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外伝~女帝の熊と悪役令嬢~
惚れた腫れたはよそでやれ、俺はそういうのじゃねえんだ。
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楽曲からいささか、ステップのリズムを狂わせる。
そう。
この型は、まず曲の調子から自分の物を狂わせる事から始める。
「大丈夫なのかしら? ステップと音楽があっていない気がするわ、わたくしでも」
アリアノーラの不思議そうな声に、俺は笑顔だけで答える。
ああ、大丈夫さ、アリアノーラ姫。
こっからが本番なんだ。
俺は息を一つ吸って吐きだして、くるりと二人で、正確にはアリアノーラを抱え込んだまま、ターンを決める。
そこからはもう、アリアノーラには理解のできないステップと体の動かし方だ。
ターン? ステップ? それともバスチアじゃお目にかかった事のない、リフト?
俺が次々それを決めて見せると、アリアノーラは目をぱちくりとさせて、そのくせその大きく銀色をした目玉をきらきらとさせる。
たぶんそりゃあ、アリアノーラが知らない踊りの中だからだ。
たとえ貴族令嬢や姫君は、夜会に出る年齢でなくとも、夜会のための踊り一式を、昼中に練習すると聞いた。
アリアノーラだって、それらを目にした事はあるだろう。
だから、俺のこれが、ちょいとばかり新しすぎるのも、大変な物なのも、うっすらわかるだろう。
俺のやってるこれは、ただ密着して優雅お気楽にステップを踏む、という普通の物じゃねえ。
あー前に、あの方がこれを練習している間に言ってたな。
は? なんであの方も練習してんのかって? お前が抱えてるんだろ?
うるせえよ、俺が抱えんのは、あの方が面倒くさくなってからなんだ。
それまではな、あの方も踊るんだ。
男を代えて、次々な。
男を代えているあたりで、若干の嫉妬みてぇなもんも覚える時はある。
だけどな、あの方は帝国のなかでも一番貴い女なんだ。
主賓だのなんだのと、踊る事は当たり前だと俺は、俺の顔が引きつった時に仲間から諭されたぜ。
なるほどな、確かにそうだなと思えばもう俺は、あの方の踊りの相手に対して、なんかを抱く事はなくなった。
ついでに言えばそれで、つまらぬのう、もう妬いたりせぬのか、なんて可愛らしい事をあの方は言ったりした。
うっかり抱きしめたくなった俺は、悪くねぇ、絶対に。
まあそんなのはさておいて、俺はアリアノーラを抱きかかえて、ステップだのターンだのリフトだの、をやって見せる。
時折、アリアノーラの柔らかい背中をそらせて、ぐいと近付いたりな。
それをすると、アリアノーラは自分も動いて踊っている、そんな気分になるらしい。
表情が、それを語るんだ。楽しいってな。
「あなたはすごいのね」
感心した調子、あたりめぇだ、地獄の練習舐めんな。
それのおかげで俺ぁ、足の指の骨を疲労骨折してしまった事がある。
あんときゃあえらい目に合った。
しばらく夜会に出られねぇと言った時の、あの方のぶすくれた表情は、一生忘れないだろう。
存外、かわいらしい、愛らしいところもあるんだ、あの方は。
ほかの奴らは溜息を吐くんだがな。
そんなに俺の女の趣味ってもんがわるいのか。
俺ぁ絶対に認めねぇぞ。
そんな事をちらりと思いながらも、俺はアリアノーラに笑いかける。
「そんだけ、踊ってきましたからね。お姫様相手にも、女帝様相手にも」
「まあ、そうなの。ではわたくしの相手としても、問題がないわ。どこの辺境の女帝と踊ってきたのかは知らないけれど、その箔があればあなたに文句を言う男はいないでしょう」
アリアノーラは、知識がいまいち不足気味らしい。
俺は帝国の人間だ。
そしてその帝国の人間が、女帝様というのはただ一人、自国の中で最も上の、あの方だとわからないらしい。
その辺の国じゃ常識だぞ。
なんでそんな事すら、アリアノーラは知らねぇんだ?
