夢十夜

起床

　目が醒めた。

　自分の部屋を出て歩く。階段の前に弟の部屋があるが、そこから階段の段々に弟が脱ぎ散らかした服が落ちている。

　だらしない奴だと思いながら踏みつけながら一階に降りる。

　リビングでは父がいてゴロゴロしている。

　普段家にいないことが多いので珍しいことだと思いながら

　「新聞はもう取り込んだ？」と聞く。

　「入れた」

　いつものことながらぶっきらぼうな答え。

　新聞を探してみるが、今朝の新聞は見当たらない。父が思い違いをしていたのかもしれない。まあいいや、と後から郵便受けを見てみることにする。

　キッチンでは母が朝食の支度をしている。

　「今日は○○工場に応援に行くらしいよ」

　そういうことか、と思う。

　父は家族より先に朝食を済ませて出勤して行った。会社から迎えの車が来ていたらしく、それに乗り込んでいく。

　いったん自室に戻ってベッドに横になる。


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　本当に目が醒めた。母は25年前に逝った。実家は22年前に出た。父は6年前に仕事をやめた。そんな今でもこんな夢を見ている。