11 / 84
第1章 この度、伯爵令嬢になりました。
11*魔法はとても便利です。
しおりを挟むあれからちゃんと自分でも復習がてら自分だけの結晶を作って見ました。
なんでしょうか、いくらやっても、金色の結晶にしかならなくて水晶のような透明の結晶が作れなくて困ってしまいます。‥‥アレはやっぱり、ディナンと作ったから出来たみたいですね。
次の魔法の授業の日、自分だけで作った結晶をルーファス先生に見てもらいました。
「おお!ここまでちゃんとした結晶をもう作れるようになったのか!やり方は教えてなかっただろう?誰かに習ったのか?」
「はい、お友達に教えてもらったんです。色々と相談に乗ってもらって、少しだけ魔力を扱えるようになれた気がします!」
「それは、いい友達を持ったな。うん、そしたら、次の段階に行けるな。」
ルーファス先生に褒めてもらえて、いままでの遅れを取り戻せたようで嬉しくなります。
「じゃあ、今日からは本格的に魔法を使う訓練をするぞ」
「「はい、よろしくお願いします!」」
そうして教えてもらったのは一般的な・・・日常的に使う魔法です。
水をだしたり、光をつけたり、火を付けたり‥‥
この世界では使えないと大変な思いをすることになる魔法です。
こちらも、ディナンのおかげで難なくできるようになりました。
「ハンク、チャコ。すごいじゃないか。あっという間に魔法が上達しているな。今日はここまで!と思ったがまだ時間があるな。‥‥あ、そうだ。これも絶対に日常的に使う魔法なんだが、結晶を作れるなら作れるだろう。連絡手段の魔法を教えよう。」
ルーファス先生は、この世界の電話を教えてくれるみたいです。やったー!そしたらディナンやジョーと簡単に連絡取れるようになります!うれしい!
まず、自分の結晶を好きな大きさで作ります。私は持って来た結晶があるのでそれを使うことにしました。ハンクの作った結晶は薄いオレンジ色で、とても暖かな色でした。作る人によって色が違うんですね。
「結晶が作れたら、手の中でしっかりと握って呪文を唱える。『カラティンクテル』ってね。」
言われたようにしっかりと落とさないように結晶を持って手に魔力を込めます。
「‥‥カラティンクテル」
すると、さっきまで何ともなかった結晶の温度が上がって少し熱いくらいになりました。熱が落ち着いた頃、手を広げてみると結晶の中になにか魔法陣が刻まれていました。
「うわぁ出来た!チャコ、どう?出来た?」
ハンクが無邪気な笑顔で聞いてくれました。
「うん、私も出来たみたい!!凄いね、本当に!」
私たちのやりとりを見ていたルーファス先生がその結晶を手にとって見てくれます。
「うん、上出来だ。そしたら、この魔法陣が入った結晶に連絡を取りたい人の魔力を込めてもらうんだ。そしたら会話ができるようになるぞ。因みに、世間では、家族用、友達用、仕事用など用途に分けて作っている人も多いぞ。あと、通信できる範囲は自分の魔力量で決まるから気をつけろ。手紙の魔蝶と違って遠くにいるやつには届かない。」
「「はい!」」
「あと、その結晶石のままでも使えるが、大体の人は加工して装飾品にして身につけておく。そうすると連絡したいときにすぐにできるから便利なんだ。」
「そうなんですね。因みに、ルーファス先生はどのように身につけているんですか?」
「あぁ、俺は、バングルにしている。いくつも石をつけてもそんなに違和感ないしな。」
「バングル‥‥いいですね!う~ん、なににしよう。悩みますね。」
「俺も邪魔にならないやつ考えないとなー」
アクセサリーのことを考えていたらルーファス先生がパンパンと手を叩いて注目を集めました。
「装飾品のデザインは授業が終わったらじっくり考えろ!今は、登録の仕方を教えるからな。チャコ、石貸せ。」
「はい、先生。」
ルーファス先生に私の結晶石を渡すと先生は結晶石を片手で握って魔力を込め出しました。
すぐに、パチッという静電気のような音がしてから先生から結晶石を返されました。何か変化があったのか結晶石を覗いてみても特に変化があったようには思えません
「じゃあ、チャコはハンクのに。ハンクはチャコのにやってみろ」
そう言って渡された結晶石に先生がやっていたように魔力を入れていきました。
先ほどと同じようにパチッと音がしました。多分、うまくいったはずです‥‥
「じゃあ、石に魔力を流しながらハンクに何か念じてみろ」
・・・急に言われても困っちゃいます。なんて言えばいいんでしょうか‥‥。
とりあえずまたじぶんの結晶石に魔力を流して『ハンク、聞こえる?』と念じて見ました。すると隣にいたハンクの結晶石が光って魔力を込めるといきなり「うわあ!」と声をあげていました。
「ハンク、ちゃんと聞こえたか?」
先生がビックリしているハンクに聞きました。
「はい、聞こえる?ってチャコに耳のすぐそばで言われているような感じでした!」
「そうか。成功だな。ハンク、チャコにもなにか送ってみろ」
「っ、はい!」
元気に返事をして魔力を込めています。すると先ほどとは逆に、私の結晶石が光りました。
結晶石に魔力を込めると耳のそばで『今日の夕ご飯は何だろう?』とハンクの声で聞こえました。ふふ。まだお昼ご飯も食べてないのになんで夕ご飯?と笑ってしまうのも、しかたありませんよね?ハンク可愛い。
「ちゃんと聞こえました。ハンク、まだお昼も食べてないのに夕ご飯は早いんじゃない?ふふ」
「あ、お昼ご飯と夕ご飯を間違えた‥‥」
「ははは。ハンクは腹減ってきたか。今日はだいぶ進んだし、魔力も多く使ったからな。今日はあとハンクとチャコ、俺の結晶石にも登録だけしてから今日はここまでにしようか。」
「「はい!ありがとうございました!」」
ルーファス先生が豪快に笑って今日の授業は終わりになりました。
授業が終わって部屋から出る時、フッと浮かんだ疑問がありました。ルーファス先生の方へ振り返り、ハンクが行ったのを確認してから話しかけます。
「ルーファス先生、ちょっといいですか?」
「ん?チャコ、どーした?」
ルーファス先生は帰る支度をしながらも、聞いてくれるようです。そんなに時間を取らせては悪いので簡潔に伝えないとですね。
「あの、二人で結晶石を作るのって、何か意味があるんですか?」
ピタッという音が聞こえたように感じるくらいルーファス先生がいきなり止まりました。
「‥‥ルーファス先生?」
不安になって先生を呼ぶとちょっとギギギ‥‥というようにゆっくりと振り向いてきました。‥‥怖い。なにか変なことを言ったのでしょうか?無知ですみません。
「えーっと、二人で作るのは、親愛の証だ。なので、本当に好きな相手‥‥結婚相手以外とは作ってはいけないことになっているし、その結晶でお互いの結婚指輪とかを作ったりする。因みに、相性もわかるぞ。」
「相性ですか‥‥。それは、どんな風になっていると相性がいいということになるんですか?」
「‥‥あぁーーっとな、色の混じり具合でわかるぞ。例えば、青い魔力と赤い魔力があって、相性がいいと綺麗な紫になる‥‥とか、その二人が合わさるように石が変化するんだ。混じり気がないほど相性がいい。‥‥んで?なんでそんなこと聞くんだ?」
ジトッとした目で見られて少し視線を彷徨わせてしまいます。‥‥ディナンには言ってはいけないと言われたし‥‥結婚相手以外と作っちゃいけないって言われたら、作ったことなんか言えません。必死に言い訳を考えました。
「あの、えーっと、あ、お父様!の!指輪が、お父様の魔力の色と違っていたので気になったのです!宝石を使っているのかとも思ったんですけど、先ほどの先生の話だとダメみたいな感じでしたし‥‥」
「・・・・なぁんだ。そんなことか。うん、それなら良かった。俺はてっきり結晶石の作り方を教えてくれた『お友達』と二人の結晶石を作ったのかと思ったぞ。」
そういってルーファス先生はバンバンと私の二の腕を叩いて笑っています。‥‥当たりすぎてて怖い。ルーファス先生が鋭すぎて、これからは軽く変な質問をするのはやめておこうと心にメモしました。
「まぁ、そんなことしたらチャコの父ちゃんが黙ってないだろうからな。もしかしたら領地に連れて行かれるかもしれないぞ?あいつはまだまだチャコに婚約相手をつける気がないからな。」
「は、ははは」
やりかねなくて乾いた笑いしか出ないです。うん、ちゃんと黙っておこう。それに、ディナンはそんなに大ごとになるって知らないでやってそうですし。いつか決まるであろう、ディナンの婚約者さんにも悪いですしね。うん、永遠に黙っておこう。
0
あなたにおすすめの小説
拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました
星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎
王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝――
路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。
熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。
「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」
甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。
よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、
気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて――
しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!?
