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第2章この度、学生になりました。
33*ランチデートをするのです。
しおりを挟む「ほっほっほ。お暑いですねぇ。」
「うひゃあ!!」
昼食の用意をしに出ていた執事さんが帰って来てました。
気配もなく、どうやって部屋の中に入ったのか。さすが、王様から選ばれてここに勤めている執事さんです。‥‥ちょっと、気配がなさすぎて怖いですが。
「なんだ、居たのか。」
ディナンは慣れているのか、普通に対応して居ます。
「いやはや、あの小さかったディナン殿下が‥‥このフリン、何とも感慨深く思います。」
「大袈裟だ。それに、フリンが私を見てくれてたのは3歳ごろまでだろう?成長してて当たり前じゃないか。」
「とても、嬉しいんですよ。」
執事さんもとい、フリンさんは、ディナンの小さい頃の執事さんだったようで、ディナンからして見たら、お爺ちゃんのような存在なんだとか。フリンさんに、ディナンの小さい頃に失敗だとか、可愛いエピソードを聞いたりして昼休みは楽しくてあっという間に終わってしまいました。
「チャコ様、是非また、お越しください。」
最後に、フリンさんからも温かい言葉を贈られてほっこりとした気持ちで教室に帰りました。
「フリンに気に入られるなんて、やっぱりチャコはすごいな。」
「え?」
「フリンは、あー見えても、元侍従長なんだ。だから、昔はもっと厳しくて、3歳の私相手にもマナーがなって居ないだとか、姿勢が悪いだとか、容赦しないようなやつだったんだぞ?」
「えぇー見えないね、可愛いお爺ちゃんって感じなのに。」
「まぁ、今はな。昔に会わなくて良かったよ、チャコは。」
ディナンは、昔を思い出しているのか、少しだけ懐かしいそうに笑っています。
その、優しい笑みに私は、ドキッと、ときめいてしまいました。
手を繋ぎたいけど‥‥まだ、婚約者でもないし、手を繋いで歩くとかいう概念がこっちの世界じゃないんですよね。エスコートで手を繋ぐ?感じにはなるけれど、エスコートじゃ疲れちゃうし。あぁ~あ。なんか、恋人っぽいことしたいなぁ。手、繋ぎたいな‥‥。
「チャコ?どうかしたのか?」
ディナンは、私がディナンの手をジッと見て考え込んでいるのを不思議そうにして聞いて来ました。
「‥‥いや、ね。うん。」
「ん?言いたいことあるなら言って?」
「‥‥変な事、でも?」
「チャコは今更でしょ?」
笑って受け止めてくれるディナンがなんだか頼もしく感じてしまいます。
「うん。‥‥あのね、なんていうか‥‥ディナンと、手をね、繋ぎたいなって‥‥。」
「手?」
やっぱり、手を繋ぐという概念が無いからか、首を傾げてしまいました。
しかし、ディナンはするりと私の手を取って、握手のような形で握って「どう?」と、満足そうに聞いて来ます。
なにそのドヤ顔!可愛いです!
「っ!じゃなくて、こう!」
私は、一度手を離して、恋人つなぎのように手を繋いでディナンに見せつけるようにへへっと笑いました。
「‥‥っ!」
「へん、かな?」
「いや、変っていうか‥‥チャコが可愛すぎて、どうにかなっちゃいそう‥‥。」
そういうと、ディナンは手を繋いだままヘロヘロっと力が抜けたように蹲ってしまいました。
‥‥可愛いのは、ディナンの方なのになって思いながら、私も隣にしゃがんみました。
「‥‥なんで、そんなに可愛いの。」
真っ赤な顔をしたディナンが少しだけ頭を上げて、聞いて来ましす。
「可愛いのは、ディナンだよ?」
「違う、チャコが可愛すぎる。それに、俺は可愛いと言われても嬉しく無い‥‥。」
「そう?今みたいな、私しか知らないディナンはとっても可愛いけどな。」
「‥‥。」
「ふふ。ほら、授業が始まっちゃうよ!行こう!」
私は、パッと立ってディナンの手を引っ張ります。
ディナンはその微弱な力でもちゃんと立ってくれて、私の隣に並んで歩いてくれました。
さすがに、生徒が多いところでは恥ずかしいし、噂になっては困るので手を離して普通に歩きました。
・
・
・
放課後、ディナンは生徒会の仕事があるので教室で別れを告げて、私はリリと一緒に帰ることにしました。
「チャコ、殿下のこと待ってないで良かったの?」
「うん。何時になるかわからないし。それに、今日は寄りたいところがあるからさ!ってか、フィン様って今日はお休みなの?」
「うん。一応、大事をとってって感じだから今は家でなんかやってるんじゃ無い?」
「今度さ、リリとフィン様と3人でまたお茶しようよ!フィン様ってすごいんだよ!めちゃくちゃ絵が上手いの!私たちの理想形をちゃんと具現化してくれるよ!」
「確かに、昔はよくお兄ちゃんに動物の絵とか書いてもらってたなぁ~人物像も書けるんだ。知らなかった。って、いつの間にチャコ、お兄ちゃんとそんなに仲良くなったの?」
「ん~たまに呼び出されてたじゃん?その時に流れでって感じ!」
「そうなんだ~!」
そんな、他愛もない話をしなていたら、あっという間に門へついてしまいました。
「じゃあ、また明日ね!」
「また明日ね、チャコ!」
そう挨拶して、リリとはここで別れます。
門の前にはもう、ジンが待っていました。私も荷物用の結晶石から自転車を出して、 帰る準備をします。
「おかえりなさいませ、お嬢。今日は、どこか寄られるんですか?」
「ただいま、ジン。うん。そうなの!ノートが少なくなって来たから雑貨屋さんに行きたいのと、ちょっと刺繍糸を見に行きたいの。」
「では、手芸洋品店ですね。じゃあ、市場の方に行きましょうか。」
「うん!市場なら、久々にコロッケ食べよーっ!」
「夕飯が近いですから、食べ過ぎはダメですよ。」
お母さんみたいな事をジンが言っています。私は、その言葉に生返事をしつつ、ウキウキしながら市場へ向かいました。
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