若頭が異世界でお嬢を溺愛するお話

なーさん

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3*王子様と会うことになりました

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大人しくその部屋で待っているとドアがノックされた

「・・・ハイ。」


カチャ

「失礼します。」

背の高い濃い紺色の短髪と薄い焦げ茶色の瞳が印象的な綺麗な男の人と、シルバーのようなグレーのような肩にかかるくらいに切りそろえられていて、薄い青の瞳が印象的な男の人二人が一礼して入ってきた。

「雛様、悠二様、お迎えにあがりました。私は、メルデア王国第一騎士団団長をしておりますブライアン・ロバーツと申します。そしてこっちのが副団長のノア・バンクスです。」

一度、悠二を見ると「大丈夫です」と言いながらニコッと笑ったのでそれを見て頷いて
入ってきた男達に視線を戻す。

「私は、梅垣 雛です。こっちのは、大磯 悠二です。よろしくお願いします。」

名前を呼ばれてたので知ってはいるんだろうけど『一応』、と自己紹介してペコっと頭を下げる

「では、殿下が待っておいでですので行きましょうか。」
ブライアンがそう言って手を差し出す

(この手は・・取ったほうがいいのか?)
迷った挙句に差し出されてるし、とオズオズと手を重ねようとした時

「ブライアンさん、気軽にお嬢に触れるのはやめてくれませんかね。」

悠二が怒っている。いつもはヘラヘラしてるくせにこれはガチ怒り寸前だ。
空気がピシッと割れたように一気に冷たくなった気がしたがブライアンは気にしてないように手を引いて悠二に頭を下げた

「申し訳ございません、悠二様。以後気をつけます。」

それを見て雛は内心オロオロしたが表面には出さないようにした。
悠二を睨みつけたら口をへの字にしてプイッとそっぽ向かれてしまった。

(プイってなんだ、プイって。可愛いかよ。そんなに怒ることでもないでしょうが!あいつの沸点どこなの?イマイチ分からないな。)


「団長、急がないと殿下がお待ちです。」

ノアがブライアンに言うと無表情で扉をあけて待っていた

「悪い。では、行きましょうか。」
そう言ってブライアンは前を歩きそれに私たちも後ろについて行く。


暫く行くと大きな扉の前に着いた

(ここに王子様が・・・?)

コンコン

「雛様と悠二様をお連れしました。」

「入れ」

中から厳格そうな声が聞こえて少し背筋が伸びる


カチャ

「失礼します」

先ほど来た時と同じようにブライアン達は一礼して部屋に入るから見よう見まねで挨拶をして入る




「・・・来たか。」

そこには、とても綺麗な金髪をした目がエメラルドグリーンの美男子が立っていた

(…綺麗)
「…綺麗」

声に出てた
「あっ」と口を抑える
悠二はなんとも言えない顔でこちらを擬視しているが無視することにする


「はは。ありがとう。」
きらきらスマイルでとても目が眩しい。
いつの間に近づいていたのか近くに来て手を取られ甲に口付けられる

「ひゃっ」
そんなことされたことないからどんな反応をしていいのかわからず固まると後ろから思いっきり怒鳴り声がする

「お嬢に何しやがるっ!!!」

悠二が王子の肩に手を掛け引き離すと途端に周りにいたものが動き出す

(っ!やばい!)
「ちょ、悠二!」

王子に手を出しそうな勢いに周りにいたブライアン達が悠二を押さえつけていた

「殿下、お怪我は?」

「大丈夫だ。」

「うっ!ぐっ・・・」

ノアが悠二を床に押し付けている

「悠二を離してください!悠二!っ!」

悠二に近寄ろうとするがブライアンに制止されてしまって動けなくなる

「雛様、こちらとしても手荒な真似はしたくありません。暫く、悠二様は頭を冷やしていただいてから来てもらってもいいでしょうか?」

雛の眉間にシワができる。これは‥‥暗に『部屋から悠二を出せ』と言われている。もしくは牢屋とかに入れられてしまうのでは・・・?
そんな予感に素直に頷けない

「‥‥もう良い。悠二殿も雛殿を大切に思っての行動だと思う。次は、気をつけるはずだ。でしょう?悠二殿?」

王子の言葉に一瞬光が見えた気がしたがすぐに思い直す

「‥‥いや、悠二は外に出てなさい。」

「!」


雛の言葉に一同が驚き一瞬目が見開く



「なんでですか!!俺はお嬢の側にいます!」

「うるせぇ。外にいろって言ってんだ。頭を冷やせ。扉の前で待ってろ。」

「っ!!‥‥はい、畏まりました」

雛の怒声に静かに頷き扉から悠二が出て行く

先ほどとは打って変わって引き締まった顔つきで王子を見て頭を下げる

「先程は私の護衛が早とちりしてしまい申し訳ありませんでした。よく言って聞かせますので、今日のところは勘弁して下さい。この通りです。」

静まり返る部屋の中王子が口を開く

「‥‥いや、私も女性に対して軽率だった。申し訳なかった。だから気にしないでくれ」

「ありがとうございます。」

とても綺麗な笑顔で返す

「では、今の状況について話しておこうか。そこに座ってくれ」

「はい。失礼します。」

一人がけのソファーに王子が、ブライアン達は壁に背を向けて姿勢良く立っている。
王子の斜め前に置かれたソファーに腰を下ろし王子を見る

「まず、我が王国、メルデア王国に来てくれたことを感謝する。私はこの王国の第一王子をしているマット・ハーデン・メルデアだ。」

「え?あ、はい。私は梅垣 雛‥‥梅垣が家名で、雛が名前です。」

(聞いたこともない国の名前だな‥‥‥。)

