ハイスペック隠れ腐女子が異世界に転生しました。~二度目の人生全力で楽しみます!~

なーさん

文字の大きさ
55 / 84
第2章この度、学生になりました。

13*妄想は楽しいのです。

しおりを挟む

次の月曜日、学園に行くと教室の入り口にリリのお兄さんが立っていました。
いつも通り、少し早めに来ているので教室には誰もいないみたいです。

「おはよう、チャコちゃん。」

ニッコリ笑顔で挨拶をしてくれました。
推しのキラキラ声で挨拶+名前呼び、本当、ありがとうございますっ!!
今日も1日、頑張れそうです!!!
・・・心の中で土下座でお礼を言いつつ現実ではなんでもないように驚いて見せました。うん。その辺の女優よりも演技上手いんじゃないでしょうか?

「お、おはようございます。えと、リリはまだ来てないようですが‥‥」

「うん。まだ家にいたからもう少し後に来るんじゃないかな~今日は、『2人』で話したくて。ごめんね、迷惑だったかな?」

「っ!全然!迷惑だなんて思っていません。‥‥何か、御用でしたか?」

「‥‥立ち話もなんだし、ちょっと、中庭に行かない?朝の中庭もとっても気持ちいいんだ。」

「はい、是非お供させてください。」

リリのお兄さんにスッと手を差し出され、自然と手を乗せました。
スマートにエスコートされて中庭まで行きます。

「はは。」

いきなりお兄さんが笑い出したので何かと思って上を見上げると、お兄さんと目が合いました。

「いや、こんな所を殿下やレイに見られたら俺は半殺しされてしまいそうだなって思って。」

「え?レイ兄様はわかりますけど‥‥なんで、ディナンですか?ディナンはそんなことしないと思いますけど‥‥」

「‥‥まじか、チャコちゃん。」

「え?」

「いや、なんでもないよ‥‥。」

「ふふ。変なお兄さんですね。」

挙動不審なリリのお兄さんが可笑しくて、笑えて来ます。

「あ~~‥‥殿下の気持ちが少しわかったわ。」

「??」

「いや‥‥あ、あそこに座ろうか。」

「はい。」

そして、案内されたのは、カラフルなお花がいっぱい咲いているのを見渡せる絵本の中の一コマのような東屋でした。

「ふわ~‥‥とても綺麗ですね、こんな場所があるなんて知りませんでした。」

「喜んでくれて良かった。ここはね、生徒会のメンバーしか来れない場所なんだ。だからとても静かだし‥‥秘密の話をするにはもってこいの場所なんだよ。」

「秘密の‥‥場所、ですか。」

「秘密の話ね。まぁ、俺らの秘密の場所にしても良いけど?」

「っ!!それは、ご遠慮させていただきますっ!!」

「えー?つれないなぁ~~」

お兄さんは楽しそうに笑いながら座った後でも手を離してくれません。うん、こんな所を誰かに見られたら誤解されそうです。

「それで、お兄さんは‥‥」

「ん~~その、『お兄さん』ってやめない?フィンでいいよ。リリの友達だしね。」

「‥‥フィン様は、どうして私をここに?」

「ん?わからない?」

「さっぱり、全然分かりません。」

きっぱりと言うと、少し目を見開いたあと、楽しそうにまたフィン様は目を細めて笑いました。

「まぁ、いいや。ただ、チャコちゃんが俺と同じなのか知りたかっただけ。」

「同じ、とは?」

「『日本人だった頃の記憶』があるか知りたいって事。」

様子を伺うように、フィン様は少し笑みを深めて聞いて来ました。

「あぁ、その事ですか。ありますよ。前世の記憶。」

リリの家に行った夜に、お父様と相談しておいたのです。
お父様は、言いたいなら言えばいい。って言ってくれました。私の判断に任せると。
フィン様は、なんだか確信があるようですし、変に隠すよりも言ってスッキリした方が私に構うことはしないようになるんじゃないかと思ってぶっちゃけて見ました。

