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実家に向かう
ここは天国か
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「どんな望みでも叶う」
「へぇ……、興味がそそられない。神様に願わないといけないほどの願事なんて僕は持ってないし、家族と一緒にいられたら十分だよ」
「まあ、お前みたいなやつがそう言う考えでいてくれて助かる。実力が離れていると一方的な戦いになるからな。今回は俺が一方的な勝利を収めたかったがディアにその気がないから難しい。やろうと思えば出来るのに……」
「ディアさんに襲われたら僕は逃げに徹するよ。えっと何でも叶うって人の方、神獣の方?」
「どっちか一つだ」
「えぇ……。じゃあ、僕とプルスが同じお願いを言えば必ず叶うのか」
「そうなるな。だが、神獣と人の願いが重なるなんて滅多に起こらない。最後に自分の欲求を叶えようとする。人間はそんなもんだ」
「へぇ……。まあ、僕には縁がなさそうな話だけど、頭の片隅には入れておくよ」
ペガサスさんは酔っぱらっているのか、頭からずるずる落ち、プルスの横にぼてっと倒れる。
「はははっ~。銀馬め、ざまあみろ~!」
プルスはペガサスさんの頭を踏みつけ、意気揚々と胸を張る。
「あぁ~、ペガ~、こんな所にいた。もぅ、どこ行ったか心配したんだぞ~」
酔っぱらいまくったディアさんが僕の背後に立ち、抱き着いてくる。そのままペガサスさんに手を伸ばすも、全然届いていない。
大きな胸が背中に当たり、燃えるように熱い。ディアさんの口から葡萄酒の良い香りがして髪からも花の匂いがする。もう、下半身を立たせるなと言う方が無理だ。
「ディ、ディアさんあまりくっ付かないでください、困ります……」
「えぇ~、良いじゃないか~。ニクス君は冷たいな~。もっと熱々だと思ってたのに~」
ディアさんはお酒を飲むと気分がよくなるのか、氷のような表情から熱くて溶けてしまったアイスクリームのようになっている。
「じゃ、じゃあ、もっと抱き着いてもらってもいいですよ~」
「むむぅ……、ニクス、なんか卑猥……」
ルパは目を細め、僕を罵る。
「あぁ~、ニクス君の抱き着き具合、丁度いい~」
ディアさんは力の制限が出来ておらず、僕の体がべきべきと嫌な音を立てながら軋む。きっと数本の骨にひびが入ったのだろう、体が痛くて仕方がない。
「ぷ、プルス、炎を……って!」
「はぐはぐはぐ……」
「プルス~!」
プルスはペガサスさんに頭から噛みつかれ、死んでいた。僕がこのまま死んでしまったら生き返れない。五秒耐えないと。僕が気をしっかり持ち、五秒耐えるとプルスが復活し、僕の体を燃やした。
「あ、危なかった……。もう、プルス、酔ってるペガサスさんにも負けるってどういうこと?」
「いやはや、すみません。あそこまで攻められるとは思っていませんでした」
プルスは翼を突き、手入れをしながら呟く。
僕はペガサスさんをディアさんに渡したことで脅威は去ったが、ディアさんに抱き着かれているペガサスさんは今にも潰れてしまいそうだ。体が痙攣し、死にかけている。助けてあげるためにディアさんの横腹を擽るとペガサスさんは彼女の手から離れる。
その瞬間、僕の顔にディアさん渾身の拳が撃ち込まれる。
僕は花火のように高らかに上がり、庭の草木に激突。即死は免れたが、顔面が崩壊していないか心配になるほどの激痛が走った。プルスに顔を燃やしてもらい、気を確かに持つ。
「でぃ、ディアさんはお酒を飲むと狂戦士になってしまうのか……」
僕はディアさんがお酒を飲んでいる場面なんて初めて見たものだから、ここまで危険だとはしらなかった。もう、飲ませたらいけない。そう思っていたら、リリルが葡萄酒の入った瓶を持ち、ディアさんに渡す。
「ディア先輩、一緒に飲み比べしましょうよ~」
「おぉ~、いいな。やろうやろう~。私は負けないぞ~」
「私だって負けませんよ~」
リリルとディアさんは葡萄酒をがぶがぶと飲み出した。あんなに飲んで大丈夫なのかと心配になる。もう、大丈夫なわけないのに、なぜか酔っている二人が色っぽくて見入ってしまった。
無意識に視線が大きな胸に行ってしまう。男の性……。そう決めつけてしまうのが一番楽だろう。
汗が谷間に流れていく様子まで見え、あの下はどうなっているのかと想像が止まらない。僕が鼻の下を伸ばしていたら、目の前にルパがやって来て、顔を踏んでいいかと聞いてきた。良いと伝えると、顔を踏み潰してきた。
「ニクス……。何やってるの? 大きなおっぱいを見てウハウハして気持ち悪い。すごく不愉快。早く止めないと危ないでしょ。わかってる?」
「は、はい……。わかってます……」
僕はルパのお怒りを受け、ディアさんとリリルの二人を止めに向かった。
「二人共、もう、その辺にしておきましょう。それ以上飲んだら明日に支障が出ます」
「ニクス先輩~。好き~!」
リリルは僕に抱き着いてきた。顔面に巨大な脂肪が当たり、包まれる。もう、酔っぱらい過ぎだ。
「うぉ~、ニクス君は私が貰う!」
リリルだけにとどまらず、ディアさんも僕に抱き着いてきた。同じように大きな脂肪が僕の顔に押し付けられる。
「……ニクスさん、自分から押し付けに行ってません? なぜ、ニクスさんの方が身長が高いのに、胸が顔に来るんですか?」
ミアはぼそりと呟いた。その声はとても低く、完全に怒っている。
「そ、そんな訳ないじゃないか。僕はいたって自然に二人を止めようとしたら事故でこうなってしまっただけで……」
僕は鼻の下を伸ばしながら横眼でミアを見た。
「ふぅ~ん」
ミアは目を細め、信じてないと言った表情を浮かべる。
「そんな顔しないでよ……。これは事故なんだ」
僕は二名の乳に顔を押しつぶされ、ここが天国かと錯覚を起こす。だが、視界の先に映る第三王子の鋭い眼光とルパの憤怒の表情、ミアの冷ややかな瞳が胸を抉った。
僕はディアさんとリリルの二人を燃やし、アルコールを飛ばした。
「…………あれ、私はいったい。ひゃっ! ニクスさん!」
「むむむ……。私はなぜニクス君を乳で挟んでいるのだ?」
「お、お二人共、酔っぱらい過ぎていたので、少し燃やしました」
「………………」
「へぇ……、興味がそそられない。神様に願わないといけないほどの願事なんて僕は持ってないし、家族と一緒にいられたら十分だよ」
「まあ、お前みたいなやつがそう言う考えでいてくれて助かる。実力が離れていると一方的な戦いになるからな。今回は俺が一方的な勝利を収めたかったがディアにその気がないから難しい。やろうと思えば出来るのに……」
「ディアさんに襲われたら僕は逃げに徹するよ。えっと何でも叶うって人の方、神獣の方?」
「どっちか一つだ」
「えぇ……。じゃあ、僕とプルスが同じお願いを言えば必ず叶うのか」
「そうなるな。だが、神獣と人の願いが重なるなんて滅多に起こらない。最後に自分の欲求を叶えようとする。人間はそんなもんだ」
「へぇ……。まあ、僕には縁がなさそうな話だけど、頭の片隅には入れておくよ」
ペガサスさんは酔っぱらっているのか、頭からずるずる落ち、プルスの横にぼてっと倒れる。
「はははっ~。銀馬め、ざまあみろ~!」
プルスはペガサスさんの頭を踏みつけ、意気揚々と胸を張る。
「あぁ~、ペガ~、こんな所にいた。もぅ、どこ行ったか心配したんだぞ~」
酔っぱらいまくったディアさんが僕の背後に立ち、抱き着いてくる。そのままペガサスさんに手を伸ばすも、全然届いていない。
大きな胸が背中に当たり、燃えるように熱い。ディアさんの口から葡萄酒の良い香りがして髪からも花の匂いがする。もう、下半身を立たせるなと言う方が無理だ。
「ディ、ディアさんあまりくっ付かないでください、困ります……」
「えぇ~、良いじゃないか~。ニクス君は冷たいな~。もっと熱々だと思ってたのに~」
ディアさんはお酒を飲むと気分がよくなるのか、氷のような表情から熱くて溶けてしまったアイスクリームのようになっている。
「じゃ、じゃあ、もっと抱き着いてもらってもいいですよ~」
「むむぅ……、ニクス、なんか卑猥……」
ルパは目を細め、僕を罵る。
「あぁ~、ニクス君の抱き着き具合、丁度いい~」
