7 / 39
7*夜のお散歩はとても綺麗です
しおりを挟む雛と悠二は庭園にきて食後の運動として走っていた
最初はブライアンに止められたが無理を言って連れてきてもらった
とても広い庭園で、とても綺麗だから何週しても飽きずに見てられる
「お嬢~そろそろ帰りません?」
悠二に声をかけられて大分時間が経っていたことを思い出す
「そうだな、後一周したら戻るか。悠二、疲れたんならそこで待っててもいいよ」
「あーでも、ここ結構広いから一緒に行きます。後一周ですよ?」
「わかったって」
そんなやりとりをしているとバラが咲く庭園の東屋の中に何やら人影がある事に気がついた
(さっき来た時はいなかったと思うけど‥‥)
通り過ぎる時チラッと見ると綺麗な金髪を横に流しているとても美人な女性が何やら下を向いて肩を震わせている
(あれ、泣いてる?)
雛は慌てて急ブレーキをしてその女性の近くへ行く
「あれ、お嬢?」
後ろについて来ていた悠二は雛の後を追う
ぐすっ‥‥ずず‥‥
「あの、大丈夫ですか?」
雛が遠慮がちに声をかけるとグリーンの瞳がこちらを見る
(なんか見たような顔だな‥‥とても綺麗な人)
「‥‥誰?」
不審に思ったのか眉間に皺を寄せて不機嫌そうに見られた
「あ、何か困って泣いてるんじゃないならいいの!ごめんなさい、余計なお世話でしたよねっ!」
慌てて弁明するがなんか邪魔したみたいで申し訳なく眉を下げる
「ぐす‥‥人に泣いてる所を見られるなんて‥‥屈辱。」
「大丈夫!私、誰にも言わないから!」
カサ‥‥
(悠二がきたか?)
グイッと女性の腕を取ると東屋の影に行くように押し込む
「ちょっと隠れてて!」
「わ、ちょ!無礼者!」
「なんで泣いてるのか知らないけど、泣いてるところ見られたくないんでしょ?なら隠れてて!すぐ私も離れるから、そしたら出て来なよ!あ、ほら涙拭いて。」
ハンカチで頬の涙後をポンポンと拭いてあげる
女性はあっけに取られて涙が止まったみたいだった
「じゃぁ、行くね!」
「あ、ちょっと!」
ニコっと笑ってそのまま走って悠二の元に戻って行く
「‥‥騒がしい人」
雛のハンカチを握りしめて言われた通りその場に蹲った
*****
「悠二!」
何事もなかったように悠二の前に現れる
「お嬢!急にいなくならないで下さい!心配するでしょう?」
「あーははは。ごめんごめん!綺麗な花を見つけたから近くに行って見たくなって」
「花ぁ~?お嬢が~?」
疑いの目で見られて居心地が悪い
「私だって花にくらい興味もつし!っほら!今日はこれくらいで終わりにして部屋戻ろう!汗かいて気持ち悪くなって来た」
そう言って悠二の腕をとって部屋までの道を戻る
ドアの所にはブライアンとノアが待っていてくれたらしい。
「ブライアンさん、ノアさん、ずっと待ってたんですか?」
「はい。雛様方に何かあっては大変ですので。お部屋に戻られますか?」
「すみません、ワガママ言って‥‥はい、いっぱい走って汗かいたんで部屋に戻ってお風呂に入ろうかと!」
「全然大丈夫ですよ。もっと、ワガママを言ってもいいくらいです。では、戻りましょうか」
ブライアンに微笑まれて少し顔が熱くなる
「あ、ありがとうございます!」
(イケメンの破壊力よっ!!)
「お嬢?」
「え!?なんでもないよ!全然、これっぽっちもなんでもないから!!ほら、戻ろう!!」
そう言ってぐいぐいと悠二の腕を引っ張って部屋に向かって歩き出した
10
あなたにおすすめの小説
隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり
鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。
でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
英雄の可愛い幼馴染は、彼の真っ黒な本性を知らない
百門一新
恋愛
男の子の恰好で走り回る元気な平民の少女、ティーゼには、見目麗しい完璧な幼馴染がいる。彼は幼少の頃、ティーゼが女の子だと知らず、怪我をしてしまった事で責任を感じている優しすぎる少し年上の幼馴染だ――と、ティーゼ自身はずっと思っていた。
幼馴染が半魔族の王を倒して、英雄として戻って来た。彼が旅に出て戻って来た目的も知らぬまま、ティーゼは心配症な幼馴染離れをしようと考えていたのだが、……ついでとばかりに引き受けた仕事の先で、彼女は、恋に悩む優しい魔王と、ちっとも優しくないその宰相に巻き込まれました。
※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ!」「カクヨム」にも掲載しています。
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
兄みたいな騎士団長の愛が実は重すぎでした
鳥花風星
恋愛
代々騎士団寮の寮母を務める家に生まれたレティシアは、若くして騎士団の一つである「群青の騎士団」の寮母になり、
幼少の頃から仲の良い騎士団長のアスールは、そんなレティシアを陰からずっと見守っていた。レティシアにとってアスールは兄のような存在だが、次第に兄としてだけではない思いを持ちはじめてしまう。
アスールにとってもレティシアは妹のような存在というだけではないようで……。兄としてしか思われていないと思っているアスールはレティシアへの思いを拗らせながらどんどん膨らませていく。
すれ違う恋心、アスールとライバルの心理戦。拗らせ溺愛が激しい、じれじれだけどハッピーエンドです。
☆他投稿サイトにも掲載しています。
☆番外編はアスールの同僚ノアールがメインの話になっています。
【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます
鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────
私、この子と生きていきますっ!!
シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。
幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。
時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。
やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。
それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。
けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────
生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。
※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
英雄の番が名乗るまで
長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。
大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。
※小説家になろうにも投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる