若頭が異世界でお嬢を溺愛するお話

なーさん

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27*雛の過去①

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雛は月を見ながらベッドの下で蹲る


目み瞑ると思い出す

いやな過去


*****


両親が離婚した後、最初、私はお母さんについて行った

お父さんのことは好きだったけどお父さんはいつの間にか家を出て行ったあとでサヨナラも言えなかった

「あいつは、女作ってあたしらを捨てて出ていたよ。」

お母さんにそう聞かされた。

「大丈夫、二人でなんとかやっていこう。お母さん、頑張るから」

お母さんは優しくでもきつく抱きしめてくれた


最初はうまく行っていたと思う。
お母さんは慣れない仕事に昼に夜に働いて、少しでもお母さんの負担を減らしたくてあたしも家事やごはん作りを頑張った。失敗しても「おいしいよ、ありがとう」って笑って一緒に食べた

夕飯の時は必ず帰ってきてくれて二人で食卓を囲んだ。

その日あった話をしたり、宿題でわからないところを教えてもらったり
普通のお母さんだった。



ある日、夜のお仕事の終わりに酔いつぶれて帰ってきた

「お母さん?こんなところで寝たら風邪ひいちゃうよ?お布団行こう?」

玄関で倒れこんじゃって一生懸命おぶって布団まで運んだ

「‥‥‥諒さん?」

お父さんの名前だ。
ドキッとして、でも違うって言えなくて私はお母さんの手を握った。

「諒さん・・・帰ってきてくれたの?あたし、待ってたんだよ?ちゃんと、雛と二人で。諒さん、なんで黙って出て行ったの?何がいけなかったの?あたし一人じゃ、育てられないよ。苦しいよ、悲しいよ、あの子見てるとあなたを思い出すの。幸せな時間を思い出すの。あなたを嫌いに慣れないの。憎みたいのに‥‥なんで、どこいったの‥‥帰ってきてよ。こんな事ならあの子なんて‥‥



産まなきゃよかった」



あたしは、お母さんを苦しめていたんだ


幸せなのは私だけだった。私はお母さんを苦しめる存在。
いらない、いちゃいけないんだ、私は。


一通り泣きじゃくってお母さんは寝た
私は、玄関で蹲って朝まで過ごした


「あ~~二日酔いだぁ。頭痛い‥‥って雛、あんたそんな所でなにやってんの?風邪引くよ?」


翌朝のお母さんは普通だった
でも、泣き腫らした目が昨日のことは嘘じゃないって言われているようでお母さんと目が合わせられない

「朝食はもう用意してるから、私、日直だから早めに学校行くね!行ってきます!」

「あーうん、わかった~~行ってらっしゃい」




その日から、酔いつぶれて帰ってくるお母さんが増えた



毎夜言われる


「苦しい」

「悲しい」

「育てられない」

「お父さんを思い出す」

「産まなきゃよかった」




そんな言葉はどこか私を蝕むようでお母さんに負担をかけている自分がどんどん嫌いになって行った


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