
「瞳は、幽霊とか苦手だもんね。大丈夫!私が隣で寝てあげるから!」
沙織は、ガッツポーズを取りながら、眩しい笑顔を見せた。その後、二人は大好きな少女漫画の話をした。話が盛り上がりかけた頃に、先に瞳の家に着いた。
「またね」
「バイバイ」
沙織と別れた後、瞳は先に算数の宿題を済ませ、少女漫画雑誌を読み返した。今月の星座占いを読み返していると、恋のおまじないの項目があった。
恋のおまじない
10円玉を2枚用意する。1枚に自分の名前、もう1枚に好きな相手の名前を書きます。神社に両想いの願いを込めて、10円玉を納めましょう。ただし、両想いの代償で、途切れた人生を送る事になります。
瞳は、ドキドキしながら、おまじないの項目を読んだ。
「へぇ~、試しにやってみようかな?でも、途切れた人生って何だろう?まぁ、占いだし、当たりはしないけど試しにやってみよ」
瞳は自室に行き、貯金箱から10円玉を2枚取り出し、翔太と自分の名前を書いた。そして、それを机の引き出しの中にしまった。
次の日の昼休み。教室は、昼休みに何して遊ぶかで賑わっていた。
「瞳!今日、体育館使える日だから、キックベースしよう!」
翔太が瞳に話しかけていると、沙織が給食を片付ける手を止め、高速移動で瞳の元に寄ってきた。
「瞳、音楽室でピアノ教えてあげるよ。瞳の好きな曲教えてあげるからさ!ね!」
瞳は2人に挟まれてしまい、困惑していた。
「翔太、ごめん。また今度遊ぼ」
「よし!じゃあ、片付け終わったら遊ぼ」
沙織は、再び給食の片付けに戻った。
「沙織、いつも俺らが話してると割り込んでくるよな。ま、いいけど。じゃ、また今度な」
瞳は愛想笑いをした。しかし、心の中は、舞踏会に行けなくなったシンデレラ程のショックを受けていた。翔太と一緒に居たいのに、沙織にいつも邪魔をされる。沙織は1番の親友だが、憎く感じる事があった。
放課後、部活動が終わった後、いつもの様に沙織と帰った。
家に着くと10円玉を引き出しから取り出し、ある場所へ向かった。
自宅から歩いて5分位で着く神社に来た。神社を覆う木々は細々としていて、木々の空間に隙間が出来ていた。全体的に弱々しく、神様がいる雰囲気はなさそうだ。
時は夕方。辺りは少し明るいが、濃くなっていく影が不気味さを増す。木造の社殿は、所々腐って傷んでいる。ズボンのポケットから、10円2枚取り出した。唾を飲み込み、賽銭箱にお金を投げ入れた。錆び過ぎた鈴を鳴らすと、ゴロンと汚い音が鳴った。この神社に似合いそうな音だった。手を合わせ、心の中で願った。
「翔太と両想いになれますように!」
そして、ダッシュで神社を出た。神様より化け物が住み着いていそうな神社だ。儀式は、2分も経たずに終わった。
一目散に走った為、すぐに自宅に着いた。
「はぁ、はぁ、はぁ。あー、めっちゃ怖かった。今思えば、朝やれば良かった」
瞳は、軽く後悔した。
おまじないを執り行った次の日。
瞳は、部活動に行く途中、教室に忘れ物をした事に気づいた。一緒にいた沙織を待たせ、教室に戻った。教室から誰かの声が聞こえ、瞳は出入り口の前で耳を澄ませた。
「瞳って、翔太と近くない?」
自分の名前が出た事に、ビクリと体が飛び上がった。
「近くないよ」
1人は、翔太の声。もう1人の声の主は、さっきの一言で、正体が分かった。
「絶対近いから!まだ言ってないの?」
これは、同じクラスの山崎美穂の声だ。美穂は、女子からあまりいい話を聞かない子だ。自分だけの特別グループを作り、女子の頂点に立っている。
「言ってないよ。言わなくても勝手に広がるじゃん」
「瞳、絶対知らないから。私達が付き合ってる事」
瞳の心臓、脳、全てが停止しかけた。体から力が抜け、そろそろと床に膝を着いた。
「知らないから翔太と近いんだよ。翔太の代わりに、私が言ってあげるよ」
「美穂が言うなら自分から言うよ」
「じゃあ、ちゃんと言ってね」
瞳の目に涙が浮かんだ。静かにその場を離れ、泣きながら階段を降りた。
「瞳、忘れ物…」
沙織は、瞳の異変にすぐに気づいた。
「瞳!どうしたの⁈」
沙織は、瞳の肩に触れ、俯いている瞳の顔を覗いた。
「沙織…」
瞳は、ポロポロと涙を溢していた。
「どうしたの⁈何で泣いてるの⁈」
瞳は、首を横に振った。
「ごめん。帰るね」
瞳は沙織を置いて、走り去って行った。
「瞳!」
