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伝子の想いとは関係なく時間は過ぎ、あっという間に放課後になってしまった。伝子は重い足を引きずりながら体育館裏へと向かう。
「どうしよう……」
『恋文配達人』としてはもちろんこの恋も成就させてあげたい。でも自分の素直な気持ちはそれを望んでいない。こんな気持ちのままこの手紙を渡してしまったら一体どうなるのだろう……?
体育館裏ではすでに裕二が待っていた。建物の陰からその様子を伝子は見ている。なかなか勇気が出ない。おかしい。自分の手紙を渡すわけじゃないのにドキドキする。今までも渡す時は人の手紙とはいえ、なんかドキドキしていたのだが、それとは違う感じのドキドキが体を支配していた。
その時、なぜか後ろからバレーボールが飛んできて、伝子の頭にボンッと当たった。
「キャッ!」
伝子はそれに押されるような形で前の方にコケてしまった。
「いたたた……」
誰かが駆けてくるような足音がして、伝子が顔を上げると目の前に誰かの足があった。
「大丈夫? 日向野さん」
ちょっとクールだけど、やさしげな声が上から降ってきた。
「あ……はい」
「さ、つかまって」
と手を差し出してきた人物に気づき、伝子の顔はとたんに100℃のヤカンになる。
「み……水谷さんっ! なんでここに??」
「なんでって……」
おかしなことを言うなぁ、という顔で伝子を見る裕二。
「日向野さんがここに呼んだんだろ? 真穂の奴に頼んで」
『あ……そうだった』と伝子は思い出し、あわてて手の中の手紙を見る。そうだ、これをわたさなきゃならない。
「あ……あの、こ、これ!」
伝子は裕二の手を借りず、自力で立ち上がるとその勢いのまま裕二の胸元に手紙を押し付ける。
「そ、それじゃ!」
伝子は後ろを向くとハムスターのように一目散にその場から立ち去った。後ろで裕二が何かを叫んで呼び止めたような気もしたけど、もう、そんなことはどうでもよかった。なぜだか涙があふれる。伝子はそのままトイレに駆け込み、個室にこもってしばらく声を押し殺して泣いていた。
「どうしよう……」
『恋文配達人』としてはもちろんこの恋も成就させてあげたい。でも自分の素直な気持ちはそれを望んでいない。こんな気持ちのままこの手紙を渡してしまったら一体どうなるのだろう……?
体育館裏ではすでに裕二が待っていた。建物の陰からその様子を伝子は見ている。なかなか勇気が出ない。おかしい。自分の手紙を渡すわけじゃないのにドキドキする。今までも渡す時は人の手紙とはいえ、なんかドキドキしていたのだが、それとは違う感じのドキドキが体を支配していた。
その時、なぜか後ろからバレーボールが飛んできて、伝子の頭にボンッと当たった。
「キャッ!」
伝子はそれに押されるような形で前の方にコケてしまった。
「いたたた……」
誰かが駆けてくるような足音がして、伝子が顔を上げると目の前に誰かの足があった。
「大丈夫? 日向野さん」
ちょっとクールだけど、やさしげな声が上から降ってきた。
「あ……はい」
「さ、つかまって」
と手を差し出してきた人物に気づき、伝子の顔はとたんに100℃のヤカンになる。
「み……水谷さんっ! なんでここに??」
「なんでって……」
おかしなことを言うなぁ、という顔で伝子を見る裕二。
「日向野さんがここに呼んだんだろ? 真穂の奴に頼んで」
『あ……そうだった』と伝子は思い出し、あわてて手の中の手紙を見る。そうだ、これをわたさなきゃならない。
「あ……あの、こ、これ!」
伝子は裕二の手を借りず、自力で立ち上がるとその勢いのまま裕二の胸元に手紙を押し付ける。
「そ、それじゃ!」
伝子は後ろを向くとハムスターのように一目散にその場から立ち去った。後ろで裕二が何かを叫んで呼び止めたような気もしたけど、もう、そんなことはどうでもよかった。なぜだか涙があふれる。伝子はそのままトイレに駆け込み、個室にこもってしばらく声を押し殺して泣いていた。
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