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第2章この度、学生になりました。
7*青春って感じなのです。
しおりを挟む「ジン!!今すぐ迎えに来て!!って言うか、もう帰ってるから途中で合流して!」
ジンに一方的に連絡を入れて直ぐに切りました。
もう、なんてことですか!?いきなり、声フェチがみんなにバレてしまいました。
しかも、公開処刑という形で!!!恥ずかしいにも程があります!!
しばらく、走る勢いで早歩きをしていた足がゆっくりとなり、周りに誰もいないことを確認して階段の物陰に隠れて蹲ってしまいました。
「やばい、まじやばい。さっくんだよ、あの声は。さっくんにしか聞こえないよ。この世界で聴けるなんて‥‥低いのにやらかくて心地いいあの声は、さっくんだよ。やばい。嬉しすぎてどうしよう。あぁぁぁっ!!!!!なんでさっきの言葉責め録音しなかったのよ、自分!!あぁ、一生の不覚!!声がよくて、背も高くて、リリに似てる美青年で、なおかつお世話好きのお母さんとか、最高すぎかよ!!!しかも、何処と無く攻めっぽいとはどうゆうこと!?いいとこばっかりじゃんか、私の事、殺す気なのかな!?そうだよね??ご褒美くんにしては、完璧すぎて辛いっ!!!あぁぁぁ!!!」
頭を抱えていると、人の気配がしました。
え、聞かれた!?うそ、やばい!!隠れないと!!
辺りを見渡してどこにも隠れるところがないのでなるべく階段の陰に身を隠します。
静かにしてれば、バレない‥‥はず!!
カバンで頭を隠して、なるべく薄くなるように壁と一体化する様に無になりました。
・・・はやく通り過ぎて~~そしたら私も、速攻どっか行くから!!
「あれ、この辺でチャコの声が聞こえたんだけど‥‥」
あ、レイ兄様かな?なら、出て言ってもいいかな?でも‥‥
「チャコーーー‥‥‥‥何してんの?」
「あ”。‥‥レイ兄様」
変なところ見られたぁぁ!!一生懸命隠れたんですけどね‥‥これなら、潔く出れば良かったです。失敗しました。
「‥‥ぶふ。」
レイ兄様が珍しく吹き出しました。うーん。恥ずかしいです。
「わ、笑わないでください!‥‥隠れてたのに、見つけるなんて誤算です。」
「え、あれで隠れてたの?くく。」
「ちょ、ちょっと、1人になりたかったんです!!もう!」
「くく。ごめんごめん。可愛くて‥‥つい、ね。チャコは、今帰り?」
「はい。さっき、ジンを呼びました。道の途中で合流しようかと。兄様は?」
「私は、委員会の途中なんだ。でも、もう直ぐ終わるよ。良かったら、一緒に帰らない?」
「いいですよ。ジンにも連絡とっておきます。どのくらいで終わりますか?」
「うーん、30分位かなぁ?」
「了解です!そしたら、下駄箱らへんで待ってますね!」
「わかったよ。じゃあ、後で。」
「はい。」
レイ兄様と別れ、下駄箱に向かいながらジンに連絡を入れます。
先程、急いだ連絡をしたからジンはアレから10分もたっていないのにもう直ぐ校門の前に着く様です。早いです。急がせすぎた様で、ちょっと申し訳なく思います。
「じゃあ、校門のところで待ってて。私もそっち行くからそこでレイ兄様を待とう。」
『わかりました。でも、お嬢。なんでさっきあんなに急いでたんですか?何かあったんですか?』
「‥‥会ったら話すわよ。」
『絶対ですよ?俺、ここまですんごーーーく急いだんですからね!』
「悪かったわよ。ちゃんと話すけど‥‥絶対笑わないでよ?」
『それは、話によりますけど‥‥頑張ります。』
「‥‥じゃあね。」
プチン
ジンに、絶対笑われますね。コレは、絶対笑われます。あぁ、話したくないです。
でも、ジンは薄々私の趣味を勘付いてきているようなので、今更、声フェチですって言ったところでフーンとしか思わないかもしれません。
1人で納得して校門へ行くと、ジンはもう来ていました。
私を見つけて、イタズラそうに笑っているジンは、少しだけ幼く見えます。
「お嬢、おかえりなさいませ。」
「‥‥ん。ただいま。」
やっぱり、自転車で来てるよね。
レイ兄様どうしよう?車無いわ。二人乗りして帰るしか無さそう。
・・・私が漕ぐのはキツイから、ここはジンがレイ兄様を乗せて帰るわよね。
・・・むふふふ。
レイ兄様は、どこ掴むタイプかしら?
腰?裾?それとも、無難に座る所?何処にしても、美丈夫な二人のニケツ‥‥思わぬご褒美!!!あ、写真‥‥いや、ブレるな。ビデオ撮らねば。
いそいそと、自転車をカバンから出してビデオを撮れるように準備していると、レイ兄様が来ました。
「あ、れ?車は?」
当然、車がないことに戸惑っています。
自転車を見て、不思議そうに首を傾げている兄様、可愛いです。
「あのですね、私、朝の渋滞が嫌で自転車で来たんです。だから、自転車で帰ることになるんですけど、いいですか?」
「まぁ、私は構わないよ。」
「やった!じゃあ、行きましょう!」
◇◆◇◆◇◆
「何故、こうなった。美男子のニケツにムフフする予定だったのに‥‥ぐぐ。」
「チャコ?なんか言った?」
「‥‥なんでもありませんわ。レイ兄様。」
予定外に、レイ兄様が自転車に乗れたのが誤算でした。
レイ兄様は、行こうと言ったら私の自転車に跨って「じゃあ、チャコ、後ろ乗って?」って爽やかだけど有無を言わせない笑顔で私に後ろに乗るように言いました。
「くく。お嬢、残念でしたね。」
・・・やっぱり、2人の二人乗りを期待してたのはジンは気付いていたようです。ぐぬぬ
「ほら、危ないからちゃんと掴まって?」
レイ兄様の腰に手を添える程度だったのを、グイッと引っ張られて抱きつくようにされました。‥‥まあ、いいんですけどね。でも、これはこれで‥‥レイ兄様、意外と筋肉ありますね。試しに、ギュウッとして見てもびくともしません。あ、レイ兄様の匂い‥‥結構好きかも。何か、香水使ってるんでしょうか。
「~~チャコ、お願いだから、ジッとしてて?ほんと、危ないから。‥‥色んな意味で。」
「あ、ごめんなさい。」
最後の方はよく聞こえませんでしたけど、運転の邪魔でしたね。失敬失敬
ジンにも、苦い顔をされてしまいました。
「レイ兄様。」
「ん?」
「レイ兄様は、何か香水をつけていますか?」
「香水?いや、特には‥‥」
「そうなんですね~‥‥」
「あぁ~今日、体育あったから汗かいたかも。ごめん、臭い?」
「え?そんなわけないじゃないですか!いい匂いだから、私も同じ匂いにしたいなって思っただけです!レイ兄様が臭いなんてありえません!」
「‥‥‥‥はぁ~。」
え、なんでため息!?
ジンはジンで、なんで可哀想な子を見るような顔してるんですか!?
「チャコ、他の人には、もう少し警戒心って言うのを持とうね。」
ジンは、レイ兄様の言葉に全力で頷いています。そのせいで蛇行運転になりかけています。危ないからやめたほうがいいと思うのですが‥‥。
「え?はい‥‥?」
なんか、当たり前のことを言われました。
「じゃ、チャコ、ちゃんと掴まっててね。」
再度、離れかけた手を掴んで抱きつく形を取らされました。
レイ兄様の背中に頭を預けると、レイ兄様の鼓動がすごく早くなっています。
その鼓動が心地良くて、ずっと聞いているとあっという間に家に着きました。
自転車から降りると、レイ兄様はポンポンと頭を撫でてから部屋に戻られました。
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