フィン様は、私の反応が予想外だったのか鳩が豆鉄砲に当たったような顔をしています。

「‥‥ふ、普通に言うんだね、びっくりした。」

「だって、フィン様は確信があって聞いて来たのでしょう?隠すことでも無いですし。別に、フィン様に知られてても構いません。」

「そうかな?もし、俺が君の記憶を悪用しようって奴だったらどうするのさ?」

「フィン様はそんな事しませんよ。」

「っ!なんで、そう言い切れるの?」

「だって、フィン様も同じ記憶があるんでしょう?悪用する意味なく無いですか?」

「‥‥確かに。」

「ね?そんな回りくどい事する意味無いですよ。私よりもずっとフィン様の方が頭いいんですから!」

「く‥‥ふふ。ははっは」

なんか、いきなり笑い出してしまいました。
まぁ、黒い笑いでは無いみたいなのでそっとしておきましょう。

「ねぇ、君の事教えてよ。」

一通り笑ったかと思ったらいきなり言い出しました。

「え?」

「だから、君の前世は男だった?女だった?どんな子だった?あ、どんな仕事してた?何が好きだった?あ、趣味とかあった?あとね、」

「えぇ~~いきなり質問攻めですね?‥‥ふふ」

フィン様が、堰を切ったように話しはじめるもんだからおかしくなって笑ってしまいました。

「だって、いないじゃん?こんな事話せるの。嬉しく無い?」

「確かに、誰にもわかってもらえなかった事が話せるのはとても嬉しいです。」

「だからさ、まずは自己紹介しよう!」

「ふふ。はい。」

「じゃあ、俺からね。ゴホン。改めて、俺は『櫻井祐介』。死んだ時は、28歳だった。死因は、あまり覚えてないんだ。事故か何かなんだと思う。仕事は、イラストレーターをやってたんだ。だから、絵を描くのは結構得意だよ。趣味は、お恥ずかしい話、結構ヲタクで色んな漫画を読み漁ったり、集めたり、アニメでも映画でも見るものが好きだったな。思いっきりインドアな人間だったよ。あ、小説や二次創作も描くのも見るのも好きだったな。」

櫻井‥‥!さっくんと同じ苗字だなんて!!やっぱり、フィン様は選ばれし人なんですね!!

「結構ぶっちゃけるんですね‥‥うん、じゃあ、私も。私は、『海野 桜』です。ふふ。同じ『桜』ですね。私は、29歳で亡くなりました。私も、突然だったのでなんで死んだのかは覚えてません。3歳の時に事故で頭を打った時に思い出したんです。前世の仕事は、中小企業の社長秘書をしていました。えっと、趣味は、私も小説や漫画好きでよく読んでいましたし、描いていましたよ。あとは、カラオケが結構好きで1人でもよく行ってましたね。今でも、よく歌ってストレス発散してます。」

一通り、ヲタクなのは匂わせくらいでやめておきつつ、昼職だけしか言ってないけどまぁいいでしょう。その後も、私達はいつの時代に生まれたとか、出身地は何処だとかを話しているといつの間にか予鈴がなっていました。話してみると、怪しかった雰囲気は何処にもなくてただのいい人とフィン様はなっていました。良かった。

「ごめんね、話し過ぎちゃったね。」

「いいえ、楽しかったので。」

「ほら、2人でいる時は普通に話してって言ったでしょう?桜さん?」

「もう、他の生徒もいるのでそれは無しですよ、フィン様。」

「本当につれないなぁ~~はは。」

「送ってくれてありがとうございました。」

「うん。また、色々と話そう。」

「はい、是非。」

朝の時間いっぱいいっぱいに話して、ちょっと遅刻気味に教室に入ると、全員の視線がこちらに向きました。‥‥うげ、これはアウトだった?先生は来てないけど‥‥。

そそくさと荷物を置いていた席に着くと、ブスッとしたジョーが此方をジーーーっと穴が開くほど見てきます。うん。ジョーの言いたいことが手を取るように分かります。わかるけど‥‥