無知にさせておくにもほどがある。
普通、王女やお姫様ってもんは、政略結婚とかいう奴のために、どこの国に行ってもやっていけるだけの知識を与えられるんじゃねえのか?
あの方が昔々に、それのせいで帝王学を学ぶ時間が遅れた、と苦笑いをしていた。
その、赤い唇に浮かんだ苦笑いすら、俺は美しいと心底思っているんだが。
そんな俺の記憶とはさておき、アリアノーラは言う。
「あら、何か変な事を言ったかしら?」
「お姫様、あなたは自分の物知らずを人に言ってはいけませんよ」
俺はなんて事を言っているのやら。
ここでアリアノーラが物知らずならば、それだけ俺にとって有利な駒になりうると知っていて、俺は何故忠告なんぞをしているのやら。
自分で心の動きに呆れつつ、赤い頭を見ながらステップを踏めば、アリアノーラが言う。
「それ位、わたくしが愚かな方が、お姉様の頭の良さが際立つから、わたくしには物を教えないと家庭教師が言ったわ」
俺はその家庭教師の態度に、ろくでもない国王の下には、ろくでもない家庭教師が付くものだなあと感服した。
つくづく、俺の動くのに有利な国だ。
こんな簡単な案件に慣れちまったら、俺の腕が鈍る。
俺が得意なのは、あちこちの腹の探り合いで真っ黒黒助な国だ。
そう言う国に、馬鹿な帝国の人間のふりをするのは、仲間内からすれば大変らしいが、俺からすれば自分の技量を測れる絶好の機会であり、あの方への忠誠を示せるいいもんだ。
こんな事を酒の席で言ったとたんに、俺は全方位から沈められた。
さすがに俺でも、きつい蒸留酒を何杯も飲まされた挙句に首を絞められちまったら、抵抗が鈍る。
仲間内からすればただのじゃれあい。
俺からしてもな。
「わたくしは、お姉様のすばらしさを際立たせるための道具なんですって。馬鹿にしているわよね、でも仕方がないわ。生まれ持った物が違い過ぎるんですもの」
敵役、というのか何なのか、そう言う表情をして言い切るアリアノーラ。
「俺からしてみれば、アリアノーラ姫」
俺は彼女の腰を抱き寄せた姿勢で、大真面目に言っちまった。
「それだけわかっているあなたが、愚かであろうはずもない」
アリアノーラの目が極限まで見開かれ、そこで曲が終わった。
俺たちはしばし見つめあい、姿勢を戻した。
その時だ。
「すばらしい! まさかここまで帝国式の舞踏を心得ている方がいるとは!」
背後から声が聞こえてきた。
見物人が多数いるのは知ってたがな。
バルコニーという、人が近付くのが良く分かる場所で踊っていた代償だな。
声の方を見りゃあ、かなりの人間が俺たちを見ていた。
アリアノーラを車椅子に乗せて、俺は疚しい事の一つもない顔で一礼する。
「すばらしい! ぜひとも中央で踊っていただきたい! あなたの踊っていたそれは、噂に名高い帝国宮廷式、金鳶の型だろう? 昨年一度だけ帝国の舞踏会で見た事がある! あの時の女帝の相手役よりも、あなたのそれはすばらしい物だ」
男に褒められても、あまりうれしい気にもならない。
俺は言った男を観察した。
赤っぽさのある金髪に、甘ったるそうな金色の目をした男だ。
男としてはかなり軟弱の色合いが強そうな、そんな白っぽい肌に化粧を施し、付けぼくろを目元に飾った男。
えーと、噂から照合するに、ノーゼンクレス公って男だな。
バスチアの男は、ひょろっこくて骨を折っちまわないか心配になる奴らばかりだ。
