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その夜。伝子は電気を消した部屋の中央にすわり、手紙に『想い』を込めるため、精神を集中していた。伝子が手紙を両手に持って集中すると、手紙がほのかに発光し、光の粒子がキラキラ舞う。
『裕二さんに手紙を宛てた女の子ってどんな子なんだろ……あ、いけない、いけない。集中、集中……』
しかし、なかなか上手くいかない。すぐに手紙は光を失い、元の状態に戻ってしまう。どうしても雑念が入ってしまい、手紙の差出人の想いを感じ取り、込めることができない。
「なんで……どうして……」
何度も何度も繰り返す。しかし、やはり出来なかった。どういうわけか、鏡のように自分の想いが反射して返ってきてしまう。
「できない……どうして?」
精神集中により、疲れて汗が額からにじみ出た。それと同時に思わず涙がこぼれる。
そして、いつの間にか伝子は疲れて眠ってしまった。
「伝子ちゃーん、早く起きないと遅刻するわよー」
台所から呼ぶお母さんの声で伝子は目を覚ました。自分では覚えていなかったが、ちゃんとベッドに入って寝ている。と、そこでハッとして飛び起き、机の上に置いてある手紙を見つめた。やはり『想い』は込もっていなかった。
「どうしよう……」
そうつぶやきつつ机の上の目覚まし時計に目をやる。
「え……ウソ! もうこんな時間? 急がなきゃ!!」
伝子はとりあえず『今は悩んでいられない』と気持ちを切り換えると、手早く身支度を整え、手紙を鞄に押し込み、急いで家を出たのだった。
『裕二さんに手紙を宛てた女の子ってどんな子なんだろ……あ、いけない、いけない。集中、集中……』
しかし、なかなか上手くいかない。すぐに手紙は光を失い、元の状態に戻ってしまう。どうしても雑念が入ってしまい、手紙の差出人の想いを感じ取り、込めることができない。
「なんで……どうして……」
何度も何度も繰り返す。しかし、やはり出来なかった。どういうわけか、鏡のように自分の想いが反射して返ってきてしまう。
「できない……どうして?」
精神集中により、疲れて汗が額からにじみ出た。それと同時に思わず涙がこぼれる。
そして、いつの間にか伝子は疲れて眠ってしまった。
「伝子ちゃーん、早く起きないと遅刻するわよー」
台所から呼ぶお母さんの声で伝子は目を覚ました。自分では覚えていなかったが、ちゃんとベッドに入って寝ている。と、そこでハッとして飛び起き、机の上に置いてある手紙を見つめた。やはり『想い』は込もっていなかった。
「どうしよう……」
そうつぶやきつつ机の上の目覚まし時計に目をやる。
「え……ウソ! もうこんな時間? 急がなきゃ!!」
伝子はとりあえず『今は悩んでいられない』と気持ちを切り換えると、手早く身支度を整え、手紙を鞄に押し込み、急いで家を出たのだった。
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