「雛殿。いろいろとわからず不安でしょう。でも、これからは私どもも雛殿達の身の安全とサポートして行くから安心してくれ。まずは、君たちについてなんだが。この世界には1000年以上前からの言い伝えがある。そして、600年ほど前からわかって来たことなんだが、この世界には別の異世界からの者が度々迷い込むらしい。その者のことを『神使(しんし)』と呼ばれている。 それは、この世界にはない知識を広めてとても国が繁栄するとされるから『神の使い』として讃えられている。そして、君と悠二殿は『あの場所』にいきなり現れた。見たこともない服装、見たこともない道具を持ち青ざめた顔をして倒れていたんだ。わが国、建国340年のこの歳月の中、この国には神使が訪れることはなかった。だから、度々無礼な真似をしてしまった。申し訳なかった。」

そう言って頭を下げる王子様。
って言われても、イマイチピンと来ずぽけーっとしてしまう

「あの、迷い込んだのはわかりました。私たちが神使?と言われる者なのも‥‥ただ、私たちには国を繁栄させるような知識や力なんかないと思いますよ?それに、私は来た時のことをよく覚えてなくて、『あの場所』もわからないんです。」

心底不思議そうに首をかしげる。
この国に来た時のことがまるでわからない。悠二は覚えているのだろうか‥‥‥

「雛殿は謙虚だな。此処では君たちの普通が私たちには普通ではないんだ。その『普通』を教えてくれるだけで国が繁栄するんだ。だから、君たちは普通に過ごしてくれてれば良い。
不便があったり雛殿の国との違いを話してくれるだけで良いんだ。だからこそ、君達は国の最重要人物。つまり、保護するべき対象なんだ。王族に匹敵するくらいの権力があると言ってもいいくらいだ。」

「王族!?いやいや、そんな滅相も無い!私達はただの平民です!」

「君たちの世界ではそうだったのかもな。しかし、悠二殿のあの態度‥‥普通の一般人への忠誠心では無いように感じるが‥‥?雛殿が目を覚まさなかった時、片時も離れようとしなかったし心から心配しているように見えた。」

「あー‥‥悠二は、祖父の部下なんです。そして私の護衛でもあるのであの態度なだけでそれ以上でも以下でもありません。」

自分で言って少し悲しくなるが事実なんだから仕方ない。

「護衛?なぜ一般人が護衛なんか必要になる?」

「うっ!そ、れは、祖父が‥‥」

(ヤクザとか言っていいのか!?いや、だめだろう!どこぞの盗賊とか海賊とかマフィアとかに思われても困るし・・ここは、濁しておくのが一番じゃ無いか!?)

「お爺様が?」

「し、心配性だからです!!」

目が泳いでしどろもどろになる
雛の言葉に一同が力が抜ける

「はは。面白いことを言うな雛殿は。そんなことはないだろう。見た所、所作も綺麗だし身なりも気を使われている。
良いところのお嬢様だったのだろう?」

「あ~‥‥確かに?祖父は厳しくて一通りの教育は受けているはずです。もちろん、護身術も人並みには出来ます。それでも、心配なのか悠二を付けているんです。あ、ただ!一通りの教育といっても、こちらとは考え方も違うと思うのでなんとも言えませんが」

「そうなのか。しかし、雛殿は教養面だけではなく感も鋭いようだ。先程は1つ恩を売っておこうかと思ったがそれも出来なかったしな。」

「そうだったのですね。」

だからか。なんか嫌な気配がしたのは。・・・え、あたし、試されてる?


「話を戻そうか。まず、暫くはこの王宮に滞在してもらうことになるだろう。そして、世間には神使が来たことを発表しなければならない。まぁ、今はまだ雛殿達がこの世界に慣れるまでは発表して騒ぎ立てるつもりはないが‥‥その事はおいおい話していこうと思う。何か聞きたいことはあるか?」

「あの、神使というのは、私だけではなく悠二もなんですよね?」

「そうだな。ただ、暴力的になりやすい場合は少し考えなければだが‥‥」

「それは、ちゃんと言って聞かせます。すみません。あと、暫くは此処にいるとして元の世界には帰れるんですか?」

「神使が元の世界に帰ったとは、聞いたことがないな。それは、この世界にいる事を『選んだ』末の事なのか、『帰れる方法がない』からなのかはわからない。だから、これから帰れる方法も責任持って探してみる。‥‥が、わが国としては留まってほしいと考えている。」

とても真摯に真っ直ぐと雛の目を見て言うから少し信じてみようかと思えた

「わかりました。帰り方についてはお任せします。ただ、王宮にいつまでもお世話になるわけにはいきませんので、何か仕事と住むところを見つけたら出ていきます。申し訳御座いませんがそれまでお世話になります。」

深く頭を下げる。
ちょうどその時、ドアを叩く音が聞こえた。

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