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本編
国王様に事情聴取をする(ルイside)
しおりを挟むルイside
この目の前にいる美しい少年はテオドル様だ。
俺があの人を間違えるわけがない。
見た目が変わったとしても魂が一緒ならばわかる。
と、いってしまっても随分時間はかかってしまったが。
先ほどの実践での戦い方は似てるなんてもんじゃなかった。
テオドル様に昔教えて貰えるくらいの近い人間なのではないかとも一瞬考えたが、そもそもその少年が生まれた頃にはテオドル様はいなかっただろう。
テオドル様は当時左腕を怪我していた。
一応治ってはいるものの動かしすぎるとなんだかだるいんだとか…。
その影響で、左腕を庇うような戦いをする。
それだけで、と言われるかもしれないがされど、だ。
いままで彼を監視していてきっと俺の存在に気づいていただろう。何度かそういう動きが見えたからだ。
少しの違和感が重なり、それが確証へと変わる。もちろん願望も少なからずある。
目の前にテオドル様がいる、そのようなことなどあり得ないことだが、それをどうしても事実にしたい自分がいた。
その口から「そうだ」と言ってほしくて情けない顔を晒すはめになった。
こんな無理矢理な形は良くないとわかってはいる、が。
キスをしてしまったのは反射的だった。
「ほんとに、本当に会いたかった、あなたに!!もう、もう離れないでください、居なくならないで、お願いです。」
すがるようなそんな顔をしながら小さな少年を抱く。
小さい…
囲って囲って囲って大事にしよう。
それがいい、こんなの狙われたらすぐに攫われてしまう。
それと低脳な奴らに見せたらいけないからな
そう思いながら小さな身体を抱きしめた。
「うぐっ」
なんか変な声が聞こえたけど気にしないことにしておいた。
_______________
「はぁ、本当にお前は」
呆れた声を出す少年…ソフィアはもうすでに隠す気はないようだった。
「ずっと監視してくるとかなかなかのストレスだったんだからな、俺の努力を返してくれよ」
と、ぐちぐち言いながらメガネを外す。
その外した瞳の色は茶色であったが、すぐに鮮やかな宝石のような赤へと変わった。
「っ、、」
その赤は明らかにテオドル様の赤だ。
アストロールはこれを見たのか。
「魔法、ですね。」
「ああ、危険だからと今の父にこのメガネを貰ったが心許なくてな。」
「賢明な判断ですね、」
「見つけたお前が言うな、」
その赤を見た瞬間、さらにじわじわと実感する。
「全部話してください。」
「え~いまぁ~?」
「全部話してください。」
「はい、すみません。」
どっちが年上なんだか、と言いながら呆れるもしょうがないな、と優しい笑顔を向けてくる少年は全く見た目は違うのにしっかりとテオドル様だった。
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