ハイスペック隠れ腐女子が異世界に転生しました。~二度目の人生全力で楽しみます!~

なーさん

文字の大きさ
75 / 84
第2章この度、学生になりました。

33*ランチデートをするのです。

しおりを挟む

「ほっほっほ。お暑いですねぇ。」

「うひゃあ!!」

昼食の用意をしに出ていた執事さんが帰って来てました。
気配もなく、どうやって部屋の中に入ったのか。さすが、王様から選ばれてここに勤めている執事さんです。‥‥ちょっと、気配がなさすぎて怖いですが。

「なんだ、居たのか。」

ディナンは慣れているのか、普通に対応して居ます。

「いやはや、あの小さかったディナン殿下が‥‥このフリン、何とも感慨深く思います。」

「大袈裟だ。それに、フリンが私を見てくれてたのは3歳ごろまでだろう?成長してて当たり前じゃないか。」

「とても、嬉しいんですよ。」

執事さんもとい、フリンさんは、ディナンの小さい頃の執事さんだったようで、ディナンからして見たら、お爺ちゃんのような存在なんだとか。フリンさんに、ディナンの小さい頃に失敗だとか、可愛いエピソードを聞いたりして昼休みは楽しくてあっという間に終わってしまいました。

「チャコ様、是非また、お越しください。」

最後に、フリンさんからも温かい言葉を贈られてほっこりとした気持ちで教室に帰りました。

「フリンに気に入られるなんて、やっぱりチャコはすごいな。」

「え?」

「フリンは、あー見えても、元侍従長なんだ。だから、昔はもっと厳しくて、3歳の私相手にもマナーがなって居ないだとか、姿勢が悪いだとか、容赦しないようなやつだったんだぞ?」

「えぇー見えないね、可愛いお爺ちゃんって感じなのに。」

「まぁ、今はな。昔に会わなくて良かったよ、チャコは。」

ディナンは、昔を思い出しているのか、少しだけ懐かしいそうに笑っています。
その、優しい笑みに私は、ドキッと、ときめいてしまいました。

手を繋ぎたいけど‥‥まだ、婚約者でもないし、手を繋いで歩くとかいう概念がこっちの世界じゃないんですよね。エスコートで手を繋ぐ?感じにはなるけれど、エスコートじゃ疲れちゃうし。あぁ~あ。なんか、恋人っぽいことしたいなぁ。手、繋ぎたいな‥‥。

「チャコ?どうかしたのか?」

ディナンは、私がディナンの手をジッと見て考え込んでいるのを不思議そうにして聞いて来ました。

「‥‥いや、ね。うん。」

「ん?言いたいことあるなら言って?」

「‥‥変な事、でも?」

「チャコは今更でしょ?」

笑って受け止めてくれるディナンがなんだか頼もしく感じてしまいます。

「うん。‥‥あのね、なんていうか‥‥ディナンと、手をね、繋ぎたいなって‥‥。」

「手?」

やっぱり、手を繋ぐという概念が無いからか、首を傾げてしまいました。
しかし、ディナンはするりと私の手を取って、握手のような形で握って「どう?」と、満足そうに聞いて来ます。

なにそのドヤ顔!可愛いです!

「っ!じゃなくて、こう!」

私は、一度手を離して、恋人つなぎのように手を繋いでディナンに見せつけるようにへへっと笑いました。

「‥‥っ!」

「へん、かな?」

「いや、変っていうか‥‥チャコが可愛すぎて、どうにかなっちゃいそう‥‥。」

そういうと、ディナンは手を繋いだままヘロヘロっと力が抜けたように蹲ってしまいました。
‥‥可愛いのは、ディナンの方なのになって思いながら、私も隣にしゃがんみました。

「‥‥なんで、そんなに可愛いの。」

真っ赤な顔をしたディナンが少しだけ頭を上げて、聞いて来ましす。

「可愛いのは、ディナンだよ?」

「違う、チャコが可愛すぎる。それに、俺は可愛いと言われても嬉しく無い‥‥。」

「そう?今みたいな、私しか知らないディナンはとっても可愛いけどな。」

「‥‥。」

「ふふ。ほら、授業が始まっちゃうよ!行こう!」

私は、パッと立ってディナンの手を引っ張ります。
ディナンはその微弱な力でもちゃんと立ってくれて、私の隣に並んで歩いてくれました。

さすがに、生徒が多いところでは恥ずかしいし、噂になっては困るので手を離して普通に歩きました。





放課後、ディナンは生徒会の仕事があるので教室で別れを告げて、私はリリと一緒に帰ることにしました。

「チャコ、殿下のこと待ってないで良かったの?」

「うん。何時になるかわからないし。それに、今日は寄りたいところがあるからさ!ってか、フィン様って今日はお休みなの?」

「うん。一応、大事をとってって感じだから今は家でなんかやってるんじゃ無い?」

「今度さ、リリとフィン様と3人でまたお茶しようよ!フィン様ってすごいんだよ!めちゃくちゃ絵が上手いの!私たちの理想形をちゃんと具現化してくれるよ!」

「確かに、昔はよくお兄ちゃんに動物の絵とか書いてもらってたなぁ~人物像も書けるんだ。知らなかった。って、いつの間にチャコ、お兄ちゃんとそんなに仲良くなったの?」

「ん~たまに呼び出されてたじゃん?その時に流れでって感じ!」

「そうなんだ~!」

そんな、他愛もない話をしなていたら、あっという間に門へついてしまいました。

「じゃあ、また明日ね!」

「また明日ね、チャコ!」

そう挨拶して、リリとはここで別れます。
門の前にはもう、ジンが待っていました。私も荷物用の結晶石から自転車を出して、 帰る準備をします。

「おかえりなさいませ、お嬢。今日は、どこか寄られるんですか?」

「ただいま、ジン。うん。そうなの!ノートが少なくなって来たから雑貨屋さんに行きたいのと、ちょっと刺繍糸を見に行きたいの。」

「では、手芸洋品店ですね。じゃあ、市場の方に行きましょうか。」

「うん!市場なら、久々にコロッケ食べよーっ!」

「夕飯が近いですから、食べ過ぎはダメですよ。」

お母さんみたいな事をジンが言っています。私は、その言葉に生返事をしつつ、ウキウキしながら市場へ向かいました。



しおりを挟む
感想 54

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?

すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。 一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。 「俺とデートしない?」 「僕と一緒にいようよ。」 「俺だけがお前を守れる。」 (なんでそんなことを私にばっかり言うの!?) そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。 「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」 「・・・・へ!?」 『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!? ※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。 ※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。 ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

転生したら乙女ゲームの主人公の友達になったんですが、なぜか私がモテてるんですが?

山下小枝子
恋愛
田舎に住むごく普通のアラサー社畜の私は車で帰宅中に、 飛び出してきた猫かたぬきを避けようとしてトラックにぶつかりお陀仏したらしく、 気付くと、最近ハマっていた乙女ゲームの世界の『主人公の友達』に転生していたんだけど、 まぁ、友達でも二次元女子高生になれたし、 推しキャラやイケメンキャラやイケオジも見れるし!楽しく過ごそう!と、 思ってたらなぜか主人公を押し退け、 攻略対象キャラからモテまくる事態に・・・・ ちょ、え、これどうしたらいいの!!!嬉しいけど!!!

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件

三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。 ※アルファポリスのみの公開です。

なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた

いに。
恋愛
"佐久良 麗" これが私の名前。 名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。 両親は他界 好きなものも特にない 将来の夢なんてない 好きな人なんてもっといない 本当になにも持っていない。 0(れい)な人間。 これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。 そんな人生だったはずだ。 「ここ、、どこ?」 瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。 _______________.... 「レイ、何をしている早くいくぞ」 「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」 「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」 「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」 えっと……? なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう? ※ただ主人公が愛でられる物語です ※シリアスたまにあり ※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です ※ど素人作品です、温かい目で見てください どうぞよろしくお願いします。

処理中です...