ディアさんは力の制限が出来ておらず、僕の体がべきべきと嫌な音を立てながら軋む。きっと数本の骨にひびが入ったのだろう、体が痛くて仕方がない。
「ぷ、プルス、炎を……って!」
「はぐはぐはぐ……」
「プルス~!」
プルスはペガサスさんに頭から噛みつかれ、死んでいた。僕がこのまま死んでしまったら生き返れない。五秒耐えないと。僕が気をしっかり持ち、五秒耐えるとプルスが復活し、僕の体を燃やした。
「あ、危なかった……。もう、プルス、酔ってるペガサスさんにも負けるってどういうこと?」
「いやはや、すみません。あそこまで攻められるとは思っていませんでした」
プルスは翼を突き、手入れをしながら呟く。
僕はペガサスさんをディアさんに渡したことで脅威は去ったが、ディアさんに抱き着かれているペガサスさんは今にも潰れてしまいそうだ。体が痙攣し、死にかけている。助けてあげるためにディアさんの横腹を擽るとペガサスさんは彼女の手から離れる。
その瞬間、僕の顔にディアさん渾身の拳が撃ち込まれる。
僕は花火のように高らかに上がり、庭の草木に激突。即死は免れたが、顔面が崩壊していないか心配になるほどの激痛が走った。プルスに顔を燃やしてもらい、気を確かに持つ。
「でぃ、ディアさんはお酒を飲むと狂戦士になってしまうのか……」
僕はディアさんがお酒を飲んでいる場面なんて初めて見たものだから、ここまで危険だとはしらなかった。もう、飲ませたらいけない。そう思っていたら、リリルが葡萄酒の入った瓶を持ち、ディアさんに渡す。
「ディア先輩、一緒に飲み比べしましょうよ~」
「おぉ~、いいな。やろうやろう~。私は負けないぞ~」
「私だって負けませんよ~」
リリルとディアさんは葡萄酒をがぶがぶと飲み出した。あんなに飲んで大丈夫なのかと心配になる。もう、大丈夫なわけないのに、なぜか酔っている二人が色っぽくて見入ってしまった。
無意識に視線が大きな胸に行ってしまう。男の性……。そう決めつけてしまうのが一番楽だろう。
汗が谷間に流れていく様子まで見え、あの下はどうなっているのかと想像が止まらない。僕が鼻の下を伸ばしていたら、目の前にルパがやって来て、顔を踏んでいいかと聞いてきた。良いと伝えると、顔を踏み潰してきた。
「ニクス……。何やってるの? 大きなおっぱいを見てウハウハして気持ち悪い。すごく不愉快。早く止めないと危ないでしょ。わかってる?」
「は、はい……。わかってます……」
僕はルパのお怒りを受け、ディアさんとリリルの二人を止めに向かった。
「二人共、もう、その辺にしておきましょう。それ以上飲んだら明日に支障が出ます」
「ニクス先輩~。好き~!」
リリルは僕に抱き着いてきた。顔面に巨大な脂肪が当たり、包まれる。もう、酔っぱらい過ぎだ。
「うぉ~、ニクス君は私が貰う!」
リリルだけにとどまらず、ディアさんも僕に抱き着いてきた。同じように大きな脂肪が僕の顔に押し付けられる。
「……ニクスさん、自分から押し付けに行ってません? なぜ、ニクスさんの方が身長が高いのに、胸が顔に来るんですか?」
ミアはぼそりと呟いた。その声はとても低く、完全に怒っている。
「そ、そんな訳ないじゃないか。僕はいたって自然に二人を止めようとしたら事故でこうなってしまっただけで……」
僕は鼻の下を伸ばしながら横眼でミアを見た。
「ふぅ~ん」
ミアは目を細め、信じてないと言った表情を浮かべる。
「そんな顔しないでよ……。これは事故なんだ」
僕は二名の乳に顔を押しつぶされ、ここが天国かと錯覚を起こす。だが、視界の先に映る第三王子の鋭い眼光とルパの憤怒の表情、ミアの冷ややかな瞳が胸を抉った。
僕はディアさんとリリルの二人を燃やし、アルコールを飛ばした。
「…………あれ、私はいったい。ひゃっ! ニクスさん!」
「むむむ……。私はなぜニクス君を乳で挟んでいるのだ?」
「お、お二人共、酔っぱらい過ぎていたので、少し燃やしました」
「………………」
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