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第4話 おかしな買い物をした理由~結婚前に父から頼まれていたこと~ケヴィン視点(1)
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「えっ!? 婚約や結婚に関わる費用は、全部俺が負担しなければならない!?」
エマの家で婚約撤回を取り付け、リナスのもとに大ニュースを届けたあとのこと。我が家に戻ると執務室に呼ばれ、そこにいた父さんから予想外のことを言われた。
婚約発表のパーティー、招待状の作成と送付、式場やスタッフの手配、ウェディングドレスなどなど。その全ての金を、俺一人で出さないといけないだって……!?
「そんな話は聞いたことがない! エマと円満に別れられたのは父さんも知っているし、父さんもリナスを歓迎していたじゃないか!? どうして罰じみた仕打ちを受けなけばならないんだ!?」
「……前当主――わたしの父、お前の祖父からの命令だ。円滑な解消であっても、自身の都合で先方など多くの人間に迷惑をかけてしまった。その罰として一切を支払わせよ、とのことなんだよ」
じい様は筋の通った人間で、厄介なことに一線を退いてもなお、家内で一番の発言権を持っている。
……くぅ……。エマなんかに興味を持ってしまったせいで……。リナスを泣かせるだけではなく、こんなところにまで悪影響が出てしまったのか……っ。
「わたしとしてもコッソリ出してあげたいのだが、父上はその件に関して金の動きを監視すると仰られているんだ。残念ながら、どうにもできないのだよ」
「……父さんは、現当主だ。めでたい出来事に水を差すなと、言い返す事は――」
「無理だ。父上に下手に逆らうと、最悪当主の座が弟達へと移行してしまうからな。さっき言ったようにコッソリ支払うことも、後日その分の金を渡したりすることさえも、できないんだよ」
当面、父さんから――家から俺への支援は禁止する。金の動きは全て記録させ、じい様のもとへと送る。それは、決定事項……。
「所謂謹慎期間が解けたら、すぐに何らかの形で補填してやろう。それまで耐えてくれ」
そうして俺は祖父を怨みつつ、仕方がないので全てのアレコレを自力で行うことにした。
幸い俺には、そういった作業をやり遂げるだけの財はある。
そこでこれまで稼いだ金を使い、もちろん――。余計な不安を与えてしまうため、この件はリナスには内緒。家の協力を得ていると嘯いて独りでセッティングを行い、必死に動いたかいあって、2人の結婚式は無事に成功。
一生の思い出となる最高の式となり、俺の優れた観察眼によって、ハネムーンも新婚生活も完璧。リナスは密かに想っていた俺と毎日居られて、俺は真に愛する人の笑顔を毎日見られて、全てが順調に進んでいた――のだが……。それから、2か月後。その日も愛する人を喜ばせるために動こうとしていた俺は、痛恨のミスを犯していたと気付くのだった。
エマの家で婚約撤回を取り付け、リナスのもとに大ニュースを届けたあとのこと。我が家に戻ると執務室に呼ばれ、そこにいた父さんから予想外のことを言われた。
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「そんな話は聞いたことがない! エマと円満に別れられたのは父さんも知っているし、父さんもリナスを歓迎していたじゃないか!? どうして罰じみた仕打ちを受けなけばならないんだ!?」
「……前当主――わたしの父、お前の祖父からの命令だ。円滑な解消であっても、自身の都合で先方など多くの人間に迷惑をかけてしまった。その罰として一切を支払わせよ、とのことなんだよ」
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……くぅ……。エマなんかに興味を持ってしまったせいで……。リナスを泣かせるだけではなく、こんなところにまで悪影響が出てしまったのか……っ。
「わたしとしてもコッソリ出してあげたいのだが、父上はその件に関して金の動きを監視すると仰られているんだ。残念ながら、どうにもできないのだよ」
「……父さんは、現当主だ。めでたい出来事に水を差すなと、言い返す事は――」
「無理だ。父上に下手に逆らうと、最悪当主の座が弟達へと移行してしまうからな。さっき言ったようにコッソリ支払うことも、後日その分の金を渡したりすることさえも、できないんだよ」
当面、父さんから――家から俺への支援は禁止する。金の動きは全て記録させ、じい様のもとへと送る。それは、決定事項……。
「所謂謹慎期間が解けたら、すぐに何らかの形で補填してやろう。それまで耐えてくれ」
そうして俺は祖父を怨みつつ、仕方がないので全てのアレコレを自力で行うことにした。
幸い俺には、そういった作業をやり遂げるだけの財はある。
そこでこれまで稼いだ金を使い、もちろん――。余計な不安を与えてしまうため、この件はリナスには内緒。家の協力を得ていると嘯いて独りでセッティングを行い、必死に動いたかいあって、2人の結婚式は無事に成功。
一生の思い出となる最高の式となり、俺の優れた観察眼によって、ハネムーンも新婚生活も完璧。リナスは密かに想っていた俺と毎日居られて、俺は真に愛する人の笑顔を毎日見られて、全てが順調に進んでいた――のだが……。それから、2か月後。その日も愛する人を喜ばせるために動こうとしていた俺は、痛恨のミスを犯していたと気付くのだった。
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