「ジョー?ごめんね、心配したよね?」

「‥‥んーん。大丈夫。チャコ、さっき来てたのがリリのお兄さん?」

「あ、うん。三年生の、フィン様だよ。」

「ちょっと、チャコ!いつの間にお兄ちゃんの事、名前呼びまでする仲に!?やっぱり、うちにお嫁に来ちゃう!?」

「ちょ、変な誤解生むから!りり、やめて!」

「‥‥確かに。リリ、その辺にしろ。そろそろ先生が来る。」

「‥‥はぁい。」

ディナンに鎮められてリリは不服ながらも前を向きました。
・・・ディナン、一切こっちを見ないんですけど。なんか、怒ってる?

「えと、ディナン?怒ってる?」

「何を怒ることがあるというんだ。別に、怒ってなどいない。」

いやいや、口調がもう‥‥。でも、確かに何も怒られるようなことなんかして無いですもんね。うん。堂々としてよう。


◇◆◇◆◇◆


「‥‥チャコ、あれ見て。」

食堂でご飯を食べ終わってお茶を飲んでいたら何か見つけたのかリリがいきなり小声で話しかけて来ました。

「ん?どれ?」

「私たちの二つ右のテーブルの壁をしにしてる男の子2人。」

「っ!!!まさか、そんなこと‥‥」

「私も思わず二度見したわよ。でも‥‥」

そこには、一つの本を2人で見て距離が物理的に近くなっている男子がいました。
え、そんなに近づく必要あります?もう、腕当たってもすよ?顔を、覗き込んでしまっていますよ?なにそれ、ありがとうございます!!!!

「あの2人、両思いですわね。」

「いや、両片思いの方が燃えない?」

「確かに!相手の気持ちがわかるようでわからない時期って楽しいわよね!!」

「あれ?心なしか右の子顔赤く無い?いや、ちょっと赤いよね?あ、もしかしてこっちから見えにくいけど、後ろから弄られてるのかな?」

「両片思いで、そこまでしますか!?」

「いやいや、片思いだと思っているからこそ、体だけでも自分のものに‥‥って事よ。そして、致している最中にぽろっと本音が漏れて‥‥エンダーーーー!!!それがセオリーでしょ!」

「きゃーーっ!!胸が切なくなりますわ!!心なしか、左の子が右の子を見る視線が熱くなって言ってるような‥‥」

「あ、なんか耳打ちしてる!!やっぱり!!やっぱり、この後、トイレか空き教室に直行よね!!キャーっ!!」

2人でコソコソとバレない程度にガン見していると、見ていた男の子たちはそそくさとどっか行ってしまいました。うんうん。やっぱり、やりに行くのね。

「うんうん。御幸せに‥‥!」

「チャコ、リリ。そんなにあの男どもがどうかしたのか?」

「‥‥ジョー!?いつからそこに‥‥」

「今来たところだよ?で?なんであんなに熱視線送ってたのかな?」

・・・ジョーの笑顔が怖いです。

「いや、仲良いねって見てただけだよ?ねぇ、リリ?」

「え、えぇ。決して邪な気持ちでなんか見てませんわよ?」

嘘下手か!!

「ふーーん?邪な気持ちで見てたのかぁ~」

ジトーーっと、ジョーに視線で迫られます。

「そ、そういえば!ディ、ディナンも、今度のリリのお父様の誕生日会に行くんでしょう?」

「あ?あぁ。宰相からリリのエスコートを頼まれたからな。」

「ディナンの久々の正装、楽しみにしてるね!!」

「あ、あぁ。」

「ジョーの正装も、楽しみね。私のエスコートしてくれるんでしょう?」

「うん。もちろん。どんなの着て欲しいとかある?」

「そうねぇ‥‥あ、服装じゃ無いんだけど、こうやって‥‥こんな感じで髪を上げて見て欲しい!ジョーに絶対似合うと思うの!」

手櫛でジョーの髪をかきあげて抑えてみると、整った綺麗な顔がよく見えるようにしました。思ったより近くでジョーと目が合うと、ジョーが一気に真っ赤になっていきます。

「わ、わかったよ!絶対、神上げていく‥‥」

「う、うん‥‥」

思ってたよりもジョーが照れるもんだから、私まで恥ずかしくなってきちゃいました。
まぁ、無理やりながらなんとか話をそらせました。

その後は、のんびりと4人で話しながら食堂を後にしました。


・・・本当に、あの男の子たちはどこに行ったんですかね?気になります。



しおりを挟む
感想 54

あなたにおすすめの小説

拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました

星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎ 王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝―― 路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。 熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。 「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」 甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。 よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、 気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて―― しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!? 「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」 年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。 ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。

転生したら、実家が養鶏場から養コカトリス場にかわり、知らない牧場経営型乙女ゲームがはじまりました

空飛ぶひよこ
恋愛
実家の養鶏場を手伝いながら育ち、後継ぎになることを夢見ていていた梨花。 結局、できちゃった婚を果たした元ヤンの兄(改心済)が後を継ぐことになり、進路に迷っていた矢先、運悪く事故死してしまう。 転生した先は、ゲームのようなファンタジーな世界。 しかし、実家は養鶏場ならぬ、養コカトリス場だった……! 「やった! 今度こそ跡継ぎ……え? 姉さんが婿を取って、跡を継ぐ?」 農家の後継不足が心配される昨今。何故私の周りばかり、後継に恵まれているのか……。 「勤労意欲溢れる素敵なお嬢さん。そんな貴女に御朗報です。新規国営牧場のオーナーになってみませんか? ーー条件は、ただ一つ。牧場でドラゴンの卵も一緒に育てることです」 ーーそして謎の牧場経営型乙女ゲームが始まった。(解せない)

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!

鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……! 前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。 正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。 そして、気づけば違う世界に転生! けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ! 私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……? 前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー! ※第15回恋愛大賞にエントリーしてます! 開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです! よろしくお願いします!!

[完結]7回も人生やってたら無双になるって

紅月
恋愛
「またですか」 アリッサは望まないのに7回目の人生の巻き戻りにため息を吐いた。 驚く事に今までの人生で身に付けた技術、知識はそのままだから有能だけど、いつ巻き戻るか分からないから結婚とかはすっかり諦めていた。 だけど今回は違う。 強力な仲間が居る。 アリッサは今度こそ自分の人生をまっとうしようと前を向く事にした。

女性が少ない世界に転生した控えめ伯爵令嬢、なぜか五人の婚約候補に選ばれて少しずつ恋を知っていきます

ノッポ
恋愛
女性が極端に少ない異世界に転生した私は、気づけば伯爵令嬢になっていた。 前世は日本で普通に生きていたせいか、貴族令嬢らしい強気な振る舞いがどうしても苦手。 社交界デビューを迎えても、「どうして私が選ばれるの?」と戸惑うばかりだった。 けれど今年デビューする高位令嬢はわずか三人。 家同士の思惑も重なり、騎士団長家の息子、宰相子息、魔術師団長の息子、幼なじみの侯爵子息、そして英雄騎士―― 五人の若きエリートとのお見合いが次々と始まってしまう。 遠慮がちで控えめな性格は、この世界では珍しく、気づけば少しずつ距離を縮めていく彼ら。 異世界での恋愛に戸惑う日々。けれど出会いを重ねるたびに、私は少しずつ変わっていく――。 女性希少世界で、自分の幸せを選べるようになるまでの逆ハーレム恋愛ファンタジー。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 【ご報告】 2月28日より、第五章の連載を再開いたします。毎週金・土・日の20時に更新予定です。 また、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。 引き続きよろしくお願いいたします。

【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件

三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。 ※アルファポリスのみの公開です。

処理中です...