10 / 84
第1章 この度、伯爵令嬢になりました。
10*さすが王族というべきでしょうか。
しおりを挟む只今、猛烈に気不味いです。
物凄く、居た堪れない気持ちです。
ディナンにギュウしてもらって私はとっくに涙も枯れて元気を取り戻したのに‥‥
全然話してくれません。後ろからのバックハグで他愛もない話をしているのですがいい加減離れたいです‥‥。
これでいいのか、6歳児!
なんだかおませすぎないですか!!??
この世界はジョーも含めスキンシップが結構激しいな、と思うことも多くありますが、ここまでではありませんでした。王子だから?王宮では当たり前なの??
だんだんと照れ臭くなって来て、でも後ろを見ても普通に上機嫌なディナンがいるだけです。
「ね、ねぇ、ディナン?そろそろ離して‥‥?」
「ん?何故だ??」
何故と返されてしまいました。心底わからないというように曇りなき眼で聞き返して来ます。うぅぅ
「その、えと‥‥は、恥ずかしいから‥‥」
「でも、ジョーもよくチャコに抱きついているではないか。私もそうしたいと思っていたが、遠慮していたんだ。しかし、これからは気にしないことにした。だから、今日は今までの分だ。だから、このままでいいんだ。」
よくわからない理屈を言われて、あぁ、そうなの?と変に納得させられそうになってしまいました。
「いや、ジョーでもこんな長くはしないよ‥‥」
「今は二人きりだ。気にすることはない。‥‥それより、チャコ。魔力の扱いについて悩んでいたんだよな?」
急に話が変わりました。あぁ、王子様なら普通の人よりも魔力量は多いはず。ディナンに話を聞けば何かヒントになるかもしれません!
「そうなの。先生曰く、私の魔力量が多いから体が慣れすぎてて感じにくいんじゃないかって言われたんだけど‥‥。ディナンは魔法得意だよね?魔力も多いの?」
「あぁ、やっぱり。そうだな、私の魔力は6歳の時点で凄く多いと言われた。成人する頃にはこの国でトップクラスの魔力量になるだろうと予想されている。」
「そんなに多いんだ‥‥。ディナンは、どうやって魔法を使ってるの?感じ取れないとか、ある?」
「うーん。王族は比較的に魔力は多いと言われているんだ。だから、魔法の勉強も幼い時からさせられる。万が一、暴走したら大変だからな。」
「たしかに。初めて会った時とかシュッてあっという間に消えちゃったりしたけど、それもなにか魔法を使ってるの?」
「あぁ、あれは風魔法と身体強化の補助魔法を応用しているんだ。」
「すごいねぇ!!かっこいい!もうそんなのが出来るんだねぇ!私にも出来るかな?」
「‥‥ちょっと、魔法の練習してみようか。」
「う?うん!やりたい!教えて!」
ディナンが立ったので私も立とうとしたら、手を差し出されました。なにこのスマートさ。王子様なの?‥‥王子様か。末恐ろしいです。はぅ。
向かい合わせで立って、何故か両手を握っています。不思議に思ってディナンを見るとニッコリと可愛らしい笑顔が帰って来ました。
「チャコ、自分の魔力を手の平で玉を作るイメージして。」
胸の位置に繋いだ手を上げて私は言われた通り目を瞑って手のひらにピンポン球を作るようにイメージします。・・・あれ?なんだか凄く手が暖かくなっています。今までは感じたことのない変化に驚いて目を開けると繋いでいる手が淡く光っていました。
「うん、チャコ。上手いな。いま、魔力が手のひらに集まってきているのがわかるか?あ、出来て来たようだな。ほら、コレがチャコと私の魔力が合わさって出来た結晶だよ。」
ディナンがそう言うと、ゆっくりと手を離します。手のひらには淡く光る水晶玉のようなものが両手の掌の上に乗っています。
「わぁ‥‥綺麗。」
両手の上にある玉の1つを手に取り空へかざしてみます。
隣でもう1つの玉をディナンがよく見て観察していました。
「うん、凄く綺麗に出来たな。‥‥色が混ざっていないな。‥‥うん、うん。いいな。そうか良かった。」
何やら一人で納得して楽しそうにしているディナンを放って、私は初めて出来た魔力の結晶をうっとりと眺めていました。
「これに、魔法陣を刻むと色んなことができるんだ。今度簡単なのを一緒に作ってみよう。」
「うん!」
満面の笑みでディナンに返事をするとディナンは照れつつもまた手を差し出してきました。
その手をまた握ると次は‥‥
「ひゃう!?」
何か体の中で何かが動くようなむず痒くなるような感覚がしてびっくりして声をあげます。
「いま、少しだけ私の魔力をチャコに流したんだ。くすぐったいだろう?」
「う、うん。変な感じがする‥‥」
「いま変に感じているところが魔力の通っている所だ。」
「・・・なんか、血みたい。」
「そう。血だ。魔力は血液と同じようなもの。それは、目に見えるかどうかの違いだけで、血管を通って魔力は動いている。そして、最終地点は心臓だ。ココに魔力を貯めておくようにイメージすると魔力の動きがわかりやすくなるぞ。魔力は開けたら出る。しまって閉める‥‥というようにな。たぶん、チャコは常に開けっ放しにしていて、その状態に慣れているからわからないいんだと思う。」
「ほうほう。すごくわかりやすい‥‥」
「ほら、しまってみろ。」
「う、うん。」
心臓に大きい入れ物があるように‥‥血を集めるイメージで‥‥
心の中でぶつぶつと言いながら言われた通りにして見ました。そしたらなんと言うことでしょう!スゥッと体が軽くなっていくような気がします。いまなら秘密基地から家まで全速力で走れそうなくらい体が軽くなりました。
「‥‥す、すごい。体が軽くなったよ。」
「よし、成功したみたいだな。私も、コレを教えてもらうまで魔力とはどんなものかさえわからなくて苦労したんだ。兄上がやり方を教えてくれたんだ。」
「お兄さん、凄いね。いままでわからないものがわからない状態だったからやきもきしてモヤモヤしてたけど‥‥ディナン、教えてくれてありがとう!」
「うん。あ、でも、これは私とチャコの秘密な?チャコはもしかしたら私と同じくらい魔力量があるから教えたけど、魔力量が普通の人はいらない技術らしいからな。無闇に魔力量が多いことを他人に知らせるべきではないからな。‥‥色んな事件になるって聞くしな。チャコを、無用な危険に晒したくはない。」
「そうなんだ。わかった。内緒ね!あ、ねぇ、この水晶玉1つもらってもいい?」
「あぁ。全然いいぞ。あ、ただ、二人でそれを作ったことはまだ誰にも言わないでくれ
」
「 まだ?」
「言っていい時が来たらわかるから。その水晶はチャコだけで作ったものにしておいてくれ。」
「うん‥‥わかった。でも‥‥」
「でも、どうした?」
「こんなに綺麗に出来たのにみんなに自慢できないのは少しだけ残念だなって思っただけ!大丈夫、内緒にするよ!」
「っ!本当に、チャコは可愛いことばかり言ってくれるな。‥‥そろそろ日が暮れる。今日は一人なら私が近くまで送っていこう」
