仲良しのもふもふに理不尽な婚約破棄を愚痴ったら、国が崩壊することになりました

柚木ゆず

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第11話 2つの異変と、聖女アリスの企み 俯瞰視点(1)

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「なんなの!? どうなってるの!?」

 オーギュスタン親子が白状を始める、7分ほど前のことでした。

「参加者は父上母上弟、大公一家叔父上たちと宰相一家――策の関係者のみの、内密なものとなっているからな。お前が来ても問題がなく、是非とも参加してもらいたい」
「まぁ、素敵な会ですわね。オーギュスタン様、喜んで参加させていただきますわ」
「そうか、では待っているぞ。開始は午後の6時からとなっているから、司祭長には適当に理由付けをして馬車で」

 突然『疎通の鏡』が声を届けなくなり、聖女アリスは頭を抱えていました。

「この鏡は物理的に壊せないし、永久に存在し続けられるのよ!? どうなってるの!? 何が起きたの!?」

 今起きているのは、決して起こり得ないこと。そのためアリスは猫かぶりキャラ作りを忘れて、素の性格で戸惑い始めます。

「結界がある限り、いつまでも使えるのに! どうして――…………結界がある限り……。もしかして――ううんっ。あるはずがないわ!」

 結界が破壊された? オーギュスタンと同じくそんな推理が浮かび上がりますが、有史以来そんな事態は発生していません。それによってオーギュスタン同様に、否定をしました。

「でも……だとしたら……。なんなの……? 考えられるのは………………オーギュスタン様が、ワザと交信を止めた?」

 結界破壊はあり得ない。彼女にはそんな前提があるため、可能性はそれしかありませんでした。

「こうなっているのは、オーギュスタン様が止めたから……。でも、なんのために……?」

 3か月前から密かに接触を始め、色気を使ったり巧みに持ち上げたりして、すっかり自分に夢中にさせました。交信はオーギュスタンにとって楽しみな時間であり、そもそも今は今夜の約束をしている最中でした。
 そのため思い当たることがなく、これは未曽有の出来事で、気になって仕方がありません。

「……夜まで、待てないわね。ミッシェル様っ! わたし――こほん。わたくし、外出をいたしますわっ!」

 聖女として陛下に緊急のお話がある。そう伝えておけば、人の目に映っても気にしなくていい。そう確信してアリスはイスから立ち上がり、付き人達を呼んで支度を整えさせ、神殿内に設けられている一番大きな部屋――聖女専用の部屋を飛び出しました。そして大急ぎで、馬車に――乗り込もうとしていた時でした。

《ほ、本日は……。皆様に、大事なお話があります……》


 突如空に、オーギュスタン親子3人の姿が映し出されたのでした。

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