俺が骨太に加えて、がたいがいいって言うのを無視してもな。
なんなんだ、このなよなよした感じは。
そのくせ腹の中身は真っ黒なんだろ。
実に騙し甲斐がありそうだ。
そんな事を思っている俺は、だいぶクズの思考をしているのかもしれねぇな。
ざっとそんな事を思った後に言う。
「俺のような男が、大広間の中央に行く名誉など。身に余ります。このような人気のないバルコニーで十分ですので」
やんわり断る。相手のプライドに合わせた、俺が下等だという調子で。
さっき大広間で会話した宮廷貴族たちは、この物言いに気分を良くしていたからな。
「そんな事はないでしょうに。そこなる王女の相手が務まるのなれば、我が国の至宝、可憐な一輪の百合、玲瓏たるクリスティアーナ姫の相手も務まるかと」
ちらりと、アリアノーラを見る視線の中に侮蔑や嘲笑が含まれている。
俺はとっさに、アリアノーラの顔をうかがった。
慣れて、いるのか。
何も変わらない、きつい表情のまま、アリアノーラは椅子の上で涼しげだ。
「その大変な名誉のある言葉を、申し訳ありませんがお断りしましょう。あの世界を変えてしまいそうな美貌の姫君と近付いて、心臓が破裂しない自信がありませんので」
言外に、クリスティアーナ姫への賛辞をにじませる。
そして、クリスティアーナ姫に好意を向けている姿勢を見せる。
嘘っぱちだがな。
だがしかし、俺の言葉を疑いもせずに、ノーゼンクレス公が言う。
「そうでしたか。……まさか、足の動かない二の姫の、最初で最後のダンスの相手が、帝国の方だったという事に、私は運命のようなものを感じますね」
あんたがそんな物感じたって、俺はそんな物感じてねぇ。
というかな。
俺とアリアノーラの間に、無意味に色恋の何かしらを挟み、それを世間様貴族様に、広めようとするあんたの意思はどこを目指しているんだかな?
俺はノーゼンクレス公の言葉に、馬鹿な男の表情で対応した。
そう。
この型は、まず曲の調子から自分の物を狂わせる事から始める。
「大丈夫なのかしら? ステップと音楽があっていない気がするわ、わたくしでも」
アリアノーラの不思議そうな声に、俺は笑顔だけで答える。
ああ、大丈夫さ、アリアノーラ姫。
こっからが本番なんだ。
俺は息を一つ吸って吐きだして、くるりと二人で、正確にはアリアノーラを抱え込んだまま、ターンを決める。
そこからはもう、アリアノーラには理解のできないステップと体の動かし方だ。
ターン? ステップ? それともバスチアじゃお目にかかった事のない、リフト?
俺が次々それを決めて見せると、アリアノーラは目をぱちくりとさせて、そのくせその大きく銀色をした目玉をきらきらとさせる。
たぶんそりゃあ、アリアノーラが知らない踊りの中だからだ。
たとえ貴族令嬢や姫君は、夜会に出る年齢でなくとも、夜会のための踊り一式を、昼中に練習すると聞いた。
アリアノーラだって、それらを目にした事はあるだろう。
だから、俺のこれが、ちょいとばかり新しすぎるのも、大変な物なのも、うっすらわかるだろう。
俺のやってるこれは、ただ密着して優雅お気楽にステップを踏む、という普通の物じゃねえ。
あー前に、あの方がこれを練習している間に言ってたな。
は? なんであの方も練習してんのかって? お前が抱えてるんだろ?
うるせえよ、俺が抱えんのは、あの方が面倒くさくなってからなんだ。
それまではな、あの方も踊るんだ。
男を代えて、次々な。
男を代えているあたりで、若干の嫉妬みてぇなもんも覚える時はある。
だけどな、あの方は帝国のなかでも一番貴い女なんだ。
主賓だのなんだのと、踊る事は当たり前だと俺は、俺の顔が引きつった時に仲間から諭されたぜ。
なるほどな、確かにそうだなと思えばもう俺は、あの方の踊りの相手に対して、なんかを抱く事はなくなった。
ついでに言えばそれで、つまらぬのう、もう妬いたりせぬのか、なんて可愛らしい事をあの方は言ったりした。
うっかり抱きしめたくなった俺は、悪くねぇ、絶対に。
まあそんなのはさておいて、俺はアリアノーラを抱きかかえて、ステップだのターンだのリフトだの、をやって見せる。
時折、アリアノーラの柔らかい背中をそらせて、ぐいと近付いたりな。
それをすると、アリアノーラは自分も動いて踊っている、そんな気分になるらしい。
表情が、それを語るんだ。楽しいってな。
「あなたはすごいのね」
感心した調子、あたりめぇだ、地獄の練習舐めんな。
それのおかげで俺ぁ、足の指の骨を疲労骨折してしまった事がある。
あんときゃあえらい目に合った。
しばらく夜会に出られねぇと言った時の、あの方のぶすくれた表情は、一生忘れないだろう。
存外、かわいらしい、愛らしいところもあるんだ、あの方は。
ほかの奴らは溜息を吐くんだがな。
そんなに俺の女の趣味ってもんがわるいのか。
俺ぁ絶対に認めねぇぞ。
そんな事をちらりと思いながらも、俺はアリアノーラに笑いかける。
「そんだけ、踊ってきましたからね。お姫様相手にも、女帝様相手にも」
「まあ、そうなの。ではわたくしの相手としても、問題がないわ。どこの辺境の女帝と踊ってきたのかは知らないけれど、その箔があればあなたに文句を言う男はいないでしょう」
アリアノーラは、知識がいまいち不足気味らしい。
俺は帝国の人間だ。
そしてその帝国の人間が、女帝様というのはただ一人、自国の中で最も上の、あの方だとわからないらしい。
その辺の国じゃ常識だぞ。
なんでそんな事すら、アリアノーラは知らねぇんだ?
無知にさせておくにもほどがある。
普通、王女やお姫様ってもんは、政略結婚とかいう奴のために、どこの国に行ってもやっていけるだけの知識を与えられるんじゃねえのか?
あの方が昔々に、それのせいで帝王学を学ぶ時間が遅れた、と苦笑いをしていた。
その、赤い唇に浮かんだ苦笑いすら、俺は美しいと心底思っているんだが。
そんな俺の記憶とはさておき、アリアノーラは言う。
「あら、何か変な事を言ったかしら?」
「お姫様、あなたは自分の物知らずを人に言ってはいけませんよ」
俺はなんて事を言っているのやら。
ここでアリアノーラが物知らずならば、それだけ俺にとって有利な駒になりうると知っていて、俺は何故忠告なんぞをしているのやら。
自分で心の動きに呆れつつ、赤い頭を見ながらステップを踏めば、アリアノーラが言う。
「それ位、わたくしが愚かな方が、お姉様の頭の良さが際立つから、わたくしには物を教えないと家庭教師が言ったわ」
俺はその家庭教師の態度に、ろくでもない国王の下には、ろくでもない家庭教師が付くものだなあと感服した。
つくづく、俺の動くのに有利な国だ。
こんな簡単な案件に慣れちまったら、俺の腕が鈍る。
俺が得意なのは、あちこちの腹の探り合いで真っ黒黒助な国だ。
そう言う国に、馬鹿な帝国の人間のふりをするのは、仲間内からすれば大変らしいが、俺からすれば自分の技量を測れる絶好の機会であり、あの方への忠誠を示せるいいもんだ。
こんな事を酒の席で言ったとたんに、俺は全方位から沈められた。
さすがに俺でも、きつい蒸留酒を何杯も飲まされた挙句に首を絞められちまったら、抵抗が鈍る。
仲間内からすればただのじゃれあい。
俺からしてもな。
「わたくしは、お姉様のすばらしさを際立たせるための道具なんですって。馬鹿にしているわよね、でも仕方がないわ。生まれ持った物が違い過ぎるんですもの」
敵役、というのか何なのか、そう言う表情をして言い切るアリアノーラ。
「俺からしてみれば、アリアノーラ姫」
俺は彼女の腰を抱き寄せた姿勢で、大真面目に言っちまった。
「それだけわかっているあなたが、愚かであろうはずもない」
アリアノーラの目が極限まで見開かれ、そこで曲が終わった。
俺たちはしばし見つめあい、姿勢を戻した。
その時だ。
「すばらしい! まさかここまで帝国式の舞踏を心得ている方がいるとは!」
背後から声が聞こえてきた。
見物人が多数いるのは知ってたがな。
バルコニーという、人が近付くのが良く分かる場所で踊っていた代償だな。
声の方を見りゃあ、かなりの人間が俺たちを見ていた。
アリアノーラを車椅子に乗せて、俺は疚しい事の一つもない顔で一礼する。
「すばらしい! ぜひとも中央で踊っていただきたい! あなたの踊っていたそれは、噂に名高い帝国宮廷式、金鳶の型だろう? 昨年一度だけ帝国の舞踏会で見た事がある! あの時の女帝の相手役よりも、あなたのそれはすばらしい物だ」
男に褒められても、あまりうれしい気にもならない。
俺は言った男を観察した。
赤っぽさのある金髪に、甘ったるそうな金色の目をした男だ。
男としてはかなり軟弱の色合いが強そうな、そんな白っぽい肌に化粧を施し、付けぼくろを目元に飾った男。
えーと、噂から照合するに、ノーゼンクレス公って男だな。
バスチアの男は、ひょろっこくて骨を折っちまわないか心配になる奴らばかりだ。
俺が骨太に加えて、がたいがいいって言うのを無視してもな。
なんなんだ、このなよなよした感じは。
そのくせ腹の中身は真っ黒なんだろ。
実に騙し甲斐がありそうだ。
そんな事を思っている俺は、だいぶクズの思考をしているのかもしれねぇな。
ざっとそんな事を思った後に言う。
「俺のような男が、大広間の中央に行く名誉など。身に余ります。このような人気のないバルコニーで十分ですので」
やんわり断る。相手のプライドに合わせた、俺が下等だという調子で。
さっき大広間で会話した宮廷貴族たちは、この物言いに気分を良くしていたからな。
「そんな事はないでしょうに。そこなる王女の相手が務まるのなれば、我が国の至宝、可憐な一輪の百合、玲瓏たるクリスティアーナ姫の相手も務まるかと」
ちらりと、アリアノーラを見る視線の中に侮蔑や嘲笑が含まれている。
俺はとっさに、アリアノーラの顔をうかがった。
慣れて、いるのか。
何も変わらない、きつい表情のまま、アリアノーラは椅子の上で涼しげだ。
「その大変な名誉のある言葉を、申し訳ありませんがお断りしましょう。あの世界を変えてしまいそうな美貌の姫君と近付いて、心臓が破裂しない自信がありませんので」
言外に、クリスティアーナ姫への賛辞をにじませる。
そして、クリスティアーナ姫に好意を向けている姿勢を見せる。
嘘っぱちだがな。
だがしかし、俺の言葉を疑いもせずに、ノーゼンクレス公が言う。
「そうでしたか。……まさか、足の動かない二の姫の、最初で最後のダンスの相手が、帝国の方だったという事に、私は運命のようなものを感じますね」
あんたがそんな物感じたって、俺はそんな物感じてねぇ。
というかな。
俺とアリアノーラの間に、無意味に色恋の何かしらを挟み、それを世間様貴族様に、広めようとするあんたの意思はどこを目指しているんだかな?
俺はノーゼンクレス公の言葉に、馬鹿な男の表情で対応した。
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