「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」
年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。
ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。
転生したら、実家が養鶏場から養コカトリス場にかわり、知らない牧場経営型乙女ゲームがはじまりました
空飛ぶひよこ
恋愛
実家の養鶏場を手伝いながら育ち、後継ぎになることを夢見ていていた梨花。
結局、できちゃった婚を果たした元ヤンの兄(改心済)が後を継ぐことになり、進路に迷っていた矢先、運悪く事故死してしまう。
転生した先は、ゲームのようなファンタジーな世界。
しかし、実家は養鶏場ならぬ、養コカトリス場だった……!
「やった! 今度こそ跡継ぎ……え? 姉さんが婿を取って、跡を継ぐ?」
農家の後継不足が心配される昨今。何故私の周りばかり、後継に恵まれているのか……。
「勤労意欲溢れる素敵なお嬢さん。そんな貴女に御朗報です。新規国営牧場のオーナーになってみませんか? ーー条件は、ただ一つ。牧場でドラゴンの卵も一緒に育てることです」
ーーそして謎の牧場経営型乙女ゲームが始まった。(解せない)
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
女性が少ない世界に転生した控えめ伯爵令嬢、なぜか五人の婚約候補に選ばれて少しずつ恋を知っていきます
ノッポ
恋愛
女性が極端に少ない異世界に転生した私は、気づけば伯爵令嬢になっていた。
前世は日本で普通に生きていたせいか、貴族令嬢らしい強気な振る舞いがどうしても苦手。
社交界デビューを迎えても、「どうして私が選ばれるの?」と戸惑うばかりだった。
けれど今年デビューする高位令嬢はわずか三人。
家同士の思惑も重なり、騎士団長家の息子、宰相子息、魔術師団長の息子、幼なじみの侯爵子息、そして英雄騎士――
五人の若きエリートとのお見合いが次々と始まってしまう。
遠慮がちで控えめな性格は、この世界では珍しく、気づけば少しずつ距離を縮めていく彼ら。
異世界での恋愛に戸惑う日々。けれど出会いを重ねるたびに、私は少しずつ変わっていく――。
女性希少世界で、自分の幸せを選べるようになるまでの逆ハーレム恋愛ファンタジー。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
【ご報告】
2月28日より、第五章の連載を再開いたします。毎週金・土・日の20時に更新予定です。
また、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。
引き続きよろしくお願いいたします。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!
鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……!
前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。
正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。
そして、気づけば違う世界に転生!
けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ!
私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……?
前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー!
※第15回恋愛大賞にエントリーしてます!
開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです!
よろしくお願いします!!
【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS
himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。
えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。
ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ!
アルファポリス恋愛ランキング入りしました!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
*他サイトでも公開中
なろう日間総合ランキング2位に入りました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる