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2*とりあえず、記憶を辿って見ましょう
しおりを挟む真剣に、目を見て聞かれて自分の記憶を辿ってみる
*****
私、梅垣 雛(うめがき ひな)はごく普通の大学生。
両親は8歳の頃に離婚して両方が親権を放棄したため祖父の梅垣 宗介(うめがき そうすけ)に引き取られることになった。
順風満帆!とは行かないもののそれなりに楽しく大学生活を送っている
胸下まである黒髪をお団子にして、ニットとジーパンを着て上着を羽織る
姿見で後ろもチェックして一回鏡に向かってニコッとしてから出かける
「行ってきます、お爺ちゃん」
「おぅ、気をつけて行ってきなさい」
目を細めて挨拶をして玄関をでると・・・
「「「行ってらっしゃいませ、お嬢!!!」」」
「あぁ、行ってくる。」
私の家は 梅垣組組長 梅垣 宗介率いる所謂、極道一家だ。
その日もなんら特別なこともなく駅まで歩いて居た。
送迎をしたがるけど明らかにやばい人が乗ってる真っ黒の車だから目立つしヒソヒソ言われるのが嫌でやめてもらった。
その代わりに若頭の悠二と歩いて駅まで行く
「お嬢、今日の夕飯は何がいいですか?」
朝からきらきらした笑顔で眩しい。
「あぁ~今日は夕飯要らないや。」
「・・・え?なにか、あるんですか?」
「うん、今日は大学のサークルのみんなで飲みに行くことになってんの。まぁ、終電では帰るから。」
「ダメですよっ!そんな、狼だらけのところに行ったら!!」
「狼って!」
笑える。今時、狼って
「お嬢、男の事何にもわかってないんだから・・・お嬢くらいの男なんてね、ヤル事しか考えて無いんですよ!?無理矢理されますよ!?あいつらは猿ですよ!?」
朝っぱらから何言い出すんだこいつは・・・呆れた目で見てしまうのは仕方ないと思う。
「お嬢、行かないでまっすぐ帰ってきてくださいよ」
捨てられた子犬みたいにシュン・・として言われると弱い・・・。
か、かわいいっ!でも、でもっ!!
「いや、大丈夫だから。あたしそんなにお酒弱くないしそれに喧嘩も弱くないし。それに・・・」
「それに?」
「それにっ!!そろそろ私も彼氏欲しいから出会いを求めて行かないとッ!!」
(そう、わたしは彼氏が欲しいの。堅気の普通の人と恋愛がしたいのっ!)
「・・・。お嬢、それ、本気で言ってます?」
ゆらりと悠二の体が揺れる
(・・・やばっ!)
咄嗟に距離を取ろうと踏み出そうとするが離れる前に腕を取られ反動で悠二の胸の中に閉じ込められる形になる
「まだお嬢には恋愛なんて早すぎます。何より…俺が嫌です。」
ギュッと抱きつかれてドキッと胸がなる
「『俺が』って・・・どゆ・・・」
(まさか‥‥?)
「俺はお嬢の保護者代わり兼、護衛ですからね。並大抵の男じゃダメですよ!それに、まだ俺はお嬢離れ出来てないです」
パッと明るく手を離されてニコニコと言われると心底ため息がでる
「はぁ~~そうだな、お前はそういう奴だよ。って!保護者って!お前と私、6つしか違わねぇだろ!せめて兄ちゃんでしょう!?」
「そうですね!そしたら!お兄ちゃんでっ!!なので今日は早く帰ってきて下さいね!お兄ちゃんのお願いです!」
きらっきらの笑顔で言われて思わずジト目になってしまう
「いや、友達との約束だから。今日は遅くなる。・・・まぁ、なるべく早く帰るから。」
少し照れながら言うと残念そうにしながらもやっぱり笑顔で返事が返ってくる
その時。
遠くで呼ばれた気がして振り向いた
「っ!!お嬢!!!??」
悠二に呼ばれて振り返ると手を伸ばして来たから悠二の手を取った
そのまま真っ白な中に落ちて行った
*****
「とまぁ、こんな感じでしか覚えてない。あれから何があったんだ?」
雛は話し終えて悠二をみると何やら不貞腐れている
「・・・どうした。」
「別に。」
「なんだよ。」
「なんでもないです。」
(っあ”ぁぁ!!!なんだこの不毛なやりとりはっ!!)
「何かあるからそんな顔なんだろ。言えよ。気持ち悪い」
「・・・飲み会、行こうとしてたのを思い出したらムッとしただけです。」
ムゥっと下唇を出してそっぽ向くのも可愛く見えてしまう
「だから、なるべく早く帰るって言ったじゃん!」
「それでも嫌だったものは嫌だったんです!」
(お・ま・え・は!!!私の彼氏か!!??いや、彼女か!?この男女逆転したようなやりとりはなんだ!!!)
白目になりそうなのを必死に抑えて悠二を睨みつける
「っ!冗談です!!はは、すんません。」
怒ったことに気付いたのか慌てて中腰になり頭を下げて謝ってきた。
「もういい。くだらないことばっか言うなよ。・・・で、此処は何処なの?立派なベットで寝てるし服もなんか着替えてるし・・・はっ!!」
胸を隠すように身を守り悠二を見る
「俺がっ!!着替えさせたんじゃないですよ!?ここの、ジジョって人がやってくれたんです!!」
大きく手を振って身の潔白を晴らすように大きな声で言うと
「雛様。悠二様の言うことは確かでございます。」
音もなく、むしろ気配もせずに部屋のドアの前に老女が立っている
「わっ!びっくりした・・・」
「あら、申し訳ございません。驚かせるつもりはなかったのですが・・・」
申し訳なさそうに眉を下げ綺麗にお辞儀する
「あ、いや、大丈夫です。頭を上げて下さい!!お世話になりまして・・・すみません!」
慌ててベッドから降りて侍女の近くに行く
「・・・それで、わたしはまだなんだか状況に追い付けてなくて、どう言う状況なのか教えてもらってもいいですか?」
「それは、私からは口にできませんので・・・殿下に雛様が目覚められたと言うことを伝えてまいります。暫しこちらでお待ちください。」
そう侍女が言うなり踵を返して部屋を出て行ってしまう
(でんか!?でんかって、殿下!?王子様ってこと!?)
あまりの展開について行けずにただただ立ち尽くす雛だった
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