瞳は、泣きながら走った。帰宅後、自室に
こもりしばらく慟哭した。
「バカだなぁ、私。翔太と仲良いから、いい感じかもって思ってたのに。翔太に彼女が居たなんて…美穂と付き合ってるなら、言ってくれればいいのに…付き合ってるなら、私と仲良くしないでよ!勘違いして恥ずかしい。はぁ。可愛い顔は得だなぁ。少し前に、隣のクラスの男子と付き合ってたくせに。もう、取っ替えちゃうなんて。美穂本当嫌い。何で美穂と付き合ったんだろ?やっぱ、男子は顔なんだね」
初めての失恋に、瞳の感情は、悔しさ、怒り、悲しみが複雑に混同していた。
「明日の宿泊学習行きたくないなぁ。美穂と翔太の顔見たくないよぉ」
瞳は、再び声を上げて泣いた。
瞳の親友椎名沙織だ。4年生から入部したミニバスケットクラブで仲良くなり、5年生、6年生とクラスが一緒になった。
「いいよ。あ、翔太に渡すのあるから、先に玄関で待ってて」
沙織の顔が曇った。
「分かった。先に行ってるけど、早く来てね」
「ごめん。ありがとう」
沙織は、膨れっ面で教室を出た。
瞳は、教室にいる佐伯翔太に視線を向けた。翔太は、男子二人と話に夢中になっていた。
瞳は、翔太を呼びたかったが、声をかける事をためらった。緊張で、心臓が爆発しそうになっていた。目をつむり、どうしようか迷っていたその時。
「瞳、じゃーなぁー」
翔太が帰り際、瞳の前を通った。
「あ!翔太、ちょっと待って!」
瞳は、勢い良く立ち上がった。
「えっ⁉︎何⁉︎」
瞳の様子に、翔太は驚いた。
「あ、この間借りてた漫画返そうと思って。ありがとう!お、面白かったよ!」
瞳は、机の横にかけてある紙袋を翔太に手渡した。
「だろ!ふざけ過ぎて、腹痛くなるよな」
「うん!あ、あの!お礼にカップケーキ作ったの!入れておいたから、良かったら食べて!」
瞳は顔を真っ赤にしながら、紙袋を指さした。
「サンキュー!じゃ、クラブあるから」
「うん!バイバイ!」
瞳は手を振り、翔太を見送った。
「あー、緊張したぁ」
瞳は力が抜け、傾れる様に椅子に座った。
「あ!沙織待たせてるんだ!早く行かなきゃ!」
瞳は勢い良く立ち上がり、玄関までダッシュした。
「沙織ごめん!」
「さっき、翔太が出てったけど、用事は終わった?」
沙織の目つきが鬼のように鋭くなっていた。まだ、膨れっ面の方が可愛かったかもと瞳は思った。
「終わったよ。ありがとう」
「じゃあ、早く帰ろ」
鬼の形相から満面の笑みに変わる沙織の百面相に、瞳は驚いた。
外に出ると、サッカー部員が準備運動の前に、リフティングをしたり、スパイクの紐を結んだりしていた。
瞳は、無意識に翔太を探していた。
「翔太の用事は終わったでしょ!次は、私と帰る番だよ!」
「べ、別に翔太を見てた訳じゃないよ!今日は、サッカー部、部活あるんだなぁって見てただけ!」
瞳は慌てて弁解した。この通り、沙織は佐伯翔太の事が大嫌いなのだ。なぜ嫌いなのかは聞いた事がない。聞いた所で、鬼の様な形相で言い返されるのは、目に浮かんだからだ。
「あ!来月のハロー楽しみだね。応募者全員サービス、結構可愛いのばっかりだよね」
瞳は、沙織の機嫌を取るために、二人が読んでいる少女漫画雑誌の話をした。
「私、ひまわりちゃんのハンカチ入りポーチにするよ。沙織は何にする?」
「私は、マリンちゃんのミニトートにする!宿泊学習で使いたかったけど、間に合わないね。でも、宿泊学習楽しみだね」
「うん!みんなで泊まるの、去年のキャンプ以来だもんね。…でも、学校で寝るの怖いな」
瞳の首が、ガクリと下がった。瞳は、実際に幽霊を見た事ないが、幼少の頃からサスペンス番組で使われる曲に怯える程の怖がりだった。
「瞳は、幽霊とか苦手だもんね。大丈夫!私が隣で寝てあげるから!」
沙織は、ガッツポーズを取りながら、眩しい笑顔を見せた。その後、二人は大好きな少女漫画の話をした。話が盛り上がりかけた頃に、先に瞳の家に着いた。
「またね」
「バイバイ」
沙織と別れた後、瞳は先に算数の宿題を済ませ、少女漫画雑誌を読み返した。今月の星座占いを読み返していると、恋のおまじないの項目があった。
恋のおまじない
10円玉を2枚用意する。1枚に自分の名前、もう1枚に好きな相手の名前を書きます。神社に両想いの願いを込めて、10円玉を納めましょう。ただし、両想いの代償で、途切れた人生を送る事になります。
瞳は、ドキドキしながら、おまじないの項目を読んだ。
「へぇ~、試しにやってみようかな?でも、途切れた人生って何だろう?まぁ、占いだし、当たりはしないけど試しにやってみよ」
瞳は自室に行き、貯金箱から10円玉を2枚取り出し、翔太と自分の名前を書いた。そして、それを机の引き出しの中にしまった。
次の日の昼休み。教室は、昼休みに何して遊ぶかで賑わっていた。
「瞳!今日、体育館使える日だから、キックベースしよう!」
翔太が瞳に話しかけていると、沙織が給食を片付ける手を止め、高速移動で瞳の元に寄ってきた。
「瞳、音楽室でピアノ教えてあげるよ。瞳の好きな曲教えてあげるからさ!ね!」
瞳は2人に挟まれてしまい、困惑していた。
「翔太、ごめん。また今度遊ぼ」
「よし!じゃあ、片付け終わったら遊ぼ」
沙織は、再び給食の片付けに戻った。
「沙織、いつも俺らが話してると割り込んでくるよな。ま、いいけど。じゃ、また今度な」
瞳は愛想笑いをした。しかし、心の中は、舞踏会に行けなくなったシンデレラ程のショックを受けていた。翔太と一緒に居たいのに、沙織にいつも邪魔をされる。沙織は1番の親友だが、憎く感じる事があった。
放課後、部活動が終わった後、いつもの様に沙織と帰った。
家に着くと10円玉を引き出しから取り出し、ある場所へ向かった。
自宅から歩いて5分位で着く神社に来た。神社を覆う木々は細々としていて、木々の空間に隙間が出来ていた。全体的に弱々しく、神様がいる雰囲気はなさそうだ。
時は夕方。辺りは少し明るいが、濃くなっていく影が不気味さを増す。木造の社殿は、所々腐って傷んでいる。ズボンのポケットから、10円2枚取り出した。唾を飲み込み、賽銭箱にお金を投げ入れた。錆び過ぎた鈴を鳴らすと、ゴロンと汚い音が鳴った。この神社に似合いそうな音だった。手を合わせ、心の中で願った。
「翔太と両想いになれますように!」
そして、ダッシュで神社を出た。神様より化け物が住み着いていそうな神社だ。儀式は、2分も経たずに終わった。
一目散に走った為、すぐに自宅に着いた。
「はぁ、はぁ、はぁ。あー、めっちゃ怖かった。今思えば、朝やれば良かった」
瞳は、軽く後悔した。
おまじないを執り行った次の日。
瞳は、部活動に行く途中、教室に忘れ物をした事に気づいた。一緒にいた沙織を待たせ、教室に戻った。教室から誰かの声が聞こえ、瞳は出入り口の前で耳を澄ませた。
「瞳って、翔太と近くない?」
自分の名前が出た事に、ビクリと体が飛び上がった。
「近くないよ」
1人は、翔太の声。もう1人の声の主は、さっきの一言で、正体が分かった。
「絶対近いから!まだ言ってないの?」
これは、同じクラスの山崎美穂の声だ。美穂は、女子からあまりいい話を聞かない子だ。自分だけの特別グループを作り、女子の頂点に立っている。
「言ってないよ。言わなくても勝手に広がるじゃん」
「瞳、絶対知らないから。私達が付き合ってる事」
瞳の心臓、脳、全てが停止しかけた。体から力が抜け、そろそろと床に膝を着いた。
「知らないから翔太と近いんだよ。翔太の代わりに、私が言ってあげるよ」
「美穂が言うなら自分から言うよ」
「じゃあ、ちゃんと言ってね」
瞳の目に涙が浮かんだ。静かにその場を離れ、泣きながら階段を降りた。
「瞳、忘れ物…」
沙織は、瞳の異変にすぐに気づいた。
「瞳!どうしたの⁈」
沙織は、瞳の肩に触れ、俯いている瞳の顔を覗いた。
「沙織…」
瞳は、ポロポロと涙を溢していた。
「どうしたの⁈何で泣いてるの⁈」
瞳は、首を横に振った。
「ごめん。帰るね」
瞳は沙織を置いて、走り去って行った。
「瞳!」
瞳は、泣きながら走った。帰宅後、自室に
こもりしばらく慟哭した。
「バカだなぁ、私。翔太と仲良いから、いい感じかもって思ってたのに。翔太に彼女が居たなんて…美穂と付き合ってるなら、言ってくれればいいのに…付き合ってるなら、私と仲良くしないでよ!勘違いして恥ずかしい。はぁ。可愛い顔は得だなぁ。少し前に、隣のクラスの男子と付き合ってたくせに。もう、取っ替えちゃうなんて。美穂本当嫌い。何で美穂と付き合ったんだろ?やっぱ、男子は顔なんだね」
初めての失恋に、瞳の感情は、悔しさ、怒り、悲しみが複雑に混同していた。
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