11 / 15
4-2
しおりを挟む
『想い』を込めることが出来なかった手紙。しかし、渡さないわけにはいかない。たとえそれがどんな結果になろうとも。そうだよ。この手紙を書いた女の子には悪いけど、上手くいってほしくない。でも……そんなことを考えている自分がとてもイヤ。もともと『想い』を上手く伝えられない女の子達に勇気を持ってもらいたいと思って、始めたことなのに、今回はそう思うことが出来ない。どうして……?
答えは分かっていた。でも、これは私にしか出来ないコトだから。私情とは切り離してやらないといけない。うん、そうだ。やるんだ。やらなきゃ! でも……
「こ……でん……こ……伝子!」
伝子は真穂の声でハッとした。真穂は手にお弁当を持っていた。
「どうしたの? もうお昼だよ。ボケーっとしちゃって、まったくもう」
「あ……す、すいませんです」
伝子は今自分が考えていたことが見透かされたのではないかと恥ずかしくなってうつむいた。
「もう、しっかりしてよ。あ、そうだ。裕二には放課後体育館裏に来いって伝えといたから。よろしくね」
「え? ええーっ!?」
伝子は思わず立ち上がり、大声で叫ぶ。クラスに残っているみんながこちらを振り向くが、真穂が「あ、なんでもないから」とごまかす。
「どしたの? そういう伝達はいつも私がやってるじゃない。なに今更驚いてるの?」
「いや……その、だって、ほら」
「ま、とにかくよろしく頼むよ。ほらほら、お昼にしよ、お・ひ・る。もうおなかペコペコだよー」
真穂は伝子の前の席の机を借り、伝子の机とくっつけると、弁当を広げて食べ始めた。伝子は弁当を作る時間がなかったため、登校途中、コンビニで買ってきたコーンマヨネーズパンをもそもそと食べ始めたが、もう放課後のことで頭が一杯になっていた。一体どうすればいいのだろう? そうしてまた思考のループが始まるのだった。
そんな伝子の想いを知ってか知らずか、真穂は美味しそうに弁当をパクついていた。
「ほらー、伝子。そんなコーンをポロポロしない」
気づくと、机の上にコーンが何粒か落ちていた。
「あ……」
「ほーら、子供じゃないんだから」
真穂がポケットティッシュを取り出し、コーンを拾い集める。
「す……すみませんです」
そして、また普通に二人は食べ始めた。しかし、その後会話はほとんどなく、伝子にとっていつもは楽しいはずのお昼も砂を噛んでいるようなザラザラとした味気の無いものとなってしまった。
答えは分かっていた。でも、これは私にしか出来ないコトだから。私情とは切り離してやらないといけない。うん、そうだ。やるんだ。やらなきゃ! でも……
「こ……でん……こ……伝子!」
伝子は真穂の声でハッとした。真穂は手にお弁当を持っていた。
「どうしたの? もうお昼だよ。ボケーっとしちゃって、まったくもう」
「あ……す、すいませんです」
伝子は今自分が考えていたことが見透かされたのではないかと恥ずかしくなってうつむいた。
「もう、しっかりしてよ。あ、そうだ。裕二には放課後体育館裏に来いって伝えといたから。よろしくね」
「え? ええーっ!?」
伝子は思わず立ち上がり、大声で叫ぶ。クラスに残っているみんながこちらを振り向くが、真穂が「あ、なんでもないから」とごまかす。
「どしたの? そういう伝達はいつも私がやってるじゃない。なに今更驚いてるの?」
「いや……その、だって、ほら」
「ま、とにかくよろしく頼むよ。ほらほら、お昼にしよ、お・ひ・る。もうおなかペコペコだよー」
真穂は伝子の前の席の机を借り、伝子の机とくっつけると、弁当を広げて食べ始めた。伝子は弁当を作る時間がなかったため、登校途中、コンビニで買ってきたコーンマヨネーズパンをもそもそと食べ始めたが、もう放課後のことで頭が一杯になっていた。一体どうすればいいのだろう? そうしてまた思考のループが始まるのだった。
そんな伝子の想いを知ってか知らずか、真穂は美味しそうに弁当をパクついていた。
「ほらー、伝子。そんなコーンをポロポロしない」
気づくと、机の上にコーンが何粒か落ちていた。
「あ……」
「ほーら、子供じゃないんだから」
真穂がポケットティッシュを取り出し、コーンを拾い集める。
「す……すみませんです」
そして、また普通に二人は食べ始めた。しかし、その後会話はほとんどなく、伝子にとっていつもは楽しいはずのお昼も砂を噛んでいるようなザラザラとした味気の無いものとなってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる