若頭が異世界でお嬢を溺愛するお話

なーさん

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14*悠二 vs ノア

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「悠二様は普段は気性が荒いのに剣を使うときはとても静かですね」

「あ”ぁ”?似合わねーってか?」

「いえ、そんなことありません。意外だっただけです。」

「無駄口叩いてねーで始めようか。」

「そうですね。では・・・・」


失礼します



と急に間合いを詰めて思いっきり木刀を振るノア
「わっと!ノアさん早いねーやるねー」

避けながら楽しそうに飄々としている悠二もノアに振りかぶる


バシィ!!


雛の時とは全く違う重い音が辺りに響く

ハラハラと二人を見ていると

「あのにいちゃんすげぇ。副隊長相手にあんなに余裕かまして‥‥」
「副隊長、剣の腕は騎士団一って言われてるのにあんな避けれるとか‥‥」

「ノアさんってそんなにすごいんですか?」

「あ!!神使様!」

「あ、そんな改まらないでください!私のことは雛って呼んでくれていいですから」

雛がニコッと笑って自己紹介をする

「では、雛様。そうですね。副団長は本当に剣の腕は確かです。」

「まぁ、悠二もそれなりに剣は得意なんですよね。やっぱりあの二人似てる所があるのね」

二人の手合わせを見ながら少し可笑しくなって笑ってしまう

(お嬢なに笑ってんだ?あ、あんなに男どもの近くに行って!!)

「余所見とは余裕ですね」

バシッビシッ

「俺はお嬢の護衛なんでね。目の入るところにお嬢がいるようにするは当たり前の行動なんですよ‥‥と」

ノアが突き出した腕を利用してクルリとノアの後ろに着く。そしてすかさず木刀をクビに突きつけた

「結構強かったですよ。ノアさん?」

悠二の殺気に背筋に一筋の汗が流れる

「‥‥参りました。」


「おおおおおお!!!」
「副隊長に勝つとかすげぇ!!」
「まじか!本当に勝っちゃったよ!!」

騒ぎ出す隊士達を置いて雛は悠二の近くに走ってくる

「悠二!お前、最後ちょっと本気で殺る気になってただろ!」

「えぇ~?ソンナコトナイデスヨ~?」

「もう!怪我しなかったからいいもののいきなり無茶するな!でも‥‥少し、カッコよかった」

「お嬢~!これで一人お嬢に着く虫を退治できたと思うのでよかったです!」

にっこにこで嬉しそうに意味のわからないことを言っている。

「はぁ?意味わかんない!虫なんて‥‥」

ポトっ

雛の肩にデカイ毛虫が落ちてくる

「ぎゃーーーーっ!!虫っ!!悠二っ!取って!!悠二っ!!」

「ここここ来ないでください!!俺は虫が苦手なの知ってるでしょう!?」

「ちょっと!ついさっきまで虫取ったとか抜かしておいて‥‥ちょっと!!」


涙目で騒いでいると

ボス

誰かに体当たりしてしまった。
でも、全然動じなくてむしろ私の方が痛い。

「大丈夫ですか?」

そう言って肩を掴まれて支えるついでとばかりに毛虫もヒョイっと取ってくれた

「あ、ごめんなさい。有り難うございます。ブライアンさん」

ニコリとブライアンは雛に笑いかけてくれた

「私は鍛えてますので全然大丈夫ですよ。それに、虫も平気な方ですので。雛様の方が、大丈夫でしたか?」

「あ、大丈夫です!ほんとに、助かりました~カッコつけたくせに毛虫も取ってくれない使えない奴とは大違いです」

とげとげと悠二向かって嫌味をかまして思いっきり睨むと悠二はタハハと力なくわらっている

「朝食が出来たそうなのでそろそろ戻りましょう。」

ブライアンが雛達にそう言うと雛はパァッと明るくなった

「はいっ!」


「‥‥ノア、俺が雛様達をお連れするからお前は休んどけ。」

「はっ」

綺麗に頭を下げるノアに雛は一度頭を深く下げて悠二達の後ろをついて行く

ちょっと遠くなった所からチラッとノアのことを見るとノアがジッと雛のことを見ていて目が合った

ニコッと笑ったら目をそらされたがまぁ、そうだよね。馴れ馴れしすぎたかな‥‥

そんな雛を尻目に見て少し不機嫌になる悠二だった



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