「あ、本当だね。ありがとう!」
差し出させた手を握って童謡を一緒に歌いながら家まで歩きました。
結局ディナンは家の前まで送ってくれて、門を潜ったのを見送られてから一瞬で居なくなっていたのでちゃんと帰れたみたいです。
今日はなんだか色んなことがあったような気がします。
ディナンとは、こんなにたくさん自分達のことを話すのは初めてかもしれないです。
なんだか‥‥私は心まで子供になって来ているのでしょうか?6歳児にトキメクとか‥‥私は見る専のショタ好きであって、絶対に恋愛対象外なはずなんですけど‥‥今日はそれだけ弱っていたということでしょうか。
もっと気を引き締めていかなければいけませんね!
とりあえず、今日はいっぱい魔力を使ったのでお腹が減りました。今日のお夕飯はなんでしょう?なんだかがっつりと唐揚げが食べたい気分です。
0
あなたにおすすめの小説
拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました
星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎
王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝――
路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。
熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。
「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」
甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。
よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、
気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて――
しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!?
「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」
年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。
ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。
転生したら、実家が養鶏場から養コカトリス場にかわり、知らない牧場経営型乙女ゲームがはじまりました
空飛ぶひよこ
恋愛
実家の養鶏場を手伝いながら育ち、後継ぎになることを夢見ていていた梨花。
結局、できちゃった婚を果たした元ヤンの兄(改心済)が後を継ぐことになり、進路に迷っていた矢先、運悪く事故死してしまう。
転生した先は、ゲームのようなファンタジーな世界。
しかし、実家は養鶏場ならぬ、養コカトリス場だった……!
「やった! 今度こそ跡継ぎ……え? 姉さんが婿を取って、跡を継ぐ?」
農家の後継不足が心配される昨今。何故私の周りばかり、後継に恵まれているのか……。
「勤労意欲溢れる素敵なお嬢さん。そんな貴女に御朗報です。新規国営牧場のオーナーになってみませんか? ーー条件は、ただ一つ。牧場でドラゴンの卵も一緒に育てることです」
ーーそして謎の牧場経営型乙女ゲームが始まった。(解せない)
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!
鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……!
前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。
正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。
そして、気づけば違う世界に転生!
けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ!
私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……?
前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー!
※第15回恋愛大賞にエントリーしてます!
開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです!
よろしくお願いします!!
[完結]7回も人生やってたら無双になるって
紅月
恋愛
「またですか」
アリッサは望まないのに7回目の人生の巻き戻りにため息を吐いた。
驚く事に今までの人生で身に付けた技術、知識はそのままだから有能だけど、いつ巻き戻るか分からないから結婚とかはすっかり諦めていた。
だけど今回は違う。
強力な仲間が居る。
アリッサは今度こそ自分の人生をまっとうしようと前を向く事にした。
女性が少ない世界に転生した控えめ伯爵令嬢、なぜか五人の婚約候補に選ばれて少しずつ恋を知っていきます
ノッポ
恋愛
女性が極端に少ない異世界に転生した私は、気づけば伯爵令嬢になっていた。
前世は日本で普通に生きていたせいか、貴族令嬢らしい強気な振る舞いがどうしても苦手。
社交界デビューを迎えても、「どうして私が選ばれるの?」と戸惑うばかりだった。
けれど今年デビューする高位令嬢はわずか三人。
家同士の思惑も重なり、騎士団長家の息子、宰相子息、魔術師団長の息子、幼なじみの侯爵子息、そして英雄騎士――
五人の若きエリートとのお見合いが次々と始まってしまう。
遠慮がちで控えめな性格は、この世界では珍しく、気づけば少しずつ距離を縮めていく彼ら。
異世界での恋愛に戸惑う日々。けれど出会いを重ねるたびに、私は少しずつ変わっていく――。
女性希少世界で、自分の幸せを選べるようになるまでの逆ハーレム恋愛ファンタジー。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
【ご報告】
2月28日より、第五章の連載を再開いたします。毎週金・土・日の20時に更新予定です。
また、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。
引き続きよろしくお